カテゴリ:ちょっくらお出かけしてきちゃいましたとさ
一期家一笑から、車で5分ほどの場所にある、小田商店さんの味噌蔵に行ってきました。
何年か前に、スタッフみんなで蔵を見学させていただいたことがあるのですが、今回は、じぶんと店長、 そして群馬県からのお客様で、福島塾という経営塾で一緒に勉強させていただいている、「職人醤油」の高橋万太郎さん、 尾張地区でパン屋さんをやりつつ、こだわり商品の卸をされている新井さんと一緒に見学させていただきました。
こちらの写真で円盤の道具を持っているのが、小田商店の小田さん。
ちなみに円盤の道具は、三河地方独特の赤みそをつくるための、味噌玉をつくる道具です。
じぶんの背丈よりもはるかに大きい、年代物の杉桶。
日本中でも、昔ながらの杉桶をつかって味噌や醤油をつくっている蔵は、今では数えるほどしかなくなってしまったそうです。
この杉桶自体も作り手がどんどんいなくなっていってしまって、とても大事に使わせてもらっているとおおっしゃっていました。
杉桶の中央部に、つくった年月がはいっているのですが、約100年のときが経っているものがたくさんありました。
ふつうの会社で、100年企業と言うと「すごい!」ってなるのですが、 伝統産業である味噌醤油蔵では、100年企業でも、いちばん新参ものですと、小田さんが笑いながらおっしゃっていました。
こんなふうに、凛とした空気のなかで、歴史ある杉桶が整然と並んでいるさまは圧巻です。
お店のすぐ近くに、こんな場所があることがうれしいですし、もっとちゃんと理解したいと思いました。
一期家一笑のお店でも、小田商店さんの豆味噌を、量り売りで販売したり、毎日のお味噌汁などにも使わせていただいています。
お惣菜バイキングなどでも、和惣菜などは特にそうなのですが、お醤油はすべて小田商店さんのお醤油、 しかも、北海道産の丸大豆を使用した、生揚げ醤油です。
生揚げ(きあげ)醤油というのは、もろみを絞っただけの、いちばんシンプルな状態のお醤油のことです。
加熱処理していないので、酵母菌などもそのまま生きた状態でいます。
なんて、えらそうに書いてみるのですが、 正直に白状しますと、今回、万太郎さんに味噌蔵に行きたいと言われ、一緒に行くまで、ぼくはそのことをちゃんと理解していませんでした。
毎日あたりまえのように使わせていただいている調味料たちなのに、いかにじぶんが知ったつもりでいるか、恥ずかしくなるほどでした。
こちらは、蔵を見た後、絞ったばかりの醤油を味見させてもらっているところ。
たとえば、お醤油の原料にもいろいろありまして、原料の段階で大別すると、 「脱脂大豆」をつかったものと「丸大豆」を使ったものに大別されます。
脱脂大豆というのは、油を搾ったあとの大豆で、そこからしょう油を作るのでとても合理的です。
一方、一期家一笑でも使わせていただいている丸大豆のお醤油は、安心安全というイメージがつよく、こだわりをもった消費者の方に人気です。
なのですが…
実は旨味を測る基準値のひとつであるアミノ酸値などは、脱脂大豆からつくったお醤油のほうが高くなるんだそうです。 油を搾ってタンパク質だけになっているので、その分旨味の強い醤油になるというのが、割とわかりやすい理由です。
なるほどな~。
知らねえことだらけだな~。
お客さまやスタッフも、きっと知らないだろうな~。
どうやって、伝えようかな~。
そんなことをずいぶんと考えさせられた蔵見学でした。
この機会をくださった、万太郎さん(同じ年とは思えないくらいの落ち着きぶりと、明快な語り口が大好きです!) 黒怒の新井結加里さん(知識が半端なくて、ビビりました。これからもご教授おねがいします!) 同行してくれた店長(いくつになっても学ぼうとするその姿勢、見習います!) そして、お忙しいなか丁寧に案内してくださった小田さん ほんとにありがとうございます。
小田商店さんのお醤油のすばらしさ、日本の伝統文化のすばらしさ、 それをお客さまに伝えることで、恩返しをしていきます。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
