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楽天・日記 by はやし浩司

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2009年01月10日
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カテゴリ:日々の随筆


●考えるから人間

人間は、考えるからこそ、人間である。
「I think, therefore I am.(我、考える。それ故に、我、あり。)」という言葉もある。
「考えなければ、人間ではない」とさえ断言してもよい。
が、考えなければ、どうなるか。
そこはまさに、「ケータイをもったサル」という世界になる。
少し前だが、こんなことがあった。

角のコンビニを自転車で横切ろうとしたときのこと。
一台の車が、猛スピードでそこへ突っ込んできて、私の真横で急ブレーキを
かけて止まった。
私はあやうく、その車にはねられるところだった。
見ると実にそれらしい2人の若い男女だった。
視線が合ったとき、男のほうは、私に向って、「バ~カ」と言った。
声は聞こえなかったが、口の動きで、それがわかった。
女のほうは外に視線をはずして、ニヤニヤと笑っていた。

言うなれば、「クルマに乗ったサル」ということか。
そこには一片の知性も理性も感じなかった。
考えない人間というのは、そういう人間をいう。

●では、どうすればよいのか?

それは簡単な自問から始まる。
「おいしいものを食べた」……「だから、それがどうしたの?」
「大きな家を買った」……「だから、それがどうしたの?」
「600万円もする車を買った」……「だから、それがどうしたの?」と。

こうした自問を繰り返していると、ちょうどタマネギの皮が外からはがれて
いくように、自分の心がどんどんと細くなっていくのを感ずる。
「だから、それがどうしたの?」につづく、答の部分がない。
あるいはいくら考えても、その答がつづかない。

が、さらに自問を繰り返す。
「だから、それがどうしたの?」と。

するとあなたは、最後のところで、「私」が浮かびあがってくるのがわかる。
恐ろしく素朴で、恐ろしく小さい、「私」である。
その「私」から見ると、世の中のすべてのモノがつまらなく、取るに足りない
ものであることがわかってくる。

が、ここが原点。
そのあとのことはわからない。
それぞれの人が、それぞれの分野で、自分の道を見だす。
哲学者は、真理を。
宗教家は、善を。
芸術家は、美を。
ただ大切なのは、自問を繰り返すこと。
「だから、それがどうしたの?」と。

あえて言うなら、その悩み、苦しむ過程こそが大切。
その過程を通して、いろいろなドラマが生まれ、それが人間の世界を、
豊かなものにする。

大切なことは、自分で考えること。
結局は、そこへ行き着く。

●荘子の思想

ついでながら、荘子の思想について……。

すべての欲望、さらには自分を束縛するすべての「知」から、自らを解放し、
自然の世界(道)で、自然に溶け込む※。
荘子が説いた「安心立命」を一言で説明すれば、そういうことになる。

が、皮肉なことに、現代文明は、自然を容赦なく破壊する。
自然に溶け込むどころか、自然に背を向けている。
すでに2500年前に、その重要性を説いた人がいたにもかかわらず、
それを今に生かすことさえできないでいる。

……となると、思想とはいったい何かということにもなってしまう。
科学というのは、絶え間なく、その前の科学に積み重ねられていく。
一方、思考というのは、絶え間なく、上書きされていく。
科学のような積み重ねがしにくい。
が、もし今、2500年前の老子や荘子の思想を進化させていたら、
地球温暖化の問題も起きなかったはず。
一方、科学だけが進歩し、自動車がひしめき、飛行機が飛び交うように
なったからこそ、地球の温暖化は進んでしまった。

が、このままもし人間が、「だから、それがどうしたの?」という部分を
置き去りにしたまま、科学の進化だけを独走させてしまったら……?

そのときは、本当に人類は滅亡の危機を迎えることになる。
思考力があれば、人類は生き残ることができる。
思考力を失えば、人類は滅亡する。
飛躍した結論に聞こえるかもしれないが、思考力だけが、人類の滅亡を救う、
ゆいいつの方法ということになる。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司
科学 哲学 老子 荘子 無為自然 安心立命 思考力 思考のループ)


Hiroshi Hayashi++++++++JAN. 09++++++++++++はやし浩司





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最終更新日  2009年01月10日 06時55分51秒
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