劇団四季『アイーダ』(10/24夜)
ミュージカルの『アイーダ』は初めて観たときからお気に入り。エルトン・ジョン(作曲)&ティム・ライス(作詞)ときては気になっていたけど、そのためだけにNYに観に行くというわけにもいかなくて、2003年の大阪での四季の上演を楽しみにしていた。大阪での日本初演は、プロダクションそのもの(台本・曲・振付・装置衣装など)に目を見張った。オペラの「アイーダ」を骨格はそのままながら、現代的ラブストーリーになってて、オペラより違和感がない(のは当たり前か)。そして、オペラより恋人たちはストレートに恋に没頭し、アムネリスはりっぱな女王になる片鱗を見せて終わる。台本の処理も上手だ。何よりエルトン・ジョンの音楽が好きだったし、(6年前は)衣装とダンスがファッショナブルと思ったものだ。あの、ゾーザー(ラダメスの父で宰相)とその私兵(?)の学ランのような制服と、応援団のような(?)振付がキレがよくてカッコイイ。(ちょっとジャパンが入っているなあ、と今回初めて思った。)でも、6年前はダンスはさておき、歌唱にはかなりガックリしたのも事実。売店でブロードウェイで録音したCDを試聴したら、あまりの違いにどうしても現地で観たいと思ったものだ。その3年後にNYに行ったついでに、念願かなってブロードウェイへ。ロックな音楽はやっぱり英語を乗せるとカッコいい。それきり忘れていたのだけど、いよいよ東京にやってきたので、ちょっとわくわくしながら汐留の電通四季劇場[海]へ。 アイーダ:濱田めぐみアムネリス:五東由衣ラダメス:金田俊秀メレブ:吉賀陶馬ワイスゾーザー:飯野おさみアモナスロ:川原洋一郎ファラオ:前田貞一郎いやあ、よかった(笑)。全体にレベルが上がった。特に歌が上手くなってる!濱田さんの健闘に拠るところが大きいと思うけど、他のキャストもよかったと思う。四季は日本語の発音で母音を強調するかのような話し方をするせいか、ちょっと違和感があるけど、日生や帝劇でやるミュージカルの出演者の(一部の方々の)ように滑舌が悪くて聞き取れない、なんてことはない。ダンスはもともと上手いし。一方で、6年前も3年前もカッコイイと思った振付は、いまやちょっと古臭い気がした。我ながら勝手なもんだなーと思ったが。量産しているイメージの四季だが、結構満足して帰ってきたのだった。