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家曜日~うちようび~

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2021.04.17
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【相談】 

Q輔さん、こんにちは。

少し前に「上司の一貫性に欠ける発言に悩んでいます」という相談をさせていただいた、Q輔です。

さて、私は今、先だっての私の相談に対するあなたの返事に大変憤慨しています。

あなたのお考えを要約すると、
上司の発言が、過去と現在で一聴して辻褄が合わないことなど当たり前。
部下たるもの、皆まで説明されずとも、その奥にある一貫性を汲み取るべきである。
とのこと。少なくとも私はそう受け取りました。

いやいや、おかしくないですか?何で下のもんが汲み取ってやらにゃならんの?上司は赤ちゃんか!
上司なら、正しい言葉で、正しい指示を、こちらが迷わんように、かつ傷付かんように伝えんかい!
私はこれまで、上司の自分本位の支離滅裂な発言に振り回され、身も心もズタボロです。
やはり人の上に立つ者は、常に細心の注意を払って発言するべきだと思うのです。
これは上司部下の関係に限らず、先輩後輩、親子、夫婦、先生と生徒、政治家と市民、何だってそう。
常に責任ある発言を心掛ける。これ、あらゆる人間関係の基本でしょう?
とにかく先日のあなたの発言だけは許せません。撤回して下さい。撤回しやがれコノヤロー。


(名古屋市、46歳 ペンネーム・Q輔)





【お返事】

えらい言われようでござる。
なるほど、Q輔さんのおっしゃることも一理ある。てか、二理も三理も万里もある。大正解。
でも。しかし。である。
そう、モノゴトには「でもしかし」があるから面白いよね。
という訳で、以下は、あなたの意見に対する僕の「でもしかし」です。

僕は「会話」とはスポーティーなものだと思ってる。
ていうか、個人的には、ほぼスポーツだと言って過言ではない。
野球、サッカー、バスケ、陸上、柔道、水泳、それらと同じ「会話」という競技。
会話は文化的資質より、どちらかというと運動神経がものをいうゲーム。
ちなみに昨今、メール、ライン、ツイッターなどの「電子での会話」も新しい競技として確立しつつあるな。
とにかく「会話」はスポーツなのだから、他の多くのスポーツと同じく、
瞬発力、知力、体力、時の運、血の滲むような日々の努力、
もって生まれた才能を駆使して、ただ本番に結果を残すことが全て。
もちろんスポーツなのだから、向き不向きがあって当然。努力だけでは如何ともしがたい現実もある。

例えば、一流のアスリート。
例えば、引退しちゃったけど、イチローとかね。
彼は、自分の才能に胡坐をかくことなく、日々努力を怠らず、己の野球哲学を信じ、
自分の体の細部にまで注意を払って、試合に挑んでいたと思うのですね。
そんな野球のプロフェッショナル、超一流のイチローにかかれば、
相手が投げたボールの速度、回転、位置を、瞬時に、的確に判断し、
バットの芯にジャストミートさせ、日々鍛錬した肉体をフル稼働させ、
全ての玉はホームラン!
・・・かというと、そうでもない。
たまに、空振りする。
プロのくせに。高い給料もらってるくせに。超一流とか言われてるくせに。
たまに、三振する。
なぜなら、野球には相手がいるからだ。
相手のピッチャーは、こちらが打ちやすい玉を投げてはくれない。困らせる玉ばかり投げて来る。
イチローにしてみれば、
もっとホームランを打ちやすい玉を投げてくんないと、僕ちゃん嫌だ!とか。
今日は何だか調子が悪いのでバッターボックスには立たないもーん!とか。
今の玉、家に持ち帰って検討するね。三日後また投げてね。必ずホームランにしちゃうから!とか。
言いたいであろうが、言えるわけねーじゃん。プロの世界なのだから。

