カテゴリ:偐万葉
偐万葉・松風篇(その2) 本日は午後からは久々に好い天気となったので、銀輪散歩をして来ましたが、さしたる収穫もこれなくあれば、昨日に続いて「偐万葉」といたします。 偐家持が松風朝臣麻呂(まつかぜのあそんまろ)に贈りて詠める歌35首 芽吹き時 命の流れ のびやかに ほつ枝に青き 春の空あり ナルシスの 花は含めり 吹く風に 青き波立つ 我が丘の春 水仙の まだ咲かなくも 春の丘 たぐひてあれば 待つもやうれし 眺むれば 道ゆく人の それぞれの 春の日はあり 鶴見の丘は 遠山の 桜の花や 亡き父の 忌日は春の 霞みてかなし あゆの風 吹き来を待ちつ 不死鳥は 冬こそは 慈愛の季節 木々はみな 草に日差しを 与へるならし 銀輪の 鴨驚かせ 行くなるか 鶴見大池 池の辺の春 ピーマンの 赤くなりゆく 秋暮れて 酒ひとり汲む 何としなけど 世は花の 盛りなるかや 吾は知らじ 大池は 春となるらし 花霞 水際に鳥の 群れ鳴く見れば 自らの 上枝の影を うつしつつ 二人し行くを 見やる木のあり 真澄鏡 照る大池に 飛ぶ鳥の 声の霞みて 春のかなしき 我ここに 軽やかに在り 白き木の 風も知らにと 吹き渡りゆく 春雨の しくしく降るに 松風の 鶴見の君は いかにやおはす 降り積める 枯葉の暗に われ在りて さみどりの 芽吹きの風の やはらにも 枯れたると 見えし古木に 芽吹くあり 春をゆく 人の片辺に さみどりの 芽吹きのありて 軽き風吹く 雨上がり 鶴見の空は 灰色の 大なるシャボンの 玉のたゆたひ たなぐもり はるけき時ゆ 風や吹け 遊子はひとり 丘の上ゆく 神の手の 待てといふにや あらざるか 若葉萌ゆ 木はすずかけに ひよどりの 見渡せば ひとつ銀輪 あるばかり 我が恋ふは 青き色なり 苑の池 映して赤き 薔薇の咲くとも さはやかに 水面に青き 風吹けば やがても赤き 薔薇にぞ憩へ 流れゆく 水もやさしみ 淀川の 岸辺に暮るる この日の惜しき 空暗く 嵐かも疾き 鶴見野に 雨も降り来や 人影もなき 支え木の 外れカタカタ 幹を打つ 音の高しも 吾が孤悲益さる なすことも なくて昼寝の 老水車 枯れしか水の あともなき春 丘の上の 青める草の 波立ちて 夏へと風は 時招くらし 無花果の 青き葉の風 吹きも来て ダビデの庭の 白き石踏む 佇めば エホバの神の まなざしか 吾背子の 絵にもや見ゆる 色ありて 虞美人の 花咲く見れば 我が丘に はやしも夏の 近づくならし
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[偐万葉] カテゴリの最新記事
|
|