カテゴリ:JRにまつわるほのぼの話
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![]() 人気ランキングに参加しています。 良かったら【ポジティブな暮らし】をクリックお願いします。 ![]() ^-^◆ 【改訂】JRで遭遇した心動く景色<18> ー 半世紀超の列車通勤の思い出 ー ……車中で輝く天使のような幼女…… ![]() もう25年以上前の話になりますが、 未だに忘れられない思い出です。 ………………………………………………………………… ![]() 電車の中はあまり混んではいませんでした。 3歳くらいの可愛い女の子が、車中をウロウロと歩き回って いたんです。 少し向こうの席から「危ないよ、こっちにおいで」という、 多分母親らしい声はしますが好奇心の強い子供のこと、 聞くものではありません。 それでも、誰も席を立って来る訳でもないので、 きっとこの子は普段から自由にしているんだろうな……、 等とドアに寄りかかりながら思っていました。 ![]() 丁度反対側のドアの所に、年の頃なら67、8の、 素敵な白髪の紳士が立っておられたのですが、 その女の子はその側に行くと、 しゃがみこむ様な……、幼児がする独特の中腰の姿勢で、 下から見上げはじめました。 よく見ると紳士が花柄の包装紙に包んだものを提げています。 どうやら花の様で、その子はその花を覗いていたんです。 何度も何度も足場を変えるような仕種をして覗き込んでいます。 あまりにその仕種が可愛らしいので、 立っている回りの人の顔に笑みがこぼれました。 ![]() ややあって、紳士がその子に気付きました。 目と目があって、紳士はにっこりと笑いました。 お孫さんをお持ちなのでしょうか……、 その笑顔は、とても自然で優しさに満ち溢れたものでした。 その子は目が合った瞬間身を固くして、 2、3歩下がりましたが、紳士の笑顔を見て、 又、花を覗き込みました。 紳士は花束を持ち変えると一輪右手で摘み取って、 その子の小さな胸のポケットに刺しました。 花の名前は知りませんが、 赤いカーネーションに似たような花です。 ![]() その子は、にっこり笑って左手で花を押さえたまま、 膝を曲げ上体を横に曲げるような仕種をしました。 私には、おじぎに見えました。 その子がお礼のお辞儀をしたように見えました。 大きくうなづきながら微笑む紳士。 その子は、さっときびすを返すと、 少し揺れが激しくなった車中を、右左にステップしながら、 ひとつ向こうのドアの方の席に去っていきました。 多分、身内の人に、花を見せに行ったのでしょう。 向こうの座席から、60歳前後の女性が立って紳士の方に会釈を しました。 ![]() 車中の空気が明るくなったような感じです。 他愛も無い日常の光景なのですが……………。 次の駅に電車が入る直前、その子が再び紳士の所に現れて、 何か差し出しました。……どうもガムの様です。 それも子供向けのオレンジか何かのガムを、 ひとつ紳士にあげようと言うのです。 花のお礼でしょうか。おばあさんが薦めたのでしょうか。 右手を高々と掲げて紳士が受け取るのを促している その子の顔は、天使のように輝いていました。 もちろん、 しゃがんでありがとうと言って紳士が受け取ったのは当然です。 紳士も同じように蛭子様のような笑顔でした。 車中の空気がいっぺんにだいだい色になるのを感じました。 人の原点を極めてほんのりとシンプルに見せて貰ったような、 そんな気がして、しばらく自分の心がとても和んでいるのを 自覚したのです。 列車には、車とは又違う、数々の出会いがあります。 ![]() <完> ![]() ![]() 人気ランキングに参加しています。 良かったら【ポジティブな暮らし】をクリックお願いします。 ![]() ![]() ========================================================= ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今まで蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ![]() ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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