では、会話というスポーツの場合はどうでしょう。
例えば、あなたの上司。
彼が、自分の才能に胡坐をかくことなく、日々努力を怠らず、己の仕事哲学を信じ、
自分の体の細部にまで注意を払って、仕事に挑んでいるとう前提で。ははは。
そんな上司にかかれば、
部下が投げかけた質問の意味、真意、背景を、瞬時に、的確に判断し、
質問の芯にジャストミートさせ、日々鍛錬した頭脳をフル稼働させ、
全ての発言は当意即妙!
・・・かというと、そうでもない。
たまに、失言する。
上司のくせに。高い給料もらってるくせに。社長とか部長とか言われてるくせに。
たまに、人を迷わせる。
なぜなら、会話には相手がいるからだ。
会話の相手は、こちらが答えやすい質問ばかりをしてくれない。困らせる質問ばかりしてくる。
上司にしてみれば、
もっと答えやすい質問してくんなきゃ、僕ちゃん嫌だ!とか。
今日は何だか調子が悪いので、ヘンなコト言いたくないので、発言しませーん!とか。
今の質問、家に持ち帰って検討するね。三日後また問いかけてね。必ず的確に指示するから!とか。
言いたいであろうが、言えるわけねーじゃん。仕事なのだから。

仕事ってバスケの試合みたいに瞬発力が必要でしょう?
細部に至る判断ともなれば、分刻み、秒刻みで行っていかなければならない。
仕事中はみんなゼイゼイ言っている。ハアハア言っている。それはあなたの上司もきっとそうです。
プロがどれだけ努力しても空振りはする。パスをミスる。これまでのタイムを大きく下回る時もある。
もちろん、でもだからと言って、
上司が自分の置かれた状況や感情に任せて何を言ってもよいと言っているのではありません。
野球の下手な選手が、レギュラーになれないように。決してプロにはなれないように。
会話の下手な上司は統計的にみても出世しにくいようですね。特に昨今は。まあ、当然か。

ただ問題はね。
「競技としての会話」がどうも苦手であるということと。
その人の「業務実績」は別であるということです。
別で考えないといけない。
表面的な言葉で傷付いたとか、迷ったとか、ハラスメントだとか、まあごもっともなのだけれど。
そこでシャットアウトしてしまうと、その人から本来得られるべき情報は途絶えてしまう。
僕はその情報がとても勿体ないと思うので、喉から手が出る程欲しいので、
表面的な言葉のキツさはさておき、その先を、その奥を、何とかして掴むように心掛けている。
口は悪くても、精度の高い仕事をする職人はいるし。
口下手でも、センスの光る図面を書く設計士はいる。
失言だらけでも、力のある政治家もいる。
「競技としての会話」にだけ重点に置くのであれば、
橋下徹氏とか、ひろゆき氏とか、ホリエモンとかが総理大臣になったらいいと思う。
何を聞かれても当意即妙。会話という競技の選手としてのスキルが半端ない。
こと会話だけのことでいえばね。でもそれと、実務は別ですからね。
会話が業務の全てならばいいんだけどね、所詮は会話は業務の一部でしかないのよ。

オリンピックの森前代表が、あの失言で、すったもんだで。
まあ、当然の報いか知らんけど。
あれは、イチローがある打席で派手に空振りしたということで、
イチローのこれまでの功績も全て無効、全てチャラでよいという考えなのかな。
イチローの空振りと、イチローのこれまでの功績が別であるように。
森さんのあの失言と、森さんのこれまでの功績は別だと思うが・・・。

タレントの出川の十年前の失言がほじくり返されて、好感度が落ちたとか、落ちないとか。
あの女性は、この生涯を振り返って失言をしたことがないのかな?
誰も傷つけず、迷わせず、いつ何時も辻褄の合った発言で、名言格言を連呼してきたと言い切れるのかな?

僕たちだってそうだよ。

自分は部下だから、後輩だから、子供だから、生徒だから、市民だから、
会話のバッターボックスには立たず、観客席からヤジを飛ばしていればいい?

たった一言の失言で、その人の人間性が測れるなんて、
いやあ、しっかし、みんな人を見る目が長けているのだなあ。
どこもかしこも人を見るプロフェッショナルばかり。

おもんぱかる。
という、思わずハグしてチューしたくなるカワイイ言葉があります。

「ぱか」のあたりが実に愛くるしいよね。

思慮する。考えを巡らせる。

だってさ。

あなたの上司が、あなたをおもんぱかるのは、そりゃ当然ですが。

ちなみに、あなたは、あなたの上司をおもんぱかっていますか?

言わずもがなのことですが、

おもんぱかりは、お互い様だと、僕は思いますよ。


Q輔さん、ご相談、ありがとうございます。






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最終更新日  2021.04.18 07:50:15
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