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白内障も病気と言えば病気なのだが、ヤカモチの「病気」の範疇には入っていないので、入院などという大袈裟なことになっているのが何とも奇妙な感覚にて、場違いのわれにしあるや・・など思いつつブログなどアップしてみむとて。さればとて、銀輪家持なれば銀輪なきは筆なきがごと、すべもなければ病棟の窓にし見ゆる生駒山などを・・。 病棟に 見つつもをらむ 生駒山 何とてなすの こともなきわれ これは入院した2月5日に、病室から生駒山を撮影したもの。病室は東に面しているので常に生駒山とご対面である。 生駒山の登場する万葉歌は6首ある。それぞれについてこれまでに何処かのページに掲載していると思うが、その全部をまとめての掲載はしていないかも知れないので、ここで掲載して置くこととします。 ・・・露霜の 秋去り来れば 射駒山 飛火が岳に 萩の枝を しがらみ散らし さ雄鹿は 妻呼びとよむ 山見れば 山も見が欲し 里見れば 里も住みよし・・・(万葉集巻6-1047) 妹がりと 馬に鞍置きて 射駒山 うち越え来れば もみち散りつつ 夕されば ひぐらし来鳴く 生駒山 妹にあはず あらば術なみ 石根ふむ 難波津を 漕ぎ出て見れば 神さぶる 生駒高嶺に 雲そたなびく 万葉人にとって生駒山は、恋人を思う山であったり、越えてぞ妻や恋人に逢いに行く山であったり、遠く故郷を偲ぶ山であったりしたのだが、今の偐家持にとっては、朝夕に見つつもあらむ生駒山であり、見るほかに何とてもなき生駒山である(笑)。 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎはの少しあかりてむらさきだちたる雲の細くたなびきたる・・でしたでしょうか。朝の生駒山の景も枕草子の景さながらに6日7日は明けて行ったのでありますが・・。 昨夜から雪が降り始め、翌朝には一面の銀世界と期待したのですが、起きての今朝の景色はご覧の通り、屋根にいささか白きもの降り積みたるのみにて、道路などは濡れているばかり。既に雨にと変わりたれば、更に積もることもこれなきかと・・。 な隠しそ 言ふに雪雲 烏滸なるや 今朝は隠しつ 生駒の山を など言っているうちに、山の稜線が次第にくっきりして来て、生駒山山頂部分のみが雲の中という状態にまでなっていますから、ようやく雲も反省し始めたと見える(笑)。
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