トリナソーラー、通威と15GWのセル製造など3件の合弁事業
トリナソーラー(天合光能)は、Vertex (バーテックス)向けの自社開発した210㎜シリコンウエハ確保のため、通威集団と3件の投資と長期調達協力の枠組協定を含め、合計総投資額約23億米ドルで、年産4万トンの高純度結晶シリコン・プロジェクト、15GWのインゴット・プロジェクト、15GWのウエハ・カッティング・プロジェクト、15GWの高効率結晶シリコンセル・プロジェクトに投資する。投資比率および持ち株比率は通威股份が65%、トリナソーラーが35%。 トリナソーラーは投資面で、通威集団の四川永祥多晶硅有限公司(Sichuan Yongxiang Co.,Ltd.)および通威太陽能(Tongwei Solar Co.,Ltd.)とそれぞれ「合弁事業契約」を締結し、共同でプロジェクト会社を設立する。年産4万トンの高純度結晶シリコン・プロジェクトは、プロジェクト推定総投資額は40億人民元で、トリナソーラーと永祥股份が合弁会社を設立し内モンゴル自治区バオトウ市で、2020年12月にプロジェクトに着手、2021年5月に建設開始、2022年9月末までに製造設備を完成させて生産開始する予定。 年産15GWのインゴット・プロジェクトは、プロジェクトの推定総投資額50億元で、四川省楽山市五通橋区に、永祥股份またはその子会社とトリナソーラーが設立したプロジェクト会社が事業主体となり、2年11月にプロジェクトを開始、2021年3月に製造設備を建設を開始する予定。プロジェクトは、2021年9月末までに7.5GWの第1フェーズで完了して稼働し、2022年3月末までに7.5GWの第2フェーズを完了して生産を開始する予定。 年産15GWの高効率結晶シリコンセルおよびスライス・プロジェクトは、推定総投資額60億元で四川省成都市金唐郡に、通威太陽能とトリナソーラーにより設立されたプロジェクト会社により、2020年11月に建設が開始される。そのうち、シリコンセル・プロジェクトは2021年10月末までに完成して生産開始、シリコンセル容量は生産後に15GWに達する。スライス・プロジェクトは2021年9月末までに完了して生産を開始、スライス容量は2022年3月末までに15GWに達する。 太陽光発電関連のすべてのパートナーの共同努力により、210製品の産業チェーンは成熟し、より深い統合がさらに進んでいる。トリナソーラーは、2021年末までに太陽電池モジュールの生産能力を50GW以上にすることを計画しており、そのほとんどは210モジュール向けとなっている。今後も引き続き、大型セルを基にした高度なモジュール生産能力というスケールメリットを強化していく。 調達面では合計約7万2,000トンのポリシリコン製品製造のため、通威集団の四川永祥多晶硅有限公司(Sichuan Yongxiang Polysilicon Co.,Ltd.)、四川永祥新能源有限公司(Sichuan Yongxiang New Energy Co.,Ltd.)、内蒙古通威高純晶硅有限公司(Inner Mongolia Tongwei High Purity Crystal Silicon Co.,Ltd.)、雲南通威高純晶硅有限公司(Yunnan Tongwei High Purity CrystalSilicon Company)を2021年1月から2023年12月までの間に買収する予定。 トリナソーラーのサプライチェーン購買管理部門担当副社長Chen Ye(陳 曄)は、「トリナソーラーと通威は良好な関係となり、戦略的パートナーであるトンウェイとの協力を深めていくこをと大変嬉しく思う。」と述べた。この長期調達により、市場の変化へのタイムリーかつ効果的な対応が促進され、企業のサプライチェーンの強力かつ長期的な安定性が確保できる。 一方、トリナソーラーは、11月2日には無錫上机数控股份有限公司(Wuxi Shangji Automation Co.,Ltd.)と20GWのシリコンウエハ調達契約を締結し、15日には常州アルマデン社と8,500万㎡の太陽電池用ガラス調達契約を締結した。この調達は、Vertexシリーズ210超高出力モジュールの生産能力を強力に後押しするもの。トリナソーラーの関連記事