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働く女性たち…「菜の花畑の女 真菜」いけ菜ばな イナコ流家元 駆け込み寺居酒屋ポン吉 44話
吉祥院天満宮がある吉祥院地区にはポツリポツリとまだ畑が残っている。その多くは九条ネギなどを栽培しているが、その中には数か所の畑で曜日を決めて直売の農家もある。JR西大路駅近くにある「洋風居酒屋ポン吉」のマスターの音吉もこれらの畑で新鮮な野菜を買っていた。その農家の一軒が廃業したのか野菜の販売どころか農地は荒れ放題になっていた。 音吉は真っ黄色に染まった菜の花の写真を撮ろうとその畑に入っていた。その畑は大きな農家の裏にありその裏口から一人の若い色白の美人が出てきて音吉に声をかけた、 「その黄色い花は白菜の花です。まだ花が咲いていない蕾の下10cmほどで摘み取りさっと湯通しすればとても柔らかく食べられます。それに生のサラダにしても美味しいです」 「これって白菜の花ですか?」 「はい、こちらにはブロッコリーの花もありますから同じように摘み取ってください」 「しかし、食べられる野菜をこうして薹が立つまで放置するのはもったいない気がするが…」 「はい、私の両親が軽トラで市場に野菜を搬入する途中で大型ダンプに追突されて二人とも亡くなったのです」 「それはそれは、で、他にこの畑をする男手は?」 「それが…私は一人っ子です。それに畑仕事などはまだ一度も…」 こうして音吉は白菜とブロッコリーの花芽を農家の籠いっぱい二人で摘み取っていた。そこで音吉は、 「私は駅前でポン吉という居酒屋をやっています。もしよろしければ今夜この花芽を料理していただけませんか?、店の客には若い女性が多くてこんな新鮮な野菜を皆さん待ち望んでいるのです」 この農家の女性は真菜といいまだ29歳だという。両親が亡くなったと同時に勤めていた証券会社を辞めて大きな屋敷とこの畑を遺産相続税のために処分する用意をしていると自己紹介していた。その夕方には真菜さんがまた別の野菜を持って店にきた。音吉は店の掲示板、ブログ、それにLANEで「今夜は新鮮野菜を無料で食べ放題」という記事を流していた。 そのせいで店は女の子で超満員御礼で男の客は立飲み状態だった。真菜さんとママの幸子は手際よくこの花芽や野菜を材料に数種類の料理を大皿に盛ってそれぞれ客はセルフで食べていた。一段落したころ真菜さんと幸子はカウンターの中で腰を下ろしていつもの身の上相談話を展開していた。それによると真菜さんは証券会社の同僚に英樹という恋人がいるが、真菜さんの両親はこの農家の後継ぎとして養子を希望していたが、その相手の両親は養子なんてものには絶対反対としていた。そこで幸子が、 「ご両親が亡くなってこんなことをいうのもなんだけど…真菜さんはその農家と畑を処分するというのなら養子でなくてもいいのではないの?」 「はい、そうなんですけど…親戚がやたら多くて、この由緒ある「菅原家」を継ぐのは子孫の責任になるというのです」 「菅原家?、菅原家ってあの菅原道真の子孫になるの…?」 「はい、そうなりますけど…私としてはそんなことはどうでもいいことです」 「それならその恋人の英樹さんとはまだ付き合っているの?」 「はい、英樹さんとは結婚の約束をしています」 それから10日ほど経ったある日真菜が店にきた。真菜は最近親戚で近所に住んでいる健二という男が毎晩のように家に来る。その健二とは幼いころからの同級生で親戚ということもありよく真菜の家に出入りしていた。その健二がいうには私と結婚をしてこの家を継ぐことが親戚一同の意見で私と結婚してほしいということなんです。そして夜遅くなってもなかなか家に帰らないばかりか襲いかかられたこともあるのです。 その話を聞いていた幸子は真菜に、 「そら~あの家屋敷と畑を処分すれば何億円にもなるからね~それが目当でないの?」 「はい、それに親戚の人に聞いた話なんですが、とりあえず力ずくでも私と肉体関係を持てばいいという作戦だと聞いています」 「そうアホな男たちはそんなことを真剣に考えているのが相場なのよ~真菜…」 「それで夕べ、健二さんが来た時に私には恋人がいます。