カテゴリ:『信じる』とは何か?
^-^◆『信じる』とは何か?[1/5]
「俊さん!! 聞いて!! 人を信じるって……、 どういう事……??」 「信じる……フーム……」 「俊さんったら……!」 「ウーン……信じるか……。 ちょっと……お前、ひと言じゃ難しいぞ」 「……やっぱり、難しいよねぇ……」 「しかし……弁護士稼業ってのも大変だなぁ……」 「いやいや、仕事の事じゃ無いの。……もっと本質的な事なの」 「へぇー……本質か……?」 「……個人的な……こと」 「まっ……よく分からんが…………、案外……何だよ、 自分を信じるっていうのと同じかもしれんなぁ……」 「自分……!?」 「そう……自分だ」 「自分をねぇ……そっか~……。 ……でもさぁ、自分ってヤツも分かりにくいよねぇ。 ……いざという時の自分って、 全く想像通りにいかないもんね……」 「まあな……。ホントにいざって時はわからんなぁ……」 「ふーぅぅ…………(;一_一)」 「麻チャン、今日は何だか変だぞ!……何があったんだ?」 「うん……ひとりになると、色々考えてね」 「ええっ?……ひとり?……???」 「ふふふっ……」 「独身ってことか?………えっ?何だ……それ?」 「……実は……そうなの」 「嘘ッ……ウッソだろう……?……だってお前、旦那………」 「……そんなに、びっくりしなくっても…………」 「そんな事言ったってお前! ……何で?ええっ?……」 「……色々あってね」 「色々ってお前……いつ?…ええっ?」 「だから、ちょっとあって……まぁ……運命やね」 「別れたのか?オイ、オイ、穏やかじゃないな……えっ?」 「ウン……」 「………ウンって……ホントに……お前は」 「気にしない気にしない。たいした事でもないから。 ……まっ、花の『バツイチ』よ………」 「何言ってんだお前…、大変な事じゃないか?」 「イヤ………もう、3年になるし……」 「3年……!?」 「ウン、……いいかげん立ち直ったよ」 「ああ………そんな前の事か…………」 「……ウン」 「……麻ちゃん……確かお前、子供いたよな……」 「ウン、私が引き取った……。 ……養育費はちゃんと取ってるけど……」 「フーン……で、………彼は?」 「ウン、元気にしてるよ……会社は変わったみたい……」 「……そうか……コーヒー飲めよ、冷めるぞ。ホレッ…」 「アリガト…………あいつね、相手と一緒になったよ………」 「相手……??…うん?……ダンナ……そういう事か?」 「……まあね……」 「武田信玄・風林火山か……?……ウーン……(一_一)」 「えっ?フーリン……?…ああ不倫か………」 「そういうことだろう……?」 「ちょっと違うけど……ふふふっ……、 俊さんのダジャレ……変わらんね……」 「しっかし、随分思い切ったな……子供までいたのに」 「ウン……信頼関係が、プッツリ……かな。ホホホッ……」 「ホホホッって、お前……。相変わらず明るいなぁ……まぁ、 男女の事に限らず、信頼は大事だがな………何事も……」 「俊さん………人生………難しいね」 「おいおい、何だよ、シンミリ…………」 「信じるって……難しいよ。……学校じゃ教えてくれない」 「そりゃーそうだ……知識とか学問とかの問題じゃないからな」 「…………」 「待てよ……しかし、深く考えてみると知識の面も強いか……」 「ええっ……?」 「ウン……無知では、信じる事も出来ないって事もあり得る」 「……でもさぁ赤ちゃんって、物心つかない頃からお母さんを 信じてるよ………」 「あれはお前、信ずるも信じないもない。本能みたいな もんじゃないか。まだ自意識もないんだから…………」 「………………かなぁ」 「……しかしなんだ、学校じゃ教えちゃーくれないが、 先生とか友達なんかとの人間関係から『信頼』について 学ぶってことはあるよな……」 「……」 「国語、算数、理科、社会、英語っていうか、いわゆる、 学問に優れてるっていうのと、人から信頼されるって いうのは、別物だもんな………尊敬はされるかも しれんが……」 「……」 「……まぁ、学問を通じて……、人が信頼しあう心の基礎 みたいなもんが、鍛えられる側面はあるが………」 「……俊さん、難しいこと言うんだ……」 「難しくはないさ………。小学校の低学年位までに 出来上がっている、その人の精神の根幹みたいなものが、 けっこう大切なんだよな。 ……誠実か、 熱意があるか、 思いやりがあるかとか……、 ……逃げないか、 勇気があるか、 智恵を持ってるか、 ……なんてことがな……。 ………信頼されたり、信じたりする力の基礎の様なものに つながっていく……」 「精神の根幹かぁ…………」 「お前『三つ子の魂、百まで』って言うじゃないか……」 「……魂……ね」 「まあ、しかしなあ、………なんだかんだと言ったって、 人間は人間を信じなきゃー、なーんにもできないのよ……」 「ん………?」 「運転手が悪さするって思ってみろ、電車にもバスにも 危なくって乗れやしない……」 「……!」 「なっ!………毒が入ってないって信じるから、買ったものを 食えるし、レストランにも入れる………みーんな、何もかも、 相互信頼のシステムなのよ、社会はな………」 「…………そりゃー、そうだけど……」 「運転者がみんな、人をひき殺したがってるって思ってみろ。 道も歩けやしないぞ……なっ」 「ハハハッ、フフフッ……相変わらずね」 「ハハハハッ………なっ!」 「イヤ、……まあね」 「ところでお前、まさか、例によって、短気に走ったんじゃ ないだろうな………?」 「何言ってるのよ………これでも私、知性派よ」 「……ウン…確かに……。しかし、時々、メッチャクッチャ 感情的になるもんな。お前って……」 「イヤ、……だって、裏切り行為よ!」 「裏切りか……頭にきたわけだ………」 「あたり前よ!」 「やっぱりな……」 「分かるでしょ!俊サン!……私、そういうの許せんのよ」 「ウン……確かにガキの頃から、潔癖だ……お前は」 「それを言うなら『嬢ちゃんの頃』でしょ……嬢チャン!」 「……利発で、ハキハキした嬢チャンだったよな。……全く」 「選んだ仕事も弁護士稼業……なんてネ。…フフフッ……」 「性格ってのは変わらんからなぁ……。で……何年生?」 「えっ?…………ああ子供?……もう中学2年生………」 「そーんなになるか……。女の子だったよな……じゃ5年生 の時か、その子が……」 「うん、…………相手が相手だったしね……」 「えっ?……?麻チャン知ってるのか?その相手の女性」 「俊さんだって、知ってるよ………」 「何?…………誰?……誰よ?」 「………人を信じるって……どういう事なんかね……」 「又、きたか……」 「………」 「………浜田みたいだな」 「えっ?……ハマダって……何…?」 「いや!こっちの話だ……ちょっと会社で、あってな……」 「何?……どうしたの?」 「イヤ、信じてたって言うか……思い入れの強かったお客さんに 裏切られたんだ………浜田って奴が……」 「……そんな事……」 「お客さんにしてみりゃー、別に裏切ったわけでも、 騙したわけでもないんだろうがな………。逆に、 表返ったのかもしれん。………ハハハッ」 「又、そんなこと……。でも、………そういうのって、 難しいよ。そのハマダさんって人がさぁ、自分で一方的に 信じてたのかもしれないし………ネ」 「営業マンとお客さんの間じゃ、色々な局面があるからな……。 究極の営業は『情』だと思うが、最後の具体的な手続きは 契約行為になるし、利害につながる……キチンとした……」 「………」 「最後には、たいていの人間は自分の利益にこだわるんだ」 「利益ねェ………」 「金銭的損得とか、自分の地位名誉に関わる損得とか……」 「…………俊さん……」 「…ん!」 「相手を信じてるっていうのと、好きっていうのは…違うよね」 「……ウン?」 「どう……?」 「ウーン……似てはいるがな…………違うかな……? しかし、嫌いな奴を信じるかぁー?」 「……事によっては信じるよ。……係争段階ではよくあるよ」 「……なるほど」 「信じてる人を嫌いってのも、おかしいかねぇ………」 「プライベートな事では、考えにくいなぁ………仕事が絡むと それって、あり得るなぁ……………信じられるけど 好きじゃない…………ウーン」 「逆によ………いくら好きでも、信じられないことって あるよね。………人間」 「ウーン……待てよ。信じられないっていう事は……疑うって ことだな」 「信じてないんだから………、疑ってるのよね………」 「どっちでもないってのもあるぞ。 信じても疑っても無い……」 「……確かに……」 <続> ============================================================================ ◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い ◆◆クリックして~~ ( ^-^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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