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ケヤキの木の下で            岐阜/愛知 自然素材でZEH READYの家

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古い民家の再生

2020年04月24日
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カテゴリ:古い民家の再生


赤身ががったものが補修した杉皮

おはようございます、
紙太材木店の田原です。

今朝は快晴、3.6度の美濃地方です。

紙太材木店の瓦の葺き替え工事が始まって既に20日ほど経ちますが、
天候や傷んだところの補修などで工事はまだ半分も済んでいません。

今回の瓦の葺き替え工事
古い瓦を撤去して新しい瓦に葺き替えるわけですが、
古い民家の瓦を葺き替える場合の注意事項の一つは
瓦の下に敷かれるルーフィングです。
それは現代の住宅にも共通していることなのですが
室内で発生する水蒸気が屋根裏に到達した時、
結露させない工夫が必要であるということです。

古い住宅(無断熱の家)であれば古い住宅にあった方法が求められますし、
現代の住宅であればいくつかの対策が求められます。

古い住宅(無断熱)でも、
家の中は現代の生活スタイルですから

水蒸気は普通の家と同じように発生します。
となると、この水蒸気を適切に逃がす必要があります。
小屋裏に関して言えば先ず小屋裏の換気。
それと屋根に敷き込むルーフィングを透湿性のあるものにし、
小屋裏の屋根面に結露が生じないようにする必要があります。
本来であれば現代の住宅と同じように
断熱材を入れ、気密シートを貼り、
水蒸気の移動を止めることが必要です。
古い民家の場合、建物の持つ意匠性や費用の面から等
それができないケースも多くあります。

今回の瓦の葺き替え工事では、
透湿性のあるルーフィングを使用する方法と
既存のやり方である、杉皮を使用する方法の
二つの選択がありました。

最終的には従来通りの杉皮を選択しました。
その理由は
瓦を撤去した時の既存の杉皮の状態が100年以上経過していても
良かったことです。

そのことから傷んだ部分だけの補修で済み、
コストを抑えることができました。

もう一つの大きな理由は
透湿性ルーフィングの耐久性がまだ不確かに感じたことです。
カタログには耐用年数は50~60年と出ていますが…

今でも使われているアスファルトルーフィングで30年ほど
透湿性ルーフィングが発売されてからの期間がまだ短いですから、
時間の審判を受けていません。
工業製品である建材の中には
発売した時の国の規格は合格していても、
現在の規格で試験すると不合格と言うのも実は多々あります。
もちろん、透湿性ルーフィングがそれだと言っているわけではありません。
ただ、自分の目で見て杉皮の対候性、耐久性が優れていることが
確認できたからという理由からです。

このようなことから杉皮に土葺きとして瓦の葺き替えをしましたが、
瓦自体は桟に釘で固定する方式で
大屋根から下りてくる竪樋の周辺はオーバーフローした際の対策で
一部ルーフィングを2重に貼りました。
工事は左官や板金なども含めると恐らくまだひと月以上かかります。

古い住宅の場合、水蒸気の事などを考えると
必ずしも最新の工法がいいというわけではありません。
その家の状況に合わせ
どんな工法、方式、材料が最適か検討する必要があります。

















Last updated  2020年04月24日 08時33分33秒
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2020年04月17日
カテゴリ:古い民家の再生
​​​​​​​​​おはようございます、
紙太材木店の田原です。



紙太材木店の瓦の葺き替え工事も佳境です。
一番気になっていた店の前の軒裏を張り替えるのか、
現状のまま行くのか決断を迫られました。
なんとか今回の工事でも今のままでOKだろうと工事を始めたのですが
瓦を撤去してみて、やはりこれは交換と言うことになりました。

上の写真、連子格子の上のをご覧になると
板が取り除かれているのがわかります。
格子の前に立って、上を見上げると軒裏が見えますが
その軒裏に使ってある木が今回のテーマです。