それにお腹には赤ちゃんがいますと答えたの」 「そしたら…?」 「そんなことは嘘だというの、それでそれならその男を今夜連れて来いというの…」 「それならその恋人の英樹さんに頼めばなにも問題がないじゃないの?」 「それが…英樹さんは東京本社に出向中で夏まで帰れないの」 こうしてこの偽物の恋人の役を68歳の音吉に真菜はなってほしいという。もちろんこんなことを相手は信用しないが、現実に音吉が真菜の家て一夜を過ごせば健二も諦める可能性がないとはいえないとこの作戦を音吉に承諾も得ないで真菜と幸子で決めてしまった。時間は10時になっていた。音吉と真菜の二人は真菜の家の前まで来るとそこには健二が待っていた。そして、 「真菜ちゃん、そんな年寄りを連れてきて恋人という茶番劇はやめたら」 「いぇ、私はこの音吉さんが大好きです。なんなら健二さんが納得するまで何日でもこの音吉さんを家に泊めます」 こうして健二を残して二人で家に入った。そして真菜は音吉に二人でお風呂に入ろうと誘ったが音吉は、 「そらあかんわ~恋人の英樹さんに…」 「なにをいっているの!、そんなことはバレなければないことと同じこと、それにあの健二さんはこの風呂場の場所も知っているからきっとお風呂の窓の二人の影を見ます。夕べも私の影を見ていましたから」 「しかし…」 真菜はそんなことを気にしないでさっさと服を脱いで下着だけになって音吉の手を引いて風呂場に連行していた。この風呂というのはかなり広く窓もかなり大きく中庭に面している。この中庭には健二が潜んでいることは間違いはないと真菜はわざと大きな声で音吉とふざけていた。 やはり健二は中庭にいたが、この二人がキスをしたり、抱き合う影を確認したのか涙を流してこの場から撤収していた。風呂場では音吉も年は取ってはいるが、やはり男のメンツというのがあるのか積極的に真菜を愛撫して結ばれていた。そして風呂から上がってビールで乾杯していたが、音吉は真菜のあの一言が耳に残っていた。それは、 「なにをいっているの!、そんなことはバレなければないことと同じこと!」 もちろん音吉もこんな台詞を批判する立場ではないが、女っていうのはこんなものかと考えていた。それを察知した真菜は、 「音吉さん、私の恋人の英樹さんも東京でなにをしているかはわかりません。でもそんなことを詮索するよりも信じたことのほうが楽しくなります」 「それなら今夜のことはまったくなかったことになる」 「そう、今夜どころか明日も明後日も健二さんが諦めるまでは…ママさんには了承をいただいています」 「あらら、また幸子に騙された、俺は安物のホストか!」 ★…いけ菜ぱな イナコ流家元が発足 真菜さんが持ってきてくれた白菜とブロッコリーの花芽には小さな黄色い花が少しあった。それなら活けて花を咲かせてみようと思って花瓶を探したが、そんなものはない。 そこでそこらにある適当なものに活けると一晩で花が倍になった。その花を2日ほど楽しんだ後には食べるという一石二鳥を発見した。これが病みつきになりついに「いけ菜ばな」という登録商標で「イナコ流家元」として活け花の流派を発足しました。↓の画像がその記念すべき家元の作品になります。 屁理屈コラム…20年目のおはぎ・老い桜・筍ごはん(神崎屋さんの筍)・独居老人のつまらない独り言コラム このコラムが少しでもおもしろかったら↓↓↓の画像をワンクリックしてください。ブログランキングに参加しています。現在3~4位どす。。。あなたの愛のワンクリックが私のいきがいになります。 働く女性たち…「無毛の女 高校女教師 純子」 駆け込み寺居酒屋35話
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最終更新日
2017年04月11日 06時05分07秒
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