(written on Jan.31st)
皆様も、ご存知の方がおられるかもしれませんが、
今日、ある通訳のテレビ中継で、
テレビ局の通訳の方が、間違いをされました。
日本テレビで午後2時に放映されている、
「ザ・ワイド」という番組で、今日は、ジェンキンスさんの
会見が放映されていました。丁度、私の昼食時でしたが。
ご覧になられた方、いらっしゃいますか?
面白い事に、2名の通訳の通訳振りを同時に
拝見する事が出来ました
新潟側が用意した、記者会見用の現地通訳者と
そのテレビ局中継側が用意した放送通訳者です。
放送通訳者側(女性)は、同時通訳手法による訳し方をされておられ、
記者会見側が用意した現地の通訳者は、男性で逐次通訳でした。
ジェンキンスさんが、金正日についてどう思いますか?と聞かれ、
◎金正日 is evil ~とおっしゃいました。
この同時通訳の方は、「金正日は有能な人で~」と同時通訳し、
現地の通訳の方は、「金正日は、邪悪な人で~」と通訳しました。
同時通訳の方には、able と聞こえた様です。
話の流れから判断したら、evil が聞こえずとも
有能な人、という訳は間違い、とわかりますが、
ジェンキンスさんは、evil とおっしゃいましたので、
現地の方の通訳が正解で、同時通訳者は、図らずも
間違った訳をテレビで言ってしまいました。
後ほど、番組で、この点、訂正があり、また、ゲストで出演した
デーブスペクター氏が、フォローをして
ジェンキンスさんは南部の訛りがあるので、という事を
おっしゃっておりました。
2チャンネルを観ますと、女性の通訳の間違いが
かなり批判されておりました。
これは、他人事ではありません。
私は、この女性の方の通訳が、気の毒に感じました。
この通訳の方は、著名な方で、しかもテレビ局の
番組が専任で起用するのですから、実力ある方でしょう。
しかし、今回は、さぞかし、やり難かっただろうと。
と言いますのは、自分が同時通訳で、ジェンキンスさんのコメントを
訳したら、その次に、現地の通訳(ジェンキンスさんの隣に
座っている方)が、逐次通訳をします。
つまり、同時通訳の方は、ご自身の訳の後で
また、他の人が通訳されるのを聞く羽目になり、
やりにくいだろうなと思います。
また、ジェンキンスさんの隣で英語を聞いて訳するのと
テレビという電波での音声は違うものと思いますし
ジェンキンスさんは、確かに訛りがあり、また、
涙声とかになりますと、聞き取り難い面があります。
通訳で私が最も困難に感じますのは、
色々な訛りや特長ある声での英語を判断する事です
皆、標準的な音声の英語を話されるのでしたら楽なのですが、
そうではありません。特に私は、訛りなどに慣れていませんので、
今回、目の当たりにした通訳者の間違いは、他人事には
感じられませんでした。
何かご意見があればどうぞ。
末次通訳事務所 英語通訳 末次賢治 拝
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最終更新日
2005年01月31日 21時54分47秒
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