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楽天・日記 by はやし浩司

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2007年09月25日
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カテゴリ:育児問題
●不気味な思考回路(ポケモン現象)

 一時期よりは下火になったが、いまだにポケモンは根強い人気を保っている。年齢的には幼
稚園の年長児から小学2、3年生児が、そのピーク。私の調査でも、約80%の子どもたち
がハマっていたことがわかっている(98年はじめ)。

 一度こういう世界ができると、「ポケモンを知らない」とか、「ポケモンなんて、つまらない」など
と言おうものなら、それだけで仲間はずれにされてしまう。当時あの「♪ポケモン言えるかな」と
いう歌を、どこまで歌えるかが、その子どものステイタスを決めていた。たとえばその歌を途中
までしか歌えなかったりすると、その子どもは「バカ」というレッテルをはられてしまった。

 問題は、そのハマリ度だ。好きとかファンというレベルならまだしも、中には熱狂してしまう子
どもがいる。現実とゲームの世界が区別できなくなってしまう子どももいる。こうなるとゲームと
は、もう言えない。信仰だ。しかもカルトだ。ある子ども(小3男児)は、親に叱られると、いつも
「♪ポケモン言えるかな」を心の中で歌っていたという。また別の中学生は、毎夜、空に向かっ
て、超能力を授けてもらうよう、祈っていたという。そうでなくても、大半の子どもは、あの黄色い
ピカチューの絵を見ただけで、興奮状態になってしまった。

 今はまだよい。今は、まだゲームの世界に収まっているから、よい。しかしもしポケモンが思
想をもったらどうなる。たとえばサトシが、「子どもたちよ21世紀は暗い。一緒に海へ入って
死のう」などと訴えたら、どうなる。それに従ってしまう子どもが続出するかもしれない。ポケモ
ン、いや一連のポケモン現象には、そういう危険性が潜んでいる。

 それにもう一つ、心配なことがある。幼児期に一度、こうした思考回路ができると、以後、何
かにつけてその思考回路に沿って、ものを考えるようになるということだ。迷信を信じやすくなっ
たり、カルトにハマりやすくなったりする。低劣な運命論やバチ論を振りかざすようになるかもし
れない。ある妻は、狂信的なカルト教団に身を染め、夫に向かってこう言い出した。「あんたと
私は、前世の縁で結ばれていなかったのよ。それを正すためには、信仰の力が必要なのよ」
と。もしあなたの妻がある日突然、そんなことを言い出したら、あなたはそれに耐えることがで
きるだろうか。こんな例もある。

 ある教団では手術そのものを禁止している。私がそのことをその教団に確かめたら、「禁止
はしていないが、熱心な信者なら手術を拒否します」ということだったが、ともかくもそういうこと
だ。そしてその結果として、一人の子どもが交通事故で死んだ。子どもの母親が熱心な信者
で、手術をがんとして拒否したからだ。が、悲劇はそこで終わらなかった。この事件で孫を失っ
た老人はこう話してくれた。

「今は、息子夫婦とも断絶しています。それまでは愛だとか、平和だとか、信仰もそれほど悪いものだと思っていなかったのですが……」と。私にはこれ以上のことは何も言えないが、もしあなただったらそうするか。それを一度考えてみてほしい。ポケモン現象にはそんな一面も隠されている。(以上、01年記「子育て雑談」)

(補記)

 カルト教団と戦うのも、疲れる。本当に疲れる。彼らは、その信仰に、命をかけている。かたや私の方は、そこまではしない。命をかけてまで戦うということはしない。が、この(ちがい)が、結局は、カルトをのさばらせてしまう結果となる。

 私は、当時、まだカルト教団と戦っていた。で、そうしたカルト教団のもつ、カルト性というか、危険な側面を、あのポケモン・ブームの中に見た。子どもたちは、狂信的なまでに、ポケモンに夢中になっていた。

 そこで私は「ポケモン・カルト」(三一書房)という本を書いた。

 が、反響というか、抗議の嵐は、すさまじかった! 今でも、その世界では、「トンデモ本」として酷評されている。どこか「?」な人たちに、「トンデモ本」と酷評されることは、たいへん名誉なことではないか。

 このエッセーは、そういうときに書いた。いくら酷評されても、今でも私は、自説をひっこめるつもりは、まったく、ない。
(はやし浩司 カルト カルト教団 ポケモン・カルト)






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最終更新日  2007年09月25日 07時55分57秒
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