カテゴリ:トラベル
土地のものは城山(じょうのやま)と呼んでいる。 戦国の時代には、城が築かれていたそうな。 小高い丘の頂上の、僅か500坪程の藪。 ぐるりはケヤキが繁茂し、鬱蒼としていて 参る人も無く、藪に埋もれた古めかしい小さな社(やしろ)の前に立つと 風に吹かれた落ち葉の音が、古の兵(つわもの)の歩き回る音のようで 思わず振り返ってしまうのだな。 小生の幼少だった頃、誰もが貧しい時代、ここは畑だった。 小豆などが植えられていて あたりをほじくれば、欠けた土器が出土して、小生らの格好の遊び場であったな。 貧しくも、社は守られていて 人の心に、神仏に対する畏れと純真が残っていた・・・ それが・・・ 近頃じゃ経済至上主義。 一銭にもならぬ畑作など、誰がやろうと云うのか? いつの間にやら原野。 自然、訪れぬ者もなく、荒れ果てるにまかされた社の必然! それが一層の妖気を呼び、 戦国武将の鮮烈な最後の伝説と相まって 社の脇の、つる性の樹に覆われ枯れ死した老樹の哀れさに、 人の世の儚さを、妙に感じてしまうのだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.09.17 14:01:12
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