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![]() ^-^◆電車内の……老人の律儀 丁度、車両と車両の つなぎ目辺りに座っていた。 ……戸畑駅に着いて………。 年の頃なら85~6歳位の ご老人が乗って来られた。 とっさに、席を譲ろうと 思ったが……、……? どうも乗られてすぐに後ろの車両に移動される様子で………、 そっちを凝視しながら歩いて来られる。 顔は、塩川正十郎先生に似た顔立ちで、鋭い目で後ろ車両を 睨むようにして歩かれているが………、電車が揺れるので、 足元は、ややおぼつかない。 2歩歩いては、1歩下がるというか……後ろに、ちょっと ステップする感じ……だ。 背中の大きなリュックのせいもあるのかもしれない……。 片手には、お土産だろうか……? 明らかにどこかの銘菓の紙袋……。 中折れ帽が中々、良く似合う。 ![]() 後の車両に連れでもおられるのに違いない。 間のドアを開けて……、そして、 もう一枚のドアを開けて……。 …………ん? 見るとも無しに見ていると、そこで止まって動かれない。 体が、後ろのドアに挟まったのかな……? いやいや、どうも、次のドアが固くて中々開きにくいようだ。 それでも、少しずつ少しずつ開いて……、 足をこじいれるようにして……どうにか……開いた。 手前のドアは、左から右に引くドアなので、 右手で引かれていたが……向こうのドアの方は、逆なので、 左手になる。利き腕では無いので開きにくかったのだろう……。 年齢を重ねると、力もそれなりに衰えてくるので、 ちょっとした力仕事でも懸命の感じに見える。 やっと、向こうの車両に入られて、ドアを閉めて……、 座席の方に歩いて行かれる……と思ったら……、 あれれっ……! 鋭い視線が、こちらの車両に向けられて……。 ……?? 再び、逆を向いてドアを開けにかかられた……。 ……えっ? やっと、向こうに渡ったというのに…………。 もしかして……車両を間違えられて……、 連れの方は、やっぱりこっちにおられたか……? そうなのか……? 電車が揺れて動きにくい状況なのに……お気の毒な事だ。 ![]() 今度は、比較的スムーズに開いた。ドアも逆だから……。 やっぱり、利き腕が使えると違う。 ドアを開けて、再びこっちに戻って………………、 ……来られない。 ん……? …………? 片足を、踏み出した格好で………止まったまま。……?。 ああ…………、なんだ……。 こっちのドアが閉まっていなかったので、 それを閉めようとされているのだ。 たぶん、列車の傾きのせいだろうと思うが……、 確かに、老人から見て、後ろのドアは開いたままになっていた。 それに気づいて、わざわざ閉められているんだ。 比較的、簡単に閉まった……。 確かめるような怖い顔を残して、ご老人はキビスを返された。 ![]() それにしても、律儀というか、行儀が良いというか……。 大変な思いをしながら、やっと、向こうまで行ったのに、 それでも、後始末が残っていたら、戻って来られる。 自分だったら……どうしたかな? ドアは、揺れで自然に閉まるし……、まっ……いいかって、 思ったかもしれない。 煙草の投げ捨てが未だ無くならないこの社会。 駅のトイレもなかなか奇麗に保つのが難しい現実。 電車の座席にゴミの放置も見かける昨今……。 気骨者の風格のご老人に、姿勢を正された思いがした。 列車通勤も40年を越えたが、……いつの世も、 列車の中……、何でもない様な小さな出来事から学ぶ事は多い。 ![]() ========================================================================== ◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い ◆◆クリックして~~ ( ^-^) ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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