「エオンナガタ」=エオンの騎士+女形ということでした(11/20)
きっとちゃんとチラシやHPを見ていたらわかっていたでしょうが、予備知識をほとんど持たずに劇場に行った私には、驚きがいっぱいでした。(出演)シルヴィ・ギエムロベール・ルパージュラッセル・マリファントなんと言っても、一番の驚きはロベール・ルパージュが踊っていること!俳優出身の演出家だと思っていましたが、踊るんですね。だって、昨年からMETで「リング」を演出しているあの方でしょう?「ファウストの劫罰」も演出していました。スタイリッシュな照明が際立つオペラの演出で気に入っていたので、今回も照明に特徴のある演出をするだけだと思っていました。そういえば、METライブビューイングの幕間のインタビューで見た気がします。「演出家なのにカッコイイ」(!)なんて思った記憶があります。その人がゆうぽうとで踊っているなんて、というわけです。3人はジャンルが全然違うので、どうしても演劇的に収斂されます。ギエムの踊りが少なめだったところが、ちょっと欲求不満かな。演出では、浄瑠璃や殺陣のように、ジャポニズムがそこここに取り入れられていて、それがいまひとつだったでしょうか。どっちも、本物そっくりにやってほしいというわけではありません。ただ、日本の文化として完成度がすごく高いものなので、中途半端に似せてほしくないな、と。はっきり言って、奇才3人であっても、そこのところは何か‘おぼつかなげ’だったと思うのです。「シュヴァリエ・デオン」という素材は興味深いです。男であって、女でもある。ギエムがもっと表に出たら面白かったかも。昔からいろんな物語にその数奇な一生が取り上げられて、存在自体がセンセーショナルですから。ボーマルシェがエオンに関係している、ということにもびっくり。私にとってボーマルシェとは、「セビリアの理髪師」と「フィガロの結婚」の原作者です。単なるオペラの劇作家ではなくて、国王の密使でもあったんですね。米独立戦争にも絡んだようで、政治センスもあったんでしょう。 いろいろなことに、へええ~と思っているうちに、舞台は終わりました。楽しめましたが、今後もこの手の作品をずっと作り続けていったほしいとまでは、正直思えませんが。。。