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偐万葉田舎家持歌集

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2023.10.21
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カテゴリ:友人ほか
嗚呼、悲しい。何と悲しいことか。
 ブロ友のfurano-craftさんがお亡くなりになられました。
 一昨日(10月19日)午後5時20分、furano-craftさんから電話が入りました。先般、同氏にお送りした柿のお礼のお電話かと、電話に出ると、同氏の奥様の声でした。一瞬、何やら不安な不吉な予感が走りましたが、果たして、それは「主人が亡くなりました。」という訃報でありました。葬儀も済まされ、一段落されてのお電話であったのだと思うが、「ヤカモチさんが送って下さった柿が主人が口にした最後の食べ物でした。美味しいね、と喜んでいました。」という奥様の話。
 それは、9月下旬に富良野産の玉ねぎ、
カボチャ、ニンニクをお送りいただいたことへのお礼にお送りした柿である。9月22日生前の同氏にそのお礼の電話を差し上げた際に柿をお礼に送るとお約束したのでした。この時は体調が悪い時もあるが、まあ元気にしています、とのことであったので、まさかの急逝であります。思えば、それが彼の声を耳にした最後であったのだ。
​​ 馴染みの果物店に発送を依頼して置いたのだが、発送されたのは10月の10日前後であったよう。果物店から「急ぎますか」と聞かれ、「早いに越したことはないが、それ程急ぐというものではない。」と答えたのであったが、もう少し遅いと間に合わなかったかもしれなかったのであった。
 「そうですか。柿は間に合ったのですね。残念で悔しく悲しいけれど、それはせめてものことでした。」そんな会話はお互いどうしても涙声にならざるを得ず、声が詰まってしまうのでありました。
 furano-craftさんとは、2013年3月6日からブログ上の交流が始まりましたので、10年7ヶ月余のお付き合いであったことになる。
 同氏は、京都のご出身で、2008年に京都から富良野に移住。この地に工房を構え、木工作品の製作・販売のお仕事を始められました。
 詳しいことは下記を
ご覧ください。
<参考>furano-craft氏のブログはコチラ
      同氏開設の木力工房・富良野麓郷庵(富麓庵)のHPは
コチラ
 ヤカモチとの交流が始まったのは2013年であるから、移住5年が経過した頃のことであったということになります。
 同氏との交流の中での思い出としてエピソードを二つあげると、その一つは、今は亡き智麻呂氏に関係する、ジャガイモの話。
 2015年元日、大阪では珍しい雪の降る元旦、furano-craftさんからジャガイモが宅配で送られて来ました。配達の青年が上衣もフードも降りしきる雪で真っ白になり、まるで雪だるまのような姿で届けて下さったのが印象に残っている。段ボール箱を開けると沢山のジャガイモがゴロゴロ。
<参考>​降る雪と共に来たれる北の芋​ 2015.1.2.

(降る雪と共に来たれる北の芋)
 これの一部を智麻呂さん宅にお裾分けとしてお持ちしたことから、話が始まります。智麻呂さんがそのジャガイモを絵にされ、ヤカモチにお礼にと下さいました。
​​
​<参考>第154回智麻呂絵画展​ 2015.1.15.

(智麻呂絵画)
​​
 ​これを額に入れて、furano-craftさんに送ると、同氏はご自分のアトリエに飾り、それをブログ記事にアップされました。
<参考>
ブロ友さんの「けん家持さん」から頂いた「智麻呂画伯の絵画」​ 2015.1.26.

 その智麻呂さんも昨年2月にご逝去。
 その追悼記念文集を編纂していた折に、furano-craftさんからお電話をいただくということがあり、ジャガイモの縁で何か寄稿いただけないかとお願いしたら、快くお引き受け下さいました。

(寄稿文)
 もう一つのエピソードは、よく北海道富良野に旅行される友人の岬麻呂さんが、当ブログでfurano-craftさんのことをお知りになり、同氏の工房をお訪ねになるなどして、親しくなられたことです。
<参考>​友人十色​ 2016.7.15.
    ​岬麻呂旅便り191・木力工房、富良野、美瑛、大雪旭岳​ 2016.7.19.
    ​岬麻呂旅便り193・大雪山系の紅葉とガーデン巡り​ 2016.10.4.
    ​岬麻呂旅便り199・富良野​ 2017.1.31.
​​​ 最初のご訪問は2016年7月14日のことであったということが、上の「友人十色」の記事から判明しましたが、その後、度々お訪ねになられていますから、お二人には波長の合うところがあったのでしょう。ヤカモチもいつの日にか富良野を訪ねて直接にお目にかかりたいものと思っていましたが、なかなかそういう機会もなく、とうとう直には会わぬままで、会えぬままで、furano-craftさんは逝ってしまわれました。
富良野への 道は遠みか 逢へぬまま
         背子は逝きにし くやしかなしも (偐家持)
ありがとう 柿をうまいと 食ってくれ
         逝きし友よと 面影に言ふ (偐家持)
 furano-craftさん、10年余のお付き合いありがとうございました。
 そちらでは、智麻呂さんも居られますから、追悼寄稿文にお書きになったように、ご挨拶なさってください。やあ、やあ、と満面の笑みで迎えてくださることでしょう。
 憧れて移住された北の大地で15年、本当によく頑張られました。
 お疲れ様でした。
 どうぞやすらかにお眠りください。
​​​<付録>​
​偐万葉・ふらの篇(その10)​

