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詩誌ＡＶＥＮＵＥ【アヴェニュー】～大通りを歩こう～

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2017年09月23日

イラスト+詩「朱夏」

(1)

カテゴリ：写真詩・イラスト詩・書詩

　　　　
　うしろ手に
　夕暮れが
　戸を鎖せば
　　　　　　　　　たたず
　霊性頽廃の断崖に彳み

　、、、、、、、、、
　画布にむかひたれば
　物の色より赤を奪へり
　乱雑な画室の様のもの淋しさよ
　　　　　　　　　　　すさま　　　くさだち
　地平は紫に暮れ　いと凄惨じきその艸本かな
　ふるい人情
　風呂にただよふ名も知れぬほのかな匂ひ
　　　　　　　　　　　　か
　あらゆる没落を感ずべき邪
　君が眉のあたりには尚ほ何物か澄みたりき
　　　　びょうろう　　とけう
　されど白蝋のごとくに溶解失せなむ
　
　―――めづらしき夕立
　君が後ろ姿がなぜかしょんぼり気にかかる
　
　「わが手を見ればうとまし･･･」

　風に追はれて
　木の葉が落ちる
　顫へたる心をとらへぬ
　月が冴えれば気が滅入る
　夜の圧迫
　三歩の距離を保たむのみ
　やはらかい皮を剥けば
　琥珀の様な栗の実が
　ころころところげたり
　日が落ちて
　ぱたりと世界が暗くなれば･･････

　いく世の春を睡りさり
　　　　　　　しろがね
　薄暮の街路　銀にひかり

　来る　よ―――

　しづやかに　しとやかに
　何者か来り
　為すべき事なし
　白のふらんねるよ
　ピアノの鍵盤に腰掛けた様な騒音よ
　
　水にうつつた月かげは
　夜の大傾斜面
　　むねふくら
　小胸膨張み
　色は青ざめて匂ひはにがい
　自分のなやみを噛む
　大いなる洞穴を穿ちはらば
　青い　けうとい　ものものしい
　うろん臭げなうす笑ひ
　電流に似たるやるせなき衝動
　めくり暦のさびしさよ
　然しそれにしても
　然しそれにしても

　甘いばかりでは退屈で
　粗い舌ざはりが欲しかつた
　夏夕風の赴くなべに
　　　　　　　　　すばる
　あわただしき夜の跫音をきく
　かなしみ　よろこび　くわんくわい
　哀楚や幽欣の歓会
　ちらちらと心のすみに散りしくは
　髪の黒さよ
　、、、、、
　髪の黝さよ
　
　おとめ
　少女よ
　私は言う
　わが罪
　わが邪悪さが
　さあ何といひませう
　波の砕けるあの悲しい自棄の心
　その畸形にうごめく純白な無数のあしの影
　そして何が流れる眼を
　　　　　　　　ささや
　肩のうしろより低語き
　太陽の明るさ
くちなは
　蛇の美しさ
　　　りんくわく　
　人の輪郭に
マザーズ
　火を永遠につらならせ ･･････

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