カテゴリ:ほのぼの とした 話
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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 懐かしい …… 幼馴染との思い出に再会 <Revival> 少しばかり遠出をしたウォーキングの途中で、幼馴染の友人の 母上に出会った。もう、90歳前後のお歳だうか……。 相当に大きな邸宅の長い白塀の内側で、トボトボとした足取りで 洗濯物を取り込んでおられる所に……丁度通りかかったのだ。 入院されていると噂に聞いていたが自宅におられたのだ……。 「こんにちは、お元気ですか」……声を掛けた。 「えっ!はい……えーと……どちら様でしたかねぇ。(^-^)」 少し弱っておられる様に見えるが、昔ながらの凛とした感じは 残っている。本当かどうかは知らないが華族の出身であると、 近所のおばちゃんたちが噂しているのを子供の頃に 聞いたことがある……。 「光男です……。ほら、正志君の友達だった……」 「えっ……あのーーー…………」 「昔、この近くに住んでいた、阿部光男です……」 「あら、光男君……!! まあまあ、立派になって……」 「…………お陰さまで……」 「とてもとても、分かりませんよ。光男君なんて……。 ……正志も生きていれば、こんな感じなんですかね。 あの子の顔は、私の中では青年で止まっていますよ……」 正志君は、20代の中盤に交通事故で他界しているのだ。(-_-) 「おばさん、久しぶりです……。ご無沙汰しています」 「いえいえ、私もこんなになっちゃってねぇ……生き恥を曝して いますよ。……光男君、生活は豊かになった……?」 「えっ、はい……そこそこ食べています。……はははっ……」 「そりゃーそうよねえ……。立派になってるもん。 思い出すねぇ……。光男君のところ貧乏だったからねぇ……、 苦労したもんねぇ……」 「……ええ、まぁ…………」 「ほら、ウチに遊びに来た時、私が饅頭をあげたら、それはまぁ 美味しそうに、ゆっくりゆっくりと食べてたよねーー。 ……昨日の事のように思い出すわぁ……。 饅頭……食べる?」 「いえいえ今日は結構です。ははははっ……いゃー、あの頃は 私の家も貧乏のどん底で……、饅頭なんて、一年に一回、 食べられるか食べられないかでしたから…………」 「そうねぇ……戦後でねぇ……。平民の皆さんも苦労していた。 ……で?今も貧乏……? そんな事はないわねぇー。ほほほほっ……。(^。^) まぁ……立派になって……」 おばさんが、涙ぐんでいるのを見て……少し……グッときた。 正志君と面影がダブっているのかもしれない。 幾つになっても、母は……母…………。 「光男君、頑張ったねぇ…………。偉いよ……」 孫もいるこの歳になって「君」で呼ばれるのは、 滅多にない事なので、妙な気持というか時間がビューンと 遡った様な感じさえする。 「着る者も大変だったのに……今は結構良い物着れてますね。 良かった良かった……頑張ったんやねぇー」 しみじみと言われて……複雑な心境にもなったが、おばさんは、 昔からこんな感じなんで……むしろ、懐かしかった。 「お母さん、誰と喋ってんの? スミマセンねぇ……、 母……ちょっと、惚けが入ってまして……ごめんなさい。 さぁさぁ……お母さん、中に入って……、 後は私がするから……」 知らないご婦人だ。お母さんと呼んでいるから娘さんか、 息子さんのお嫁さんだろうが………………。 「はて?正志君に兄弟って居たっけ……」……覚えがない。 そんな事を一瞬思っている内に、こちらに深々と頭を下げて、 ふたりとも、家の方に入って行かれたので……、 首を捻りながらも……それまで。……再び、歩き出した。 正志君と共に登った木、その木の上に「住み家」を作って 叱られた……その木の下を通って、ホント久しぶりに、 シミジミと彼の事を思い出した。………………(一_一) 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 12年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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