受講者の皆様
以下は、数年前に月刊『現代英語教育』の
(リーダーズフォーラム)欄に掲載されました私見です。
ご参照にされて下さい。
【タイトル:紋切型でなく、発話状況に則した和訳教育必要】
本誌10月号の本欄に掲載された大森氏のご意見には同感です。
英語授業でみられがちな紋切型の和訳を改善し、
英語文脈や発話状況に適し和訳をすることが求められます。
私は英語通訳業ですが、先日まで、高校生に英語の
家庭教師をしておりました。その生徒さんは、近所の公立高校に
通っておりますが、普通科ではなく、新設された「英語科」の
生徒でした。
最初、教科書などの英語を口頭で和訳させたところ、
まさに紋切型の和訳であり、驚きました。英語科の普段の
英語授業でもそうした和訳で授業しているようです。
その和訳とは次のような調子です
━「彼は、昨日、彼が乗るべき列車に乗り遅れ、
そこへ行くことができなかった」。
何ともじれったい言い方ではありませんか。
私は学校の英語教師ではないから、
現在の英語授業の様子を詳しくは知りません。
また、教師(の能力)や地域によって、
授業方法も様々に相違がありましょうが、
上述のような紋切型の和訳を以って授業を
進めるケースも確かに存在します。
紋切型の和訳が、言葉が本来持っている力を
なくしてしまうものです。文脈や発話状況を
理解した上で、適切に和訳する習慣を授業を通じて生徒に
体得させるべきでしょう。
状況に則した和訳が出来れば、状況に則した和文英訳が
出来るようになります。
こうしたことにより、生徒が言葉/言葉遣いに敏感になり、
学習の効率も向上することでしょう。
私は、家庭教師とは別に、近所の小学生らに、
無料で英語を教えております。
そこでは、発話状況に適した言葉遣いや和訳を指導しております。
例えば、親友同士の英会話で,
When are you going to post office? という質問の
場合には、「いつ郵便局にいくと?」と訳させます。
友人同士だし、福岡県なので、あえて福岡弁で和訳をします。
この方が英語と日本語(母国語)の距離を近くするでしょう。
細かいことですが、こうした工夫がもっとなされてよいのでは
ないでしょうか。英語通訳としての意見であります。
末次通訳事務所 英語通訳 末次賢治 拝
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最終更新日
2008年07月19日 21時01分09秒
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