バレエフェス Bプロ (8/8)
体調は悪かったが、ここでヘタッては何のために働いているんだか・・・。そう思うと立ち上がって上野に向かうことができた。(オーバーかな)■第1部■ 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレスゆっくりしたテンポのチャイパド。テクニック的には美しかったけど、ここではまだ盛り上がらず。「コッペリア」振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナヤーナも結構頑張っている。だけどバレエフェスの中ではやはり地味で、あとで思い返すのに一番苦労した。「アレクサンダー大王」振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマーポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲルAプロよりずっとよかった。今のこの2人に合っている。(特にポリーナちゃん)振付が斬新とは思わないけど、結構面白く観れた。フォーゲルは・・・結構りっぱな筋肉美でございました。ポリーナちゃんは、デビュー時に目立ったバレリーナらしからぬ大きなムネはどこへ?ふくらはぎから太ももまで一直線に‘すじ’のはいった筋肉を見つめながら、その答えは想像がついたけど。「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴシオマラ・レイエス ホセ・カレーニョカレーニョのソロがなかった。。。悲しい気持ちになったけど、難易度の高いリフトをこなす彼を見て、水香さんが「マジックハンド」と言っていたのを思い出した。「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー上野水香 デヴィッド・マッカテリ水香さん、一向に変わりませんね。いくら黒鳥でも、これほどパキパキ踊られてはねえ。マッカテリが必死でフォローしていてお気の毒でたまらず。「パリの炎」振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフマリア・コチェトコワ ダニール・シムキンなんと言っても本日のメインイベントだった。Aプロより格段によい出来で、会場は沸きに沸いた。シムキン君はこっちの方が踊り慣れてるのね。ふわっとした180度の開脚も540もキメてくれて、ここでやっとフェス中盤らしい盛り上がりになった。■第2部■ 「ナイト・アンド・エコー」振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチエレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディンこのノイマイヤーはわかりにくかった。エレーヌ・ブシェの、腰から下が長さがすばらしいプロポーションに、しばし目を奪われた。「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズアニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネスフォーサイスにしては冴えなかった。(そう思うのは、私の体調のせいかもしれない。)衣装はビミョーすぎる。(濃淡の肌色?の総レースタイツ。)UFOみたいなスカートが付いてるアニエスはまだしも、ジョゼは遠目には全裸に見えたかも。なんにしても、この2人しか着こなせない衣装ではありました。「白鳥の湖」第3幕より振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキールシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カランルシンダ・ダンの演技力がすごかった。この役はプリンス・チャールズ夫人となったカミラだと言われてるけど、ほんとかな。チャールズ(=王子)とダイアナ(=白鳥)はそうかも・・・と思ってしまうけど。「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネアリーナ・コジョカル ヨハン・コボーアリーナはかわいいマノンだった。小悪魔性はそう感じないが、テクニックの冴えがその部分をちょっと補っているかも。「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテットシルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュこの2人で踊るコンテの中では、この演目は好きな方です。なぜなら、これだとニコラはギエムのサポート役に回るだけではないからです。「ベラ・フィギュラ」振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロオレリー・デュポン マニュエル・ルグリ全く別格の2人。それでも、オーレリはやっぱり完全復調ではないようだ。一方、ルグリのからだのキレを見ていると、この人は完全に踊れる間しか、そして完全に踊れる演目でしか舞台に上がらないのだろうな、と思った。もっと目に焼き付けておきたいけのに、妙に短く感じてしまった。■第3部■ 「海賊」振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフサラファーノフもいろいろ超絶技巧をやっていて、なおかつ以前よりエレガントになっていると思う。だけど・・・シムキン君とかぶるところが多く、なんとなくほんのちょっと不利な感じ。「ル・パルク」振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルトディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフヴィシニョーワがよかった。妖婦というより、愛(愛欲?)に溺れた感じがよく出ていた。マラーホフはヴィシを立てる側に回っていたと思う。だけどこのル・パルクでは、男性は貴族的でありながらも男っぽさを感じさせる方が合っていると思う。マラーホフに望むのはムリかな?「ブレルとバルバラ」 振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラエリザベット・ロス ジル・ロマンジル様が大好きですが、歌声は、エリサベット・ロスが踊っているときに歌っていたジャック・ブレルが好きかなと。。。「エスメラルダ」振付:マリウス・プティパ/音楽:チェーザレ・プーニタマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ今日の第二のメインイベント。タマラのバランスの長さと回転で会場は大沸き。バランスのときには「1,2,3・・・・」と内心数えていたが、みんな同じだったみたい。あとで「15秒」と周囲でも言い合っていたから(笑)。回転はもはや私には4回転かそれ以上か判別つかなかった(!)「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキーマリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチこの2人だとやはりこういう演目の方がいい。でも、バランキエヴィッチを観て、ガラの短い時間にその演目の世界に観客を入り込ませるのは大変なんだな・・・とクールに思ってしまった。とてもステキなオネーギンではありましたが。でも、バランキエヴィッチも脚がキレイね。。。「ドン・キホーテ」振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクススヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ〆はやはり女王ザハロワ様でした。いかにも君臨しているかのようなオーラが出ていてよかった。しかし、あの手拍子はいただけないわ。佐々木氏が「NBSの公演ではやめてほしい」と以前アナウンスしたことがあったけど、観客層が広がっているようなので、今一度言ってくれないかな。Aプロよりさらに盛り上がり、もう1回チケットを取っておけばよかった・・・と思った公演でした。そして伴奏の東フィルの金管には、ちょっと憤りを感じます