それなりに傷んでいるのはわかっていたのですが、
瓦と葺いてある杉皮を撤去すると予想以上に傷んでいました。








一番上の写真を見ていただくと二階の屋根の竪樋が下りてきていますが、

ケヤキの葉が詰まってしばしばオーバーフロー。
滝のように瓦に直接水が当たっていましたから
予想はされてましたが、
住まい手としては何とかこのままであって欲しいという
淡い期待を持ってました。
と言うのも手を付け始めたらどこまでもとなってしまいますし、
材料も100年以上前に集められていますから、
今手に入れるには時間とお金がかかることが仕事柄分かっていたからです。

連子格子に立てかけてあるのは
軒裏の板を交換する場合の候補である杉の天井板で一枚の幅が33センチ
幅が足りませんし、板の厚みも9ミリほど
それにこの板を貼った場合、
他の板と色も異なることになるので塗装は必須、
紫外線の当たるところですから一度塗れば数年おきに再塗装することになりますから最終的には断念。

下の写真を見てください。





現在の板の幅は35センチですが

これは乾燥して幅が狭くなったためで
建築当初は36センチですから尺2寸の幅の板です。
木は乾燥すると横方向に約3%収縮しますから
ある意味、教科書通りの乾燥収縮
メジャーを当てている板は左側の釘はそのままで
右側の止めていた釘のところが収縮で全て裂けています。




当時もある程度乾燥した材料を使ったと思われますが

現在のような乾燥技術はありませんでしたから、
100年を越えていれば自然な成り行きです。
もう少し手間をかけるとすれば
乾燥収取を見越して受け材の垂木の幅を広くしておくとか、

固定するのはどちらか片側だけという選択もありました。

紙太材木店では外部に杉板を貼る場合、
このような乾燥収縮を考えて固定しています。
つまり、板の固定は乾燥収縮しても割れない固定方法が必要です。

さて、
使ってある板は松で15ミリから20ミリほどの厚さ、
幅は36センチです。
こんな材料は特注ですし、手に入れるには時間もかかります。







昔の踏み天井の板はほとんどが厚みのある松です。
踏み天井と言うのは2階の床がそのまま一階の天井になるものを言います。
地場の工務店では
古い家をリノベーションしたり、
再生させる時にはこのような材料がでますから、
産廃として処分せず何かの時のためにストックしておきます。
今回はストックの中から再利用することに…。





上の写真は洗って乾かしているところです。

これらの材料を使い幅の広い板を作ります。
幅の足りないところは幅接ぎと言ってつなぎ合わせます。





古材ですから使用している板自体も既に100年以上経過したもので、

収縮を考える必要はありません。
色も塗ったのではなくそのままのものです。





あまり、綺麗に映ってませんが張り替えた後です。
張り替えたとは恐らく言われなければわからないと思います。


​​​






Last updated  2020年04月17日 11時19分17秒
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2020年04月10日
カテゴリ:古い民家の再生




おはようございます、
紙太材木店の田原です。

朝の気温が7度ほどあると
室内は19度近くを保っていて
暖房の必要を感じません。
室温の低下速度は外気にかなり影響を受けていますね。

瓦の葺き替え工事が始まりました。
上の写真は築107年の紙太材木店の1階の屋根(下屋と言います)
まだ瓦を撤去する前です。



葺き替えですから
こんな具合に人海戦術で一枚一枚下ろしていきます。
瓦を固定しているのは足元にある団子状の赤土
つまり、置いてあるだけです。
赤土に藁を入れて発酵させ、粘りを出した泥状の土の塊を置き
その上に瓦を押し付けて固定します。
それでお仕舞。
赤土が乾いて固くなるまでは上に乗ってはいけません、
泥がつぶれて瓦が傾いて隙間が出来てしまいます。




瓦を捲ったり、古い民家を改装したりするといろんなことが分かります。
私が小学生の頃、瓦を葺き直しをした記憶があるのですが
(葺き直しと言うのは瓦はそのままのものを使い、ズレや傷んだところを補修します、
赤土の泥の上に置いてあるだけですから長い年月の間にはズレてきます)
瓦と2階の壁が交わるところはどのようにしたのか謎でしたが
今回、瓦をめくってみてわかりました。
壁から2枚目あたりの土とそれより下の土の色が異なっています。
つまり、前回は壁から二枚目より下側だけを葺き直しをしたということになります。

