1958357 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2008.06.01
XML

今日、みやぎ在宅支援ドクターネット講演会がありまして、

民俗研究家の結城登美雄 さんのお話を聴いてきました。

 

いろんな思いが渦巻く、素敵な講演でした。

また、お話が、日本昔話を聞いているようで、

自然となつかしい日本の姿に、舞い戻ってしまってるようでした。

 

その中で、作り手と食べ手のつながりの話しが

学校の教師と保護者の関係に、ダブッて見えてきました。

 

私たちの日々の食事は、食材はもちろん、

調理・料理も、自分の台所ではなく、

企業などの外部の台所に依存するようになりました。

 

囲むべき食卓も外食が増えています。

自分で作らずに他者にゆだねれば、

どこかに不安と不信をかこつことになるのは当然です。

 

食の安全をめぐる議論には、

どこか、ゆだねられた作り手への追及は厳しいが、

ゆだねた食べ手のありようを問うものは、ほとんどありません。

でも、これは、片手落ちではないでしょうか?



結城さんは、沖縄の百四歳の老女から

「お前さんたち本土の人にとって食とは何か」と問われて返答に窮したそうです。

うろたえる結城さんを見かねて、

「食は、ぬちぐすい、さ」と教えてくれたそうです。

「ぬち」とは命、「ぐすい」とは薬のこと。

「食とは命の薬である。

その大切な食を他人にゆだねておいて

不信ばかりを募らせて、みっともないね。

そんなに疑うなら、なぜ自分で作ろうとしないのか」

と言うのです。

 



その昔、道元禅師は、

食の食べ手に対して

「功の多少を計り、彼(か)の来処を量る」ことの大切を説きました。

つまり、

「この食事が作られるまでにかけられた、多くの手間と労力を考えよ」というのです。

疑いの目で見られる加工食品を

「何人もの人の手によって、手間と労力をかけて作られた食べ物」と、

喝破した道元禅師の言葉をかみしめたいものです。

 

そして道元は食の作り手にさらに問います。

「食材が上等とか粗末であるとか差別するな。

深い心で物を大切に無駄なく生かし、

真心をもって調理・料理せよ」と。

 

 

全く、学校教育に当てはまると思いませんか?


もし、日本人が100人の村であったなら、食を作っている人は、

農業と漁業を合わせて、たったの3人だそうです。

そして、その内の一人は、後期高齢者、

さらに一人は、高齢者、

ところが、あと50年後には、食に携わる人は、1人になるそうです。

たった、これだけの人が100人の命を支えているのです。

 

消費者と生産・流通・加工の間に横たわる食の安全性への

不信感は大きく、残留農薬基準など、厳しくすることは当然です。

しかし、その安心が作り手の苦痛や犠牲の上にあっては

全く片手落ちではないでしょうか?

 

今、専業農家の時給は、250円換算になります。

労働基準法違反です。

子どもに継がせたくないのも、当然です。 

 

もし、食が命の薬なら、私たちは、どうすればいいのでしょう。

市場原理に任せていいのでしょうか?

 

 

東北各地では、

かけ離れた食の作り手と食べ手の距離を縮めるべく、

農業者と食品流通加工業者の必死の努力が続いています。

 

同様に、今、心ある教師や学校でも、

かけ離れた、教える側と、教わる側の距離を縮めるべく、

必死の努力が続いています。

いずれも子どもや保護者に寄り添い、努力を重ね、

地味ですが、その領域を少しずつ広げようとしています。

 

食と同様に、宝である私たちの子どもの教育のありようを、

不信をかこつだけの

わがままな「消費者」でいることは

もう許されないのではないか、と感じたところです。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.06.01 19:57:07
コメント(4) | コメントを書く
[今の学校を最高の学校にしちゃう魔法] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:食育から、教育を見ると(06/01)   ものぐさ父 さん
灰谷健次郎さんも食育には考えがあるようで「天の瞳」にでていく保育園では食事によい素材と天然の味付けを大事にしている、とあります。
たしかにそれがいいことはよくわかるのですが、うちのような共働きの家庭にとってはレトルトの調理キットがないと大変です(とお母さんは思っています)。農家の方も大多数の消費者が好むものを作らざるを得ないでしょう。教育の問題と同じで、卵とニワトリの話になってしまいますよね。その意味では、日本という国全体が「何がよいか」「どうすべきか」を議論する国に生まれ変わることがなければならないのですが、そうするとやっぱり教育の問題になってしまいます。 (2008.06.01 19:52:16)

その通りですね   森の声 さん
>ゆだねられた作り手への追及は厳しいが、
>ゆだねた食べ手のありようを問うものは、ほとんどありません。

全く全くその通りです。 (2008.06.01 19:59:33)

Re[1]:食育から、教育を見ると(06/01)   科学寅 さん
ものぐさ父さん

昨日の講演会でも、出席者から、天然のもの、健康に留意すること、関連の質問が出てました。

でも、食育と自然食品とは、直接は結びつかないというのが、昨日の話だったように思います。

たとえどんな素材でも、作る過程に思いをいたすこと。また、思いをこめて、作物を作り、料理をすること。
その一歩も二歩も、面倒くささに踏み込んだ、「思い」を大切に、という趣旨だったように思います。