麓郷の 森はや暗く なりゆきて 夕陽わづかに ()()にこぼる (森家持)

今日もまた よき日なりけり よき仕事 終へて森より 妻待つ家へ (森家持)

     
 (20201111工房から見る麓郷の夕陽)​

これやこの 行くも(きた)るも コロナ禍の 難波大阪(なにはおほさか) 痛し痒しも (偐家持)

コロナ禍も よしとし生きて よきどちと
        よき年にせむ よき人よく生く (偐武天皇)

(本歌)よき人の よしとよく見て よしと言ひし
            芳野よく見よ よき人よく見つ (天武天皇 万葉集巻1-27

     
       (20210101賀正)

ブログ記事 書かずにあれば 如月の 十五日(もち)もいつしか 過ぎてありけり
                                      (高橋鳥麻呂)

(本歌)富士の()に 降り置く雪は 六月(みなづき)の 十五日(もち)()ぬれば その夜降りけり
                                 (高橋虫麻呂 万葉集巻3-320

麓郷の 森の小さき 工房も 秋には十年(ととせ) 迎へまくよしも (偐富良麻呂)

(注)迎へまく=迎へむ+アク(形式体言)。迎えるであろうこと

はや十年(ととせ) 北の大地に 住み住みて 手ぶりも北の それとやなりぬ
                                    (偐富良麻呂)

(注)手ぶり=手振り、手風。立ち居振る舞い。

(本歌)しなざかる 越に五年(いつとせ) 住み住みて 立ち別れまく 惜しき(よひ)かも
                            (大伴家持 万葉集巻19-4250

     
  (20210223木力工房10th anniversarry)

蜜蝋の ともし火ゆらぐ ひとりごと ()く冬支度 せよとや聞こゆ (偐家持)

     
    (20211103本格的な冬が来る前に)

​   木力工房創立10周年に寄せて詠める

​​​​​木の(ちから) 信じ富良野に 十年(ととせ)われ 今日(けふ)までひたすら かけてぞ()​​しか
                                      (
山部富良人(やまべのふらひと)​​
​​
​)​​​​​

(注)「かけて」=「駆けて」と「懸けて」を掛けている。

工房は 山部(やまべ)となりて きもあらた 次の十年(ととせ)も 駆けてぞ行かむ
                                 (山部富良人)

​(注)「きもあらた」=「気もあらた」と「木もあらた」を掛けている。
      
                 (20211111 furano-craft)

  ​智麻呂追悼記念文集へのふら麻呂の寄稿に寄せて詠める歌1

​​さやあかね むすぶえにしの ありがたく ふらのにけふも ともまろがゑみ
                                        (やかもち)
​​​

​    
   (20220908ジャガイモ・さやあかね)
<参考>過去の偐万葉ふらの篇は​コチラ​​から。
    木力工房のホームページはコチラから。
    当ブログの木力工房関連記事はコチラから。






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最終更新日  2023.10.21 22:31:40
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Re:furano-craftさん逝く(10/21)   岬麻呂 さん
furano-craftさんとは家持さんのブログで知り、富良野に旅するたび(年2~3回)に「麓郷の森のお店」でお目にかかっていました。
手術をされた後、養生されるのにお店をたたまれご自宅のアトリエで製作活動をなさっていましたので、以後はご自宅をお尋ねしていました。
小生が富良野に何度旅しても知り得ないお話を、移住されて体験された情報をたくさん聞かせていただいたのも思い出の一つです。
奥様はお仕事をされておられるようで、一度だけお目にかかりました。それはご自宅ではなくて富良野の鳥沼公園でした。奥様のお休みの日だったようで、お二人で公園にお出でになった時、偶然小生も同じ場所に居た時でした。お二人の会話をお聞きしていて「愛妻家」であることが分かりました。誠実で心優しいお人柄でした。ご冥福をお祈りいたします。 (2023.10.21 23:58:22)

岬麻呂さんへ   けん家持 さん
 furano-craftさんとは直にはお会いせぬままになってしまいましたが、何度かお電話でお話しましたので、その口調などは耳が覚えていますし、貴兄が旅便りに添えて何度か同氏の写真を送って下さっているので、その限りでお顔も存じ上げているということで、直にお会いしたことがあるような感じで彼のことを思い出しています。そんな身近なブロ友のお一人であったので、とても残念で寂しい気分です。
(2023.10.22 12:01:29)

Re:furano-craftさん逝く(10/21)   MoMo太郎009 さん
出会いと別れの繰り返し、それが人生といってしまえば、そうですが、でもなんか、寂しいものかも。
(2023.10.22 19:25:37)

MoMo太郎009さんへ   けん家持 さん
  >出会いと別れの繰り返し・・・
 会者定離、我やさき人やさき、夜半に嵐の吹かぬものかは・・ですが、「聞けば哭のみし泣かゆ、語れば心ぞ痛き」で、別れはいつも悲しく、寂しく、辛く、切ないですね。
(2023.10.23 16:31:43)

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