わたしの部屋

明日は成人の日ですね。

コロナも収束して、日本中津々浦々、成人式が行われるんでしょうねえ。

近年の成人式では、出来損ないの新成人たちが結構盛り上がって、
少々暴れて…など話題になることがありましたが
今年はどうなんでしょう？
やっぱり盛り上がってしまうのでしょうか？

久々だから少々盛り上がったって許してあげましょう！

実はわたしも、数十年前に、成人式に参加した記憶があります。

でもあの頃の成人式はごくごく静かで、
わたしたち新成人は、みなさんおとなしかったなあ。
式は葬式のように、盛り下がっていたような気がします。

で、当時わたしは、東京葛飾区に住していて、
たしか葛飾区の文化会館ではなかったかと…
この辺は大分記憶が曖昧で定かじゃございませんが
たしか記念に、ひねたアルバムを戴いた記憶が…

鮮明に覚えてるのは、その帰りの出来事。

今日から晴れて大人の仲間入り、やっとできるぞ喫煙と飲酒ってんで
さっそく、ピース（ロング）と言う名柄を買い求め

火をつけましたのよ。でも初めてでしたからゴホゴホとむせて涙目。

運が悪いことに、ちょうどそこに通りかかったのが
自転車で警邏中の若いお巡りさん。

多分新米の警官だったかもわかりません。
わたしが激しくむせているものだから、
「怪しい！」とにらんだのか？
それとも急に目を反らしたのが「怪しかった」か？

やおら自転車を止めて、つかつかとやってきて、
「タバコは二十からだよ！」と厳しい口調で。

わたしはそれまで、警察官に呼び止められたことなんか
一度もない
超優良な生真面目青年だったので、すこし動揺して、

「な、何ですか～…ぼ、ぼく、なんも悪いことしてまへんで…」
と弱弱しく応えたのでした。

するとそのお巡り、思い出してもちょっと腹立たしいので、
これからはお巡りと言います。

そのお巡り勝ち誇ったかのように、仁王立ちで「身分証！」と手を伸ばします。

わ、わたしは、恐怖で少々震えながら、
成人式のためにこさえた一張羅のスーツの内ポケットをまさぐり
静々と伝家の宝刀「免許証」を差し出したのでした。

するとそのお巡り、少し怪訝な顔になって、
なんどもなんども、私の顔と、免許証とをにらめっこして、
やがて初手柄をあきらめたか？「ふ～っ」とため息ついて

「け、結構です…ひ、ひづれい、し、しました…」
と、また自転車に乗って、ヨタヨタと去っていきました。

今じゃ喫煙はどこでも良いという時代ではありませんが
あの頃はのべつ幕なし、歩きたばこも許されていた時代です。

年齢さえクリアしていれば文句のつけようがありません。

以上、わたしの二十歳の拙い与太話でございます。

あのときのお巡り、とっくに隠居のお歳とは思いますが
元気にお暮しになっているのでしょうか？

成人式になると、この時のことをいつも思い出します。

ああ、たばこですか？
タバコは止めました。１０年吸って止めました。

止めた理由は、タバコを吸うと夫婦仲が険悪になるから。

実はわたし、結婚当初、朝ご飯が食べれなかったのです。

タバコを吸うとなぜか朝ごはんが入らない。
女房はせっせと作る、今とはエラい違いです。

で、いつも朝食を残してたら、ついに女房のこめかみに青筋が！
無言で手を付けてない朝ご飯を、
わたしの目の前で、ゴミ箱にどさどさと放り込んだのよ。

怖かった～、あの無言の女房の仕打ちが…
こりゃまずい、何とかせんと非常にまずい！

と、朝食が食べれない原因がタバコとにらんで止めたら
あの細かったウエストが見る見るビア樽になって
現在に至っている、という次第です。

あのときの家人は、
初めての喫煙をとがめた、葛飾のお巡りより
数十倍は怖かったんだよ。ジッサイ。

だから、おそロシアの現代版は、地震、雷、火事、女房だよね。


今日の一句



職質や咽て涙目元服日


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