今日も一期家一笑にきてくれてありがとうございます。 同年代で、日本中にがんばっているひとがいるのを肌で感じられるのは、ぼくにとっての幸運です。 いやはや、八百屋は、おもしろい。
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今回のブログは凄くためになるね~。私の愛読書「六法全書」と同じくらい没頭して読んでしまったよ。
味噌や醤油について身近な調味料なのに知らないことだらけだったよ。生産者を訪ねるのは勉強になっていいことだよね。 そういえば、知人が浜名湖の湖畔で蜂蜜の生産者やってます。N坂さんって言うんだけど紹介しようか? えっ?いらない?あっそ~。 ひろし君も今度、消しゴムはんこ創業100年のうちの工房に是非、見学にいらして下さい。 (2014年11月26日 04時03分51秒)
通りすがりの浜名湖ファンさん
>今回のブログは凄くためになるね~。私の愛読書「六法全書」と同じくらい没頭して読んでしまったよ。 >味噌や醤油について身近な調味料なのに知らないことだらけだったよ。生産者を訪ねるのは勉強になっていいことだよね。 >そういえば、知人が浜名湖の湖畔で蜂蜜の生産者やってます。N坂さんって言うんだけど紹介しようか? >えっ?いらない?あっそ~。 > >ひろし君も今度、消しゴムはんこ創業100年のうちの工房に是非、見学にいらして下さい。 ----- 通りすがりの猪ノ鼻湖ファンさん、いつもありがとうございます☆ お醤油蔵、行ってみて知ること、たくさんありました。 そして、気が付かないうちに知ったかぶりをしているじぶんにも驚きました。 なにごとも基本的なことをちゃんとやる、販売者なら生産者のことをちゃんと知る。 これがなかなかできていないです。 ほんと反省がいっぱいの見学でした。 碧南のほうにも伝統的なお醤油屋さんはたくさんあって、見学なども受け入れていると思いますので、子どもさんと一緒に休日プランもいかがでしょうか? 消しゴム工房はぜひぜひ伺いたいですし、ぐうぜんにもぼくの知人にも湖畔でハチミツやさんをやっていて、Nがさかさんというのですが、ひょっとしたら… そんなわけで、今度は、今回見学させてもらったお醤油のすばらしさを、どうやって伝えていけるか頭を使ってみまーっす☆ (2014年11月30日 12時24分35秒)
はじめまして!
職人醤油さんのメルマガ・リンクからお邪魔しています。 一期家一笑さんの隣町の豊川に住んでおり、お店にはちょくちょくお邪魔します。 職人醤油さんでは時々ご進物などで利用しております。 小田商店さんは初めて知りました。 とても興味深いです! (2014年12月01日 00時52分37秒)
EMGさん
>はじめまして! >職人醤油さんのメルマガ・リンクからお邪魔しています。 >一期家一笑さんの隣町の豊川に住んでおり、お店にはちょくちょくお邪魔します。 > >職人醤油さんでは時々ご進物などで利用しております。 > >小田商店さんは初めて知りました。 >とても興味深いです! ----- こんにちは☆ はじめまして、一期家一笑の杉浦大西洋と申します。 職人醤油さんをご存じで、ぼくまでうれしくなってしまいました。 職人醤油代表の高橋万太郎さんとは、ご縁があって、一緒に勉強会などをさせていただいています。 とても勉強熱心な方で、しょう油のことは万太郎さんに聞けば、なんでも教えてくれるという感じです。 ぼくらが住む三河地方でも、お醤油蔵というのは数えるほどしかなくなってしまっていて、そのなかでも小田商店さんは杉桶で仕込む、天然醸造のお醤油が楽しめる蔵です。 一期家一笑のお惣菜では、火入れ前の「生揚げ醤油」を使わせていただいているのですが、要望もありましたので、冷蔵ケースにて小売販売もさせていただくことになりました。 もし、店頭で見かけたさいには、ぜひぜひです。 (2014年12月03日 19時34分56秒) |
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