屋根瓦と壁の漆喰がぶつかって交差するところは
雨が入らないようにする工夫が必要です。
昔の日本家屋の多くはここから雨漏れが発生します。
つまりそこを触るには技術と費用が掛かることになります。
だから、
前回はあえて何もしなかったんかい!
・・・・

さて、日本人は新しもの好き
あらゆる業界で新作がでたり
マイナーチェンジが行われますがそのサイクルが諸外国より短い
つまり今のものは数年もすれば陳腐となり消えていくことになります。
数年おきに新作を市場に投入しないと売れ行きが落ちていくので
新しいものを出す訳ですがそれは建材業界も同じです。
新しいデザインのサイディング、ビニルクロス、合板フロア、室内ドアetc
瓦も例外ではありません。
昨年の台風の時も何枚か瓦が飛んだというので補修を依頼されましたが、
問屋を通じて日本中探してもらっても同じものがない。
キッチンやトイレと言った設備品でも同じことが起こりますから
生産中止になって数年で部品が無ければ交換と言うことになります。

上の紙太材木店の瓦も現在の瓦とは大きさが異なりますから
壁際2枚だけ残して葺き替えということができません。

壁でも床でも建具でも
何故、交換できるもの、補修のできるものをもっと作らないのか
あるいは使わないのか不思議である。
地場で豊富にある木や、職人も宝の持ち腐れと言うことになる。
依頼しても、当社の標準はこれだからとメーカー品を押し付けれれるケースもあると思われますが
コロナの影響が
いろんな人たちの固定観念を変えるきっかけにならないかと
淡い期待を抱いているこの頃である。







Last updated  2020年04月10日 07時28分42秒
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2020年04月08日
カテゴリ:古い民家の再生
​​​​



おはようございます、
紙太材木店の田原です。

今朝は4度の美濃地方、
札幌が3.5度ですから
朝の気温だけは北国が体感できます。
日中は22度まで上がるそうですが
午前中、11時くらいまでは薪ストーブのお世話になりそうですね。

上の写真は紙太材木店の本宅の棟札。
建物を建てた時に屋根裏などに取付けるものですが、
大正2年の上棟なので
今年で107年と言うことになります。

ここ数年、屋根瓦の傷みが顕著で
一昨年、昨年と続いた台風でも被害を受けています。
現在も昨年の台風の時の雨漏れで漆喰が一部剥がれたため、
足場をかけてその補修をしています。





破風が漆喰で塗りこめられていますが、
雨漏れで剥がれ落ちています。








中塗りをして乾かしますが、一度に厚く塗ると剥がれてしまいますから
何回かに分けて土を塗り重ねていきます。

少し塗って乾かし、また塗って乾かしですので、
天気とも相談しながら10日ほどかかります。
の後、漆喰を塗って乾かして、樋を取付ます。


現在は左官工事が終わって樋を取り付ける前です。
コロナの影響もあって学校が休みで、
前面の通学路になっている道路も子供たちが通りませんから
この際、瓦の葺き替えをしようということになりました。

瓦は私が小学生の頃、一度葺き直しをした記憶があります。
葺き直しと言うのは瓦自体は交換せず、
その言葉通り同じ瓦を使ってもう一度取り付けることを言います。
現在は桟瓦と言って桟を取り付けてそれに釘で瓦を固定しますが、
昔は土を団子状にしたものに瓦を押してけて固定してあります。
長い年月の間にはそれがずれてくることになりますから、
葺き直しと言うことが行われていました。

今回は大屋根までしようとすると大工事になるので、
下屋だけを葺き替えます。
下地がそれほど傷んでいないことを願うばかりです。
今回工事をしておけば少なくても50年ぐらいは手を入れなくても済みそうですが、
大屋根の瓦の工事は残ることになります。
いずれそちらも私がすることになりそうです。
親父のやつなんでやらんかったん!?と言われないように…






Last updated  2020年04月08日 07時42分23秒
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2019年11月29日
カテゴリ:古い民家の再生
​​​​​おはようございます、
紙太材木店の田原です。
晴天の美濃地方
今朝は2度でかなり冷え込んでいます。



