テーマ:政治について(19783)
カテゴリ:世界を見る切り口
ある読者のかたから、こんなメールをいただいた。
意見を述べてほしいとのご希望もあるので、後半にコラム子の意見を書きます。 ≪泉様 いつも読んでいます。 「米国の北朝鮮テロ国家指定解除の件」で、誌上で今度泉様のご意見を述べてくださいませんか。 私の意見は…… 拉致被害者を救うために国民ができることは何か、と多くの国民はいつも思い巡らせているはず。 国会議員はそれを一番真剣に考えねばならない立場のはずなのに、なぜ手をこまねいているのか。 このタイミングに国会が衆参両院で 「アメリカのテロ国家指定解除の反対決議」 をなぜ出さないのだろう? それを出したら、日米関係がおかしくなる? アメリカ議会だって 「従軍慰安婦非難決議」 を出したではないか。 今の日本の国会の議論の対象もお粗末だが、ジャーナリズムも、国会はなぜ反対決議をしないのかと問うてはどうか。≫ 毎度の逆説を言わせてもらえば、コラム子は 「朝鮮国の拉致問題への対応は、米国のキューバ政策を見習え」 という意見ですね。 キューバは、米国人にとっては 「リゾート地+アルファ」 の裏庭だった。 キューバ革命によって、キューバに進出していた米国人は財産没収の憂き目に遭います。 戦争をしてでも米国民への補償を求めたいところだが、ソ連と一戦交えるわけにはいかなかった。 戦争はしないまでも、キューバのことを米国政府は絶対にゆるさない。 だから、いまだに徹底した経済封鎖を続け、キューバの要人と握手することさえ米国の政治家にはご法度(はっと)です。 (間違ってキューバ人と握手してしまったところを写真に撮られて、ひと騒動あった米国要人のことを 『ニューヨーク・タイムズ』 紙で読んだことがあります。) 米国は、意地を貫いているわけですよ。 それを横目に日本はキューバと貿易をしていますが。 とにかく、キューバが米国人への国家補償を行わない限り、ぜったいにゆるさない。 その意地こそ独立国の証しです。 日本国はね、そういう独立国の意地を、まず持つべきなんですよ。 世界の全ての国が朝鮮国と国交を結んでも、日本国は拉致問題に納得のいく解決がなされぬ限り、朝鮮国を敵国として扱う。 米国がキューバを敵国として扱うように。 米国の外交政策への反対決議を出す前に、米国がキューバに対して保持している国家としての意地の垢でも煎じて飲むべきであります。 さて、いただいたメールの続き。 ≪今回のアメリカの解除で何が分かったのか。 それは、もう日米同盟は形骸化してきたということ。 戦争が今にもおきるという状況ではないにも拘わらず、アメリカは日本人の拉致被害者、そして日本の強い願いを無視した。 ということは、戦争が起きればアメリカが助けに来てくれるのだということを信用してこそ成り立つ日米同盟がもう機能しなくなったことを明白にしたといえます。 アメリカと一緒にドイツと戦ったフランスのドゴールでさえ、大統領になってから 「ソ連がフランスに核攻撃を仕掛けてきたとき、アメリカがわが身を省みずフランスのためにソ連に反撃してくれるとは思えないのです」 と言って、結局核武装しました。 いわんや、アメリカと戦った日本が、アメリカの傘の下なら安全だとする考えは、幻想であることを認識しなくてはなりません。≫ 米国の対朝鮮政策が右に左に揺れることで、それが日米同盟の質の問題に関わるとは思いませんが。 もともとコラム子は、日本が侵略されたときに米国軍が善意で助けに来てくれるなどとは思っていませんよ。 アメリカ人って、M78星雲生まれでしたっけ?(笑) 第3国が日本を侵略して、日本を本格的な反米国家に仕立てることがないようにする、というのが日米同盟の目的であります。 日本の国防への