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2007年05月04日
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この映画では主人公に当たるヴィースラーは、シュタージ(国家保安省)
の期待される局員として登場する。
当時の東ドイツとしては国家権力の中枢を担ういわばエリートである。
ラスト近く、彼は地下作業室で郵便物のチェックを行うという身分に
左遷され、東西ドイツ統一後は、一介の郵便配達夫である。

見方によってはこれは「転落」かも知れないが、映画の中のヴィースラー
は堂々としている。むしろ、盗聴に励むときの彼の方が権力に寄りかかって
いることから、卑小に感じられる。

この映画は、権力に寄りかかっている人間が、そこから脱却する過程を描い
たものである。
このことはヴィースラーのように直接に国家権力に関与する立場にある者
のみならず、我々すべてへのメッセージではなかろうか。
我々の内部にある権力や世間の空気に阿る心理からいかに解放されるか、
そして、その後においても決して不安を感じる必要はないことを示して
くれる。
この映画は、時代の空気に流されているような今の日本人にとって必見の
作品かも知れない。






最終更新日  2007年05月05日 09時54分19秒
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