わたしの部屋

北朝鮮、金正恩は、南北の平和的統一はもはや不可能だと発言し
韓国との和解への希望を象徴する「記念碑」を取り壊した。

この記念碑は、画期的な南北首脳会談 (金大中)後、2000年に
正恩の父、正日が「南北民族平和統一」を祈願して建立した。

板門店に続く街道上にあり、平和統一の凱旋門と言われている。

しかし金正恩には先代の意思を継ぐ意思はないようだ
もはや韓国は同胞ではなく北朝鮮にとって危険な存在だと決めつけた。

金日成、正日の路線は正恩にとっては邪魔にしかならない。

その証拠に、3年前から金日成、金正日が安置されている
平壌の錦繍山太陽宮殿に参拝してはいないと言う。

代々の指導者の路線を否定した金正恩の真意がどこにあるのか？
それには様々な憶測が飛びかっている。

北朝鮮のロケットマンはいったい何を考えているのか？
首領様、将軍様の路線を変更した北朝鮮はどこへ行こうとしているのか？

これから起きそうな憶測のいくつかを下に掲げる。

・朝鮮総連の混乱

朝鮮総連は結成当初から、一貫して「祖国の統一」に寄与することを自らの基本使命として綱領に明記している。
今回金正恩ご乱心によってちゃぶ台返しされ、混乱していると言われている。
もし南北に軍事衝突があれば、彼らはどのような行動をとるのだろう？

・戦争

豊かな韓国はもはや北にとって邪魔な存在でしかない。
存在自体が危険である。
が、今や、北と韓国との軍備の差は明らか、勝負にならない。
国力を傾けてまでして造った虎の子の核も、アメリカのにらみが効いていて使えない。
使えば北朝鮮は終わる。

・北朝鮮国内の脅威

今や情報化社会である、
人民は布団をかぶって韓国の文化や社会、豊かさを知って自国に幻滅し、憧れさえ抱いている。
牙を抜かれた国民の反乱が成功する可能性は薄いが「宮殿のクーデター」の可能性は残る。

・同盟国に見捨てられる

先のプーチンとの会談で、金正恩は「真の同盟者」を得た気分だろうが
露宇戦争で疲弊したロシアからの見返りは多くはないだろう。
使いにくい北朝鮮はチャイナにしても邪魔な存在になっている。
なので、経済的混迷深まるチャイナは見捨てる可能性もある。

・フリー マーケット

配給は、政府も高官など一部の人だけが受けられるのが現状だ。
配給が途絶えた北の民衆は、フリー マーケットでしのいでいるが
これを発展させ、中国の経済路線を模倣すると大きなリスクが生じる。

.金正恩の死

現在40歳になる金正恩は健康上の問題に悩まされている。
もし近い将来に死ぬことでもあれば、後継者が存在しないことが重要な課題になる。
クーデターで軍事政権が誕生するかもしれない。

・金与正の動向

もしここ数年以内に金正恩が死んだ場合、妹、金与正の動向が気になる。
が、北朝鮮体制における、強い男性優位を克服できるかどうか？
金与正は政権の中枢にいることもあり指導する準備はできている。
金正恩より頭がよく冷淡に見えるところがキモイ。

いずれにしても、北朝鮮は自由主義世界から見れば「反逆者国家」であり
西側諸国において脅威であることは変わりがない。

話を戻す。

そもそも、金日成、正日時代の朝鮮統一は、緩やかなのものである。

先ず、韓国内に反政府組織を作り
民衆のバックアップを背景に軍事的圧力をかけ統一する戦略だった。

この気の長いたくらみは、韓国の左派として、
政治、教育、司法、財閥、マスメディアなど隅々に浸透し
現在の韓国の左派活動を鑑みるとほぼ成功しているように見える。

しかしである。この戦略は、北の夢であり、
実在しない「青い鳥」のようなものではないか？

その証拠に文在寅は大統領時代、北に愁眉を送ったが何の進展もなかった。
北の手先のはずの左派政権であっても「民族平和統一」など夢物語だったのである。

ではなぜ北朝鮮は、このような夢物語をひたすら言い続けてきたのか？

それは北朝鮮人民の不満を反らし、人心を掌握するための手段だったと思う。

ひとは、貧しい環境も、つらい締め付けも、何もかも
「夢」があれば生きていける。

この辛さや厳しい環境も「南北の統一」が成れば、ユートピアに代わる。

この幻のユートピアを求め、
如何ほどの在日朝鮮人、一部の日本人が北にわたり辛酸をなめたことか！

しかし金正恩は「青い鳥」の真意を理解できないようだ。
夢は覚めさせてしまえば効力がなくなる。

たとえ実現できなくても、実現できると思い込ませることが秘訣だ。
此の辺は宗教に似ているかもしれない。

これを理解できない金正恩は指導者（教祖）としては失格だ。
親の七光りで祭り上げられたただのバカなのである。

そのバカが、平和統一そしてユートピアへの幻想を一気にぶち壊した。

あとは武力統一をお題目にするしか手はない。
北朝鮮人民が最も恐れる戦争が現実味を帯びる。

だから今後は「青い鳥」を殺してしまった金正恩に民衆の不満が一気に注ぐことだろう。

金正恩はプーチン会談後、一目置かれたことで変な自信がついたようだ。
プーチンのロケット技術提供によってミサイルが完成し、
もはや怖いものは何もない…と思ったか？

しかしである。北による韓国侵攻は
ロシアのクリミヤ奪取や東部簒奪のようにはうまくいくまい。

武力統一は金と武力と兵力があってこそ実現する。

今の北にそれがあるか？

ない。なにもない。戦費も兵糧も弾薬も不足している。
あるのは飢餓で痩せこけた兵と時代遅れの使えないポンコツ兵器。

たしかに核は何発か保有しているだろう。
金正恩はそれによって自信を得ていると考えられる。

しかしそれを使えばたちまち政権が終わる。

とはいえ、かの国はチュチェ思想の絶対主義国家だ。
トップの一存でどこまでもつっぱしる危険がある。

火遊びが大好きなロケットマン小僧も40歳。
”四十にして惑わず”が、一気に南下では墓穴を掘ることになる。


今日の一句



半島の有事なかれと野焼きかな


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