毎日掃いても
落ち葉はご覧のありさまです。
ケヤキの葉は残り3割ほどですが
エノキはようやく始まったところです。


さて、昨日は100年ほど前に建てられた住まいのシロアリ調査



丸太梁にもう一方の梁が乗ってますが
そこが一部、白くなっていることから
住まい手が気づかれました。

接合部を拡大してみるとこんな具合です



桧の直上は2階の壁で
丸太梁でその荷重を受けています。
本来なら柱が来るところですが
開口部になっているので柱が建てられず
丸太梁で受けていて
更にその下に差し鴨居を入れて二段構えで荷重を受けています。
ここまでするのは
2階に屋根の荷重を受ける梁がこの丸太貼りと並行して取り付けてあるからです。

調査は岡崎シロアリ技研の神谷さんと行いました。
神谷さんによると被害の状況から判断すると
蟻害は10年以上前のもので現在はシロアリはいないということでした。
大きな家ですのでその他の床下も見てもらうと
ケヤキの大黒柱の根本も蟻害を受けた痕があるが
そこも既にシロアリは消えている状況で
今のところこの家で活動しているシロアリはいないとのこと。

さて、問題は被害を受けている梁
大きな家で一昔前であれば
毎年の大掃除の時には近隣の人にも手伝ってもらい
畳を全部上げて、梁や桁まで雑巾で拭いていたのが
今では畳の部屋のいくつかはフローリングになり
床下を簡単に見ることはできなくなってます。
近隣の人に手伝ってもらっての大掃除も
今では考えられません。
住んでいるのも3人だけですから
広く暗い家では蟻害にあってもなかなか気づきません。

松の丸太は材としての粘りはありますが
蟻害には弱く表面的にはそれほど被害が無いように見えますが
端から端まで相当部分傷んでいます。
桧の梁も30センチほどの梁背がありますが下部10センチほどは
被害を受けていて残りの20センチで荷重を支えている状況です。

丸太梁の下の差し鴨居は健全であることや
桧梁の残りの20センチ
丸太梁の芯材が荷重を支えているようです。

古く大きな家ですので補修工事は大工さんも交え
どのように進めるか慎重に検討する必要があります。
今回のような大きな家では家中に目を配ることは難しいので
被害が大きくなってますが
一般の住宅でも被害は出ます。
薬剤で処理してあってもそこは食べずに処理していないところを食べますが
大抵は造作材ですから被害が出ても簡単に交換できるものが大半です。
最近の住宅の構造であれば
それほどシロアリに対して神経質になる必要はありませんが
相手は生物なので絶対はありません、
頭の片隅には置いておく必要があります。





​​​​​






Last updated  2019年11月29日 10時55分46秒
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2019年05月24日
カテゴリ:古い民家の再生
​​​​


おはようございます、
紙太材木店の田原です。

快晴で現場の作業は順調に進んでいます。
30度近くの気温に体が慣れていなくて
疲労感の残る朝ですが
ビールが美味しく飲めるのはありがたい。

上の写真は蔵の屋根の葺き替えをするため
瓦を取り除いてたところですが
蔵と言うのは大切なものを保管しておくところですから
防火、つまり火事にあっても焼けない工夫がしてあります。
簡単に言えば外側、つまり外壁や屋根、軒の裏まで全て土や漆喰で塗られています。
火が迫ってきても簡単には燃えないようにされているんですね。

上の写真は蔵の下屋根の瓦を取り除いたところですが
その裏側(軒裏)はこんな具合です。


独立した柱も、梁や桁、屋根のすぐ下にある母屋と言われる材料まで全て
塗り込められています。
その厚さ4センチほどで表面には厚さが2~3ミリほどの漆喰が塗ってあります。

瓦を取り除いた屋根を見てみましょう。



縦に流れる垂木と呼ばれる屋根を形作る木がありますが
全面に鏝で押さえた土が塗りこめられています。

正面から見るとこんな具合です。



一般の住宅の場合はこんなところに土は入れなくて
なにもない空間になってますが
何故入っているかと言うと
二枚目の写真で見た
軒裏の天井に防火のための土と漆喰が塗られていることに関係します。

