「ぼく」が「町の発明家」と「抗引力ボール」の使い道をいっしょに考えるというくだりは、まるでウェルズの『月世界最初の人間』そっくりだ。 ファーロイもケイバーリットも、その荒唐無稽な点において五十歩百歩ではないか? ただ、作者は若いころジュール・ヴェルヌに傾倒したというだけあって、とうていありそうもない公理を受け入れさえすれば、あとはまさしくヴェルヌらしい展開だ。例の偏執狂的追跡者も『必死の逃亡者』や『八十日間世界一周』などを髣髴とさせる。
ほかにも邦訳されている著作があれば、ぜひ読んでみたいものだ。
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Last updated
2009.07.28 15:53:05
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