そして、私もそう思います。

確かに、世の中は、標準化と高い生産性によって、進歩してきたと思います。

スーパーやコンビニは、現代の誇るべき文化だと思います。

これらが、いかに、人々の生活を豊かにしたか。

そして、どんな健康法にも落とし穴があるように、
人間には、絶対的な真理はわからないんですから、
後世、「あら、間違ってた」ということは、十分ある、ってより、ほとんどが間違いだらけなんでしょう。

それでも、思いを込める幸せだけは、失われないと思います。


考える力が、今こそ必要ですね。
でも、悲観すべきでもないと思っています。

今の若い人たちの中には、
自分のアタマで考えている人も
相当数いると感じています。

高齢化社会を迎え、日本はガラっと変わりますよ。 (2008.06.02 09:12:49)

Re:その通りですね(06/01)   科学寅 さん
森の声さん

食べ物を前にして、手を合わせる習慣を
常識にしたいもんだと思います。

これこそ、大人が子どもに語って聴かせなければならない、「物語」ですね。 (2008.06.02 09:14:46)

PR

Freepage List

PTA行事と科学実験教室


悩ましいPTA行事


PTA行事の強みと弱み


PTA行事と科学実験の相性は?


ここに注意すれば、誰でも楽しめる


化学の学習関連


オール・イン・ワンの科学実験教室


平成19年度~直近の活動記録


18年度 出前講座記録


頒布します。「特別支援教育の基礎基本」


エコネシアカレッジ「和吉塾」


ドライアイスで魔法学校 テキスト頒布


私の「動機」と、子どもと接する心構え


まず感情を育てましょう


最高のプレゼント


やる気を出させる方法


起点を固定するな


子どもに旅をさせるのか、移動なのか


いろんな人がいていい。


「ねばならない」からの脱出


良かった探し


すべての学習は、遊びの中にある


学習の生理的メカニズム


愛の衣を着せて子どもを見る


愛は最高の姿を想像する


優秀さをほめることの危険性


子どもは責任を感じている!


子どもが最も傷つくこと、最も強くすること


「上手だね」は止めよう


予想したとおりの子どもになる


笑いの効用


<テレビ>2歳までは控えめにと提言 小児


障害児と接して教えられる宝物


ただ、喜び踊りましょう。


「こうあって欲しい」は、親子を縛る


恵み受信機


問題児の行動も生かして返す


教師や親は、まず自分自身になりきること


先生に意欲をもってもらうには


教えることについて(ジブラーンの詩)


科学寅さんのちょっとマジメなプロフィール


授業研究


癌になりやすさと心理タイプ


私メッセージの決意


読字障害の実例


子どものやる気を引き出す仕掛け大作戦


《受験勉強の裏技》脳ミソにだまされないよ


うまくいったらどうしよう


積極性を育てるには


イメージ訓練の威力


ライトスコープは不思議世界への特別入場券


自分で作った問題を絵馬にして奉納する


子どもに現金をもたせて、買い物をさせよう


渦巻き学習法・仕事術


みんなの輪(リンク集)


様々な教育メソッド


科学分野


社会分野


語学分野


数学分野


アート表現分野


スポーツ分野


医学から見た教育


精神・心理学から見た教育


家庭における教育


文部科学省・教育委員会関係


行政・法律関係


学校


幼稚園・保育所


公民館・コミュニティセンター


実験メモ


魔法学校


スライム


児童館の先生方の感想


「はてな?ランド」のメニューの一部


人気テーマ(フーテンの科学寅さんによる)


サイエンス・ショーの講師依頼はこちら


気になる講師料の話


楽しみとしての学校ボランティア 原メモ集


先生の側からのボランティアの見方


ボランティアという不思議な関係


学校という建物がなければ


すべてを包み込む


進路選び


Profile

科学寅

科学寅

Favorite Blog

五月晴れの朝のフラ… New! 英玲さん

ハナミズキが咲く。 New! 只野四郎さん

「自由は自分の努力… New! 森の声さん

「人目」の正体をつ… New! かめおか ゆみこさん

いよいよ「この花の… New! lekuchanさん

映画『ノルマル17… ひいちゃんファミリーさん

2024年5月17日、ハチ… 塩見直紀(半農半X研究所)さん

モモタ、家庭学習 アビィ55さん

まるちゃんのブログ まるちゃんshakeさん
子供と共に育つ "共… モアイ2463さん

Recent Posts

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12

Category

Comments

日立風流物@ Re:数学と感情(05/20) 美しさだけではだめだぞ。広がりがないと…
科学寅@ Re[1]:軽く考えよう。(02/14) 伊藤走さん コメントありがとうございます…
伊藤走@ Re:軽く考えよう。(02/14) 相澤さんいつもお世話になっております。…
ゆうSAIEN@ 英語が嫌いになるパターン(01/26) こんにちは(*^_^*) でもね、もしこれで、…
すがきょん@ Re[2]:人工知能に奪われない職業(10/11) >科学寅さん ありがとうございます。近い…
科学寅@ Re[1]:人工知能に奪われない職業(10/11) すがきょんさん コメントありがとうござい…
すがきょん@ Re:人工知能に奪われない職業(10/11) 先日、先生の科学実験に小学校の親子行事…
科学寅@ Re[1]:ダイエットの秘訣(09/29) ありがとうございます。 そうですねえ。 …

© Rakuten Group, Inc.