日本の古い家では普通だった土壁
土壁は柱と柱の間に竹と縄で土を固定するための下地を作ります。
それに土を何回か擦り込んで厚さが4センチ~7センチほどの壁をつくります。
それと同じようなことを屋根でしてるんですね。

つまり垂木と垂木の間に竹と縄で下地を作って
そこに土を塗り、その上側は杉皮を張って瓦を載せて
下側も同様に土を塗って、漆喰で綺麗に仕上げているということになります。

塗れて柔らかい土を上に向かって塗るのはとても手間がかかります。
柔らかすぎれば固まる前に落ちてしまいますし
きちんと食い込んでいなければ竹や縄との間に隙間が出来てしまいます。
このような工事のできる左官屋さんは現代では限られますし
そもそもやり方が分からない、やったこともない人が大半で
出来るとすれば60代を越えているでしょう。

昔と同じ方法で古い家を直そうとすると
それはそれは手間がかかります。
つまり、ほとんど同じ方法では直らない、
あるいは直せないというケースが多くあります。
だからこそ、傷む前に早め早めに直して
一日でも長く建てられた当時にままの姿を残したいものです。

​​​






Last updated  2019年05月24日 09時26分15秒
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2018年07月02日
カテゴリ:古い民家の再生


 折立の家 正面玄関 2014年8月竣工



おはようございます、
紙太材木店の田原です。

昨日は朝の6時から土場の草刈
時折、休息を挟んで3時半に終了。
4週間前にも草刈りをしてますが
間が4週間もあるとこの時期の草は伸び放題。
全部刈ってやるっ、という強い意志がないと途中で挫けてしまいますが
何とか完了。
本日は疲労が体に残りながらも気持ちのいい朝です。

さて、古い民家の再生が最近では当たり前のように行われていますが
先駆的な仕事をされた降幡廣信さんが有名です。
ご興味のある方は検索してみてください。

現在の再生工事の主なポイントは
耐震性+断熱性+デザインの3っつでしょうか。

降旗さん以前の古民家の工事は
住まい手と大工さんあるいは工務店の相談で工事内容が決められ、
耐震性や断熱性、デザインよりも
部分改修的な工事がメインでした。
言わば古くなったから新しくする的な改修工事で
その手法は大工さんや工務店の経験と勘に拠るものが大半でした。
多くは真壁の柱を隠し大壁とし
床は合板のフローリングで
俄か洋風スタイルというものです。

ただ、最近はブームのように古い民家を改修して
おしゃれな飲食店や店舗にするケースもありますが、
デザイン優先で耐震性や断熱性などに?の付くケースも多くあります。

日本の再生工事、あるいは改修工事の多くは
先ほども書いたように大工さんや設計者の経験と勘が大半で
改修や再生の手法が法的にあるいは技術的に確立されていません。
ですから、店舗に再生なんてケースではデザイン優先、回転率優先となれば
木造でこの大空間はまずいんじゃないか…
耐震性は何も考えていないという再生工事も出てくることになります。

欧米では古くから歴史的建造物の補修が盛んでしたから、
その補修方法や技術が蓄積され
それが大学での講義の中に組み込まれています。
特に英国では多くの大学に建築病理学という講座があり、
木造に限らず建築物の設計や施工、経年変化による不具合やその診断、予防に関して講義を受けることができます。
もちろん補修方法だけでなく建物の適法性や担保価値の評価など
さすがに古いものは壊さないイギリス人。
様々なリスクを回避し建物を再生しそこに付加価値というより価値を新たに創造しています。
ですから古い建物の補修方法や維持メンテナンス手法など
実務者の中では技術的な共通の認識があります。

残念ながら日本ではこのような講義をしている大学はほとんどありません。
大学では
関東学院大学の中島先生の研究室と
岐阜の森林文化アカデミーの木造建築病理学講座。
民間では
(社)住宅医協会の住宅医スクールぐらいでしょうか。


