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カテゴリ:温熱環境
おはようございます、
紙太材木店の田原です。 前回、 開口部(サッシ)の性能を高めることが大事と書きましたが 住宅初心者の方が間違えやすいのは Low-Eペアガラス このガラスが使ってあればOKと勘違いするケースが多々あります。 実はこのガラスには 遮熱タイプと断熱タイプがあります。 ガラスメーカーのLow-Eペアガラスの解説には (遮熱タイプ) 室外側のガラスをLow-E金属膜でコーティングすることで、 夏は太陽熱の侵入を防ぎ、冬は暖房熱を外に逃がしません。 冷暖房効果がアップして、夏冬の節電にも効果的です。 (断熱タイプ) 室内側のガラスをLow-E金属膜でコーティングすることで、 室内側に太陽光を取り込み、暖房熱を外へ逃しません。 冷暖房効果がアップし、夏冬の節電にも効果的です。 さてこの説明で どちらのガラスを使ったら良いかを判断できる一般人はどれくらいいるでしょう。 ガラスメーカーの立場からすれば どれを選択するかは設計士や工務店の判断 ということになりますが 実は工務店や設計士でもよく知らないというケースや 理由はわからないけどこっちのガラス という場合が多いんです。 もちろんそのガラスを使う目的や 住む地域によって変わってきますが この美濃地方で 冬にある程度日射が望める地域で 多くの方が考えるのは 開口部(サッシ)から逃げていく暖房エネルギーの削減 つまり寒くないのはどっち? ということなります。 結論から言えば (断熱タイプ) 美濃地方では 間違っても遮熱タイプを使っちゃいけません。 これは実はQPexの計算で数値が求められます。 新住協の鎌田先生が計算されていますが 次世代省エネ基準で使われるアルミペアガラスと比較して どれだけ暖房エネルギーが削減できるかをQPexで比較すると アルミ樹脂Low-Eペアガラス(断熱タイプ)の場合21.3% アルミ樹脂Low-Eペアガラス(遮熱タイプ)の場合2.3% (出典 エコ住宅Q1.0-X) せっかくLow-Eペアガラスを使っても 遮熱タイプでは 削減率では10分の1 単なるアルミのペアガラスとかわりがありません。 冬の日射が日本海側に比べて多い 美濃地方や太平洋側の地域では 冬の日射を室内に取り込むことで 暖房エネルギーはかなり削減出来ます。 つまり温室効果です。 もちろん このガラスを使った場合 夏の日射を考慮しなければなりません。 冬により日射を取り込むガラスは 夏も当然日射を取り込みます。 日射の遮蔽を考えないと 夏の冷房エネルギーが鰻のぼりということになりかねません。 暖房エネルギーや冷房エネルギーの削減にはポイントがあります。 それを理解していろんな対策を組み合わせていくことが必要で こんなに暑くなってしまった日本の夏や とは言いながらまだまだとても寒い冬を いかに過ごしやすくする設計をするかが問われています。 それは太陽光パネルの設置や設備機器で得られるものではなく、 住宅の基本的な性能で決まります。 基本的な性能がきちんと確保されていれば より多くの自然エネルギーを使うことができます。 それが本当のパッシブハウスだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年08月23日 07時29分45秒
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