偐万葉・ふぁみキャンパー篇(その12)
偐万葉シリーズ第258弾は、昨年2月以来の久々の「ふぁみキャンパー篇」であります。
<参考>過去の偐万葉・ふぁみキャンパー篇はコチラからどうぞ。
ふぁみり~キャンパー氏のブログはコチラからどうぞ。
偐家持が湯麻呂に贈りて詠める歌18首ほか
遠々し 越の弥彦に 八重桜
咲きてキャンプの 前振りすらし (桜小町)
(弥彦公園の八重桜)
ほほづきも ゆきわりさうも ゆの名にて
花は咲きても 湯の花ばかり (偐湯持)
(日帰り温泉ほおずきの里)
やはらかき アルカリの湯に 触れもみで
かなしからずや 名をぞ言ふわれ (湯謝野晶子)
(注)偐万葉掲載に当り第5句を「名を覚えるわれ」から「名をぞ言ふわれ」に
変更した。
(本歌)柔肌の 熱き血潮に 触れもみで
悲しからずや 道を説く君 (与謝野晶子「みだれ髪」)
感情を 理屈で糊塗す 男らの
さかしき論も 面白きかな (言行放恣)
(注)言行放恣=兼好法師の洒落
うち日さす 都の夏に 鳴く蝉は
あさクマゼミに よひアブラゼミ (偐蝉丸)
(注)うち日さす=都にかかる枕詞。「うち日さつ」とも言う。
あさクマゼミに・・=クマゼミは主として午前中に鳴き、アブラゼミは
午後から夕刻にかけて鳴く。
五十万 近づくらしも 百万 まだ遠かりき 八年の夏は
奴奈川の 先なる公園 求めて 来しや君かも 昼過ぎて 着きし君かも 墓の木の 自然公園 君の 行くがともしも (淀川姫)
(注)1.墓の木の自然公園=「墓の木自然公園」、黒部川の中下流にある公園。
2.ともしも=「羨しも」。うらやましいの意。
(本歌)奴名川の 底なる玉 求めて 得し玉かも 拾ひて 得し玉かも あた
らしき 君が 老ゆらく惜しも (万葉集巻13-3247)
(注)1.奴名川(沼名川、奴奈川)は、姫川、その支流の小滝川、姫川の西にあ
る田海川、青海川など諸説がある。
2.「あたらしき」は、惜しい、の意。「あたら若き命を」などと言う時
の「あたら」と同じ言葉である。
3.奴名川の「ぬ(瓊)」は、玉、翡翠(ヒスイ)のことである。
(万葉歌碑)
わらアート 角田の山の 青雲に 立ちて雄々しき トリわらトプス
上堰の 潟野に秋の をたけびの わらザウルスの 見らくしよしも
(トリわらトプス) (わらザウルス)
ころしあふ ことはいはずも こやをみな
よはきにむごし なすまじいくさ
こすもすの 花もや語れ 戦争の 悲惨と言ふも 足らざる真実
(上堰潟公園のコスモス)
任侠の 花となど咲く 藤袴
吉良の仁吉の 今あらなくに (青成瓢吉麻呂)
雪降れば 三条避けよ 急ぐなら
燕を行くが よしと言ふべし (三条燕)
わが町に 四条五条は あるなれど
三条なければ 雪も降らざり (東大阪雀)
(光君)
草花も 過ぎて増えるは 罪なるか
あはれ切られの オオキンオオハン (多様性法師)
(注)オオキン=オオキンケイギク(大金鶏菊)
オオハン=オオハンゴンソウ(大反魂草)
※両者は共に外来植物。その旺盛過ぎる繁殖力によって在来植物を駆逐
し、生態の多様性を阻害するとして、特定外来植物に指定され、防除
・駆除対象植物となっている。
多様性法師=素性法師(僧正遍照の息子)のパロディ。
今はもや 名ばかりなる 片栗粉
などて呼ばずや これ芋の粉と (片栗芋持)
裏を見て表見過ごす春銀輪
(元句)裏を見せ表を見せて散る紅葉 (良寛)
(良寛像)
姫山の 白塗り姫の 城にして 白き城なり 白鷺の城 (白過ぎ城)
ひとすじの 夕日なす道 瀬波の海 西方浄土ゆ 波も寄せ来や
(瀬波の海)
(注)瀬波の沖の粟島は西方浄土への入口の島とも言われている。
(脚注)掲載の写真は全てふぁみり~キャンパー氏のブログからの転載です。