体系的な古い民家の再生方法などは
これらの講義を受けることで初めて理解できますが、
残念ながら今の現状の多くは
設計者や工務店大工さんの経験と勘が多くを占めます。
もちろん、経験や勘が悪いわけではなく優れた技術者も数多くいますから
その判断は住まい手自身がすることになります。

日本の再生工事にはまだまだ様々な問題がありますが
再生工事自体は増えています。
上記の意味で言えば再生工事はまだ緒に就いたばかりと言っていいでしょう。

不定期ですが古い建物の再生工事について
何回か書いてみます。





折立の家 着工前 玄関​






Last updated  2018年07月02日 08時53分36秒
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2018年06月29日
カテゴリ:古い民家の再生
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おはようございます、
紙太材木店の田原です。

日々目まぐるしく変わる天気に翻弄されている建築業界、
スマホのポイント天気予報もあまり当てにできませんが
今日は雨ですね。

今週頭は古い民家の架構構造調査(骨組み)
昭和3年に建てられた商家ですから今から90年ほど前になります。
小屋裏に上がると棟札がありますからそれが分かります。
もちろん建てた大工さんの名前も分かっていて
西垣捨吉さん
上の写真の左下に名前があります。



裏書には地鎮祭と上棟式の日にちと
引っ越した日まで書いてあります。

これを見ると上棟から引っ越しまで4か月しかありません。
土壁の乾燥期間としては短いですし梅雨にも重なってます。
商家ですから商売優先で一日も早く開店したかったのかもしれませんね。
それに当時の家はあまり壁がなく部屋と部屋は襖や障子で仕切られている程度
建物の両サイドにあたる東西に壁があるぐらいです。

この西垣捨吉大工さん
こちらの別の棟札にも名前があります。


拡大してみると


大工さんの名前が3人
その中の一人として名前が出ていますが
最初に名前が書かれていませんからどうやら棟梁としてではないようです。

一番上の写真では大工職の名前としては西垣さんの名前が一人で出ていますから棟梁と推測されます。

これは恐らく建物を建てた時期によるもので
3人のうちの一人として出ていた建物は大正7年に上棟してますが
一人で名前の出ていたものは昭和3年上棟
つまりこの二つの棟札の間には、10年の歳月が流れていることになります。

大正時代に建てた建物の時はまだ若く、年季明けして間もなくですが
昭和になってからは一人前の大工になって棟梁として建てたということが分かります。

実はこの棟札の建物
二つとも紙太材木店が建てています。
西垣さんが若いときに建てた建物は15年ほど前に再生、
今では紙太材木店のショールームになっています。

今回は西垣さんが棟梁として建てた建物を再生することになります。
90年ほど前に建てられた家で基礎は玉石基礎
壁はほとんどなく建具で仕切られた部屋
耐震診断の数値は0.3以下

このような家でも
現代の様々な基準に適合させ十分再生することができます。
古い家にお住みの方は頭から無理と思い込んでいるケースが多くありますが
壊してしまえばそれまでです。
古さの中にこそ価値があるという考えもあります。
多くの人の気持ちを惹きつけるのは新興の住宅団地ではなく
古い町並みや古民家であることを考えると
古い家を壊して新築の住宅を建てることが全てではありません。


​​​​






Last updated  2018年06月29日 07時57分08秒
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2018年02月02日
カテゴリ:古い民家の再生
おはようございます、
紙太材木店の田原です。



先日、古い商家の調査に行ってきました。
昭和3年ですから今から90年ほど前に紙太材木店が建てた家です。

もちろん、断熱材などひとかけらも入っていませんから
スリッパを履いていても各部屋を調査していると
くるぶしから先の感覚が無くなっていきます。
現代の生活に合わせて水回りなど適宜改修してありますが
基本構造は90年前のもので、玉石の上に土台が敷いてあり
その上に柱が建っている石場建ての住まいです。
母屋の周りは増築したキッチンや水回り、
仕事で使用している倉庫や蔵、納屋などもあり
建物の配置の確認だけでもかなり時間を要しました。

