カテゴリ:万葉
8月28日の日記で、コナラの木に「クヌギ」という名札が掛けられていたことを記しましたが、それがこれです。 確かに、コナラとクヌギはよく似た木であるから、花園中央公園のこの名札について小生も長らく疑うということもなく来ました。 花園中央公園の桜広場の一角に、コナラとクヌギが並んでいる場所がある。ホットケーキみたいな茸が生えている切株のスグそばがその場所。 しかし、実は一目瞭然。全く違う。 コナラもクヌギもシイタケの原木になるほか、薪炭その他様々に利用され、古来から生活に密着した樹木である。そういうこともあってか、コナラもクヌギも万葉に登場する。 〇コナラの歌 下野 三毳の山の 小楢のす 〇クヌギの歌 紅は 移ろふものぞ 橡の (紅色は華やかだけれど、すぐに色褪せるもの。地味なつるばみ色に染めた衣にどうして及ぶことがあろう。) コナラは、若い可愛い娘の比喩として使われているのに対して、クヌギ(つるばみ)は(それで染めた衣のことであるが)、古女房の比喩として使われているところが面白い。 クヌギは「国木・クニキ」の転訛だとも言われている。 クヌギの実の落ち方も、アフロヘアーのまま落ちる奴、ヘアーはそのまま残し丸坊主で、つまり「実(身)一つ」で落ちる奴とそれぞれであるが、どちらが正規の落ち方なんだろうか(笑)。上の右の写真の実は蓋の中で反転しているから、この後は丸坊主で落下するのだろう。それに対して左の写真のように蓋を付けたまま落ちている奴もいる。発芽ということで言えば、丸坊主で地面に落ちた方が有利かとも思うが、これはどちらにせよ「ドングリの背比べ」に過ぎないのかも知れない。
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ドングリも表情が色々、こうしてアップで並べられると面白いですね。
コナラは若い娘子のごと細面、クヌギはガッチリ下膨れで古女房のイメージ?大阪のおばちゃん連からクレーム付きそうですが、クヌギ(橡)の味のある渋みをかばってくれている大伴家持さんの歌で良しです、かしら?(笑) クヌギは今までどことなく男性の感じがしていました。 ドングリも色々、帽子も色々、ファッションの秋にお気に入りの物をどうぞと言われても、帽子はノーサンキュウーの偐家持様には不要な話ですね。 それよりもクヌギの木を見ると思わずクワガタかカブトムシがいないか探しておられそうです。 (2016.09.11 22:07:24)
>ドングリも表情が色々、こうしてアップで並べられる
と面白いですね。 はい、どの道ドングリの背比べに過ぎないのではありますが(笑)。 >クヌギ(橡)の味のある渋みをかばってくれている大 伴家持さんの歌で良しです、かしら?(笑) この歌は、越中守であった家持が、部下の尾張少咋(をくひ)が妻を顧みず、遊行婦女の左夫流兒(さぶるこ)にうつつを抜かしているのを教え諭した歌ですが、家持さんもこの歌を詠んだ所為で奥方の坂上大嬢さんから「喩えが悪い」と、とっちめられたのではないかと思ったりもしています(笑)。 >・・・帽子はノーサンキューの偐家持様には不要な話 ですね。それよりもクヌギの木を見ると思わずクワガ タかカブトムシがいないか探しておられそうです。 はい、何もかもお見通しのようです。まことその通りであります。カブトムシは居ませんでしたが、ハナムグリが居ました。草花につく小型のハナムグリは「花むぐり」という感じですが、樹液にたかる大型のこいつは「鼻むぐり」というイメージです。 (2016.09.11 22:50:02)
こんばんは(^^♪
クヌギとコナラで思い出しました。 御存知の事と思いますが。。。 生駒山を眺めると(花園中央公園辺りから)、生駒山に早い紅葉みたいに見える木があり、不思議に思っていました。 先日 TVで原因を調べていましたのが ナラ枯れらしく、それも大木をカシノナガキクイムシが好きだそうです。 http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/naragare.html (2016.09.11 23:04:10)
良い区別方法を教えて頂き良く分かりました。
私は二つの木の区別全く分からず、すべてクヌギと言っていたのですがこれからは上を見ず、下を見て(実で)区別します、 (2016.09.12 09:22:00)
>先日 TVで原因を調べていましたのが ナラ枯れらし
く、それも大木をカシノナガキクイムシが好きだそう です。 確かに、生駒山地の山々はところどころ茶色になっている木々のかたまりが見られますね。何だろうと思っていましたが、あれは「ナラ枯れ」でありましたか。カシノナガキクイムシが運ぶ「ナラ菌」によって、木が枯れているのでありますか。存じませんでした。 生駒山の こちらなにはの をちこちに なら枯れなるか ならならざるに (偐奈良麻呂) (2016.09.12 18:28:43)
>良い区別方法を教えて頂き良く分かりました。
>私は二つの木の区別全く分からず、すべてクヌギと 言っていたのですがこれからは上を見ず、下を見て (実で)区別します、 まあ、実を見れば一目瞭然ですが、実のない季節に両木を見分けるのはかなり困難ですね。季節限定の見分け方に過ぎません。実の季節なら、上を見上げても枝に実が生っていますから、下を見ずともいいかと(笑)。 つるばみと 似たる木こなら 実のなくは いかにかこれと みさだむべきや (偐団栗) (2016.09.12 18:52:20)
クヌギとコナラの違いを
万葉歌を交えて 面白くわかりやすい解説 楽しく読ませていただきました。 実を見れば一目瞭然 なるほど、今はよくわかりましたが 右から左へ抜けないことを祈らなくちゃ。 ありがとうございました。 (2016.09.14 13:43:53)
「クヌギとコナラの違い」を「解説」するなどという大それた気持は毫もなく、この二つはよく似た木で「実」位しかその違いが分からん、と嘆いているに過ぎませぬ(笑)。
これらの木は子どもの頃、クワガタムシ、カブトムシなどの採集にあっては、先ずターゲットにする木で、虫採りヤカモチにとっても「生活に密着した」木であったと言えます。 また、ドングリ拾いでは、カシやコナラはクヌギに比べて実が「見(実)劣り」しますので、クヌギの木を目指したものでしたから、子どもにとっても、両木を区別する実際上の意味があったことになります。 (2016.09.14 18:43:20)
奈良の春日野
小奈良の春日岡 (2023.05.19 17:36:10)
ご訪問ありがとうございます。
>奈良の春日野 小奈良の春日岡 春日岡・・佐野厄除け大師(惣宗寺)は、2015年11月に三毳山銀輪散歩で訪ねたことがあります。 (2023.05.20 07:39:04)
>許我の渡り
麻久良我(まくらが)の 許我(こが)の渡りの 韓楫(からかじ)の 音高(おとだか)しもな 寝(ね)なへ児(こ)ゆゑに (万葉集巻14-3555) >伊奈良の沼 上(かみ)つ毛野(けの) 伊奈良(いなら)の沼の 大藺草(おおいぐさ) 外(よそ)に見しよは 今こそまされ (万葉集巻14-3417) >許奈良の須 下(しも)つ毛野(けの) みかもの山の こ楢のす まぐはし子ろは 誰(た)が笥(け)か持たむ (万葉集巻14-3424) (2023.09.29 19:38:59)
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