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カテゴリ:ロボザムライ
■ロボサムライ駆ける■第3章7 C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ■第3章(7) 「レイモン様、ようやく峠を越えましたぞ」 関所から同道している主水は、最初に駆け上がり、近畿新平野を見渡した。 ここは暗がり峠であった。霊戦争でわずかに残っていた台地である。 「なんと」 思わず主水は叫ぶ。壮観である。 近畿新平野は霊戦争により、様変わりしていた。大阪・京都・奈良・和歌山の山脈は消滅し、フラットな平野となっている。 ボルテックスによるレザー攻撃でここにあった全日本軍の要塞が潰滅していた。 が、主水は驚いたのはそのことではない。大阪湾に異様な物を発見したからだ。 主水の眼が二十倍ズームの態になり、大阪湾上をアップにしていた。ロセンデールの空母ライオンから周囲十キロメートルにわたって電磁バイヤーが張り巡らされている。まるで大阪湾に張り巡らされた『蜘蛛の巣』のようにみえた。 「ロセンデールめ。すでに大阪湾を支配下においたとみえる」 レイモンが主水のそばにきて、主水の見たる光景を霊力で盗み見していた。 「レイモン様、いったいあやつは……何を狙っているのでありましょうや」 「ロセンデールめ、あせっているものとみえる。ライオンの艦橋部分が霊波を送る中心塔なのだ。その霊波探査能力を倍増するために、大阪湾岸の高い建物のすべてに網を張り巡らせたのだ」 「西日本都市連合会議も市政庁も、何もクレームをつけないのでしょうか」 「恐らくロセンデールのことだ。巧妙な語り口で市政庁をあざむいておるのであろう」 「しかし、それでは、我々は飛んで火にいる夏の虫ではありますまいか」 「主水よ、それに対する古いことわざがあろうが」 「はっ、それは」 「わからぬのか、虎穴にいらずんば虎子をえずという奴じゃ。しかしながら、この虎子は大きいぞ。世界の歴史をひっくりかえすほどにな。ほっほっほ」 レイモンはゆったりと笑い飛ばしている。 (続く) ■ロボサムライ駆ける■SF「ロボサムライ駆ける」第3章7 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/携帯電話版ロボザムライ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.31 19:59:56
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