公図と実際の敷地形状が異なるところもあり
敷地境界も一般的には境界杭ですが、
この角の玉石とあの玉石といった具合です。



この家を再生、
つまり以前の面影や構造を残しながら
現代の新築並みの性能にするのが住まい手のご要望です。

再生を行う過程では様々な要素を検討する必要があります。
過去のケースでは​折立の家​や​春明の家​は共に減築をしています。
これは建物があまりに大き過ぎる場合
全体の予算で賄えなくなることと
実際の生活ではそれほど大きな家は必要が無いことによるものです。
又、過去の改装や増築を繰り返してきた、
ある意味その場しのぎの対応を一旦ご破算にする必要があるからです。
もちろん、建物が本来持っているデザインや意匠はできるだけ残す工夫が求められます。

今回の調査、再生計画は緒に就いたばかりですが、
できるだけ木造の古い建物を残していきたいと思っています。
馬籠や古川、高山といった古い建物のある街並みには多くの人が訪れますが新興の住宅地にはいくら立派な建物が建っていても人が行くことはありませんし、いくらお金を出しても古さを買うことはできません。
昨年の夏、我が家にオランダから来ていた留学生が、古いものにこそ価値があり、伝統的なものや長く大事にされてきたものでなければあまり興味はないと言っていました。
紙太材木店も、長く大事にされる家を造っていきたいですし、
長く大事にされてきた建物を次の世代に引き継ぐ手伝いもしていきたいと思っています。
90年前、紙太材木店が祖父の代の時に建てた家の再生に携わることができるのはこの上ない喜びです。








Last updated  2018年03月21日 12時03分40秒
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2017年11月15日
カテゴリ:古い民家の再生
おはようございます、
紙太材木店の田原です。





空き家対策が全国的に広まってますが
私の住んでいる川辺町もそのうちの一つです。

具体的には空き家バンクに登録している家を購入し
その家をリフォームする費用の半額を出すというもので上限は100万です。
実質的には200万以上のリフォームを行うと100万が補助として支給されます。
詳細は​川辺町のHP​をご覧になるとお分かりいただけますが
川辺町HP
上の写真のような昭和初期に建てられたような趣のある建物もあります。
土地が140坪ついていて金額は418万
更に価格は相談とありますから田舎暮らしをお考えの方にはうってつけかもしれません。
夏にも町外からのお引越しの方のリフォームをさせていただきましたが
その工事もこの空き家対策の補助事業でしたが
現在ももう一軒その調査をしています。
​近くの山法師さんは蕎麦屋さんですが
上の写真のすぐ近くにある古民家を改装した蕎麦屋さんで
町外からもかなりの人が訪れます。
山法師

古い家の場合、その温熱環境をいかに改善するかは大きな問題で
引っ越してからの暮らしを左右します。
フローリングやクロス、水回りのユニットバスやキッチンなど
見た目は新しくしても、冬の寒さ対策は何も・・・というケースも少なくありませんし
お義理で入っている断熱材だけでは気密が取れていなければ
ほとんど効果は期待できません。
たとえ床暖房が入っていてもキッチンやリビングだけではその効果も期待してはいけません。

唯一可能性のあるのが薪ストーブです。
お寺の本堂のような建物でも(スカスカ住宅)
強力な火力で十分暖かくなります。
薪の入手ルートは都会に比べ田舎では比較的容易ですし
薪ストーブを使っている家庭も以前に比べかなり多くなっていますから
お互いに相談されるのも一つの方法です。

実は今年から川辺町の空き家対策協議会の委員を委嘱されました。
まだまだ使える、あるいは壊してしまうには惜しい建物が多くあります。
古い建物は古いということに価値があります。
どんなに性能のよい家を作っても古さを作ることができません。

一般の方にはあまり浸透してませんが
住宅を子供や孫の代まで使ってもらうには
メンテナンス費用を積み立てておく必要があります。
30坪程度の家であれば年間15~18万程
新築であれ、中古の家であれ
人が作ったものは必ず劣化していきます。
メンテナンスの不要な家などありませんから
家を建てたり購入したらローンだけでなくメンテナンス費用も見込んでおく必要があります。

本日は川辺町の空き家補助のご紹介でした。







Last updated  2018年03月21日 12時25分24秒
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