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カテゴリ:家族のこと
ランウィは27。風は060度から4kts。弱い背風だ。こういう日は注意しないと、接地が伸びてしまう。着陸距離の短い、重さ5トンの小型機にとって3000mの滑走路は十分に長いが、重さ350トンを超える大型機となると、決められた接地点を飛び越してしまうことは、オフ・ランウェイ(滑走路上に停止できないこと)の危険性を高める。 とはいえ、未熟な僕は、接地直前、前へ前へと滑っていく飛行機を感じていた。こうなってしまうと、もうあたふたしてもしょうがないので、接地点は諦め、安全に接地することだけを考える。滑走路上5~6m、滑らかに流れていく景色。地面効果の分厚い空気の中に、ゆっくりと沈んでいく。この瞬間、僕は一番空気を感じる。空気の中は、雪や氷の上よりも滑らかで、穏やかで優しくて、それでいてエネルギーに満ち溢れている。 早く終わらせてしまいたいと思う反面、終わってしまうと、物足りなさを感じるのが試験で、今回もたくさんの課題を残す結果となった。結果は合格。だがいつも言うように、これはゴールではなく、ようやく計器課程に進むことができる切符を手にしただけに過ぎない。教官たちは口をそろえて言う。この計器課程をやるために、航大に来たようなものだ、と。 航大も、残すところあと3ヶ月。残す大きな実技試験は1つだけ。来年一月には、いよいよ就職活動の難所、面接試験を迎える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月22日 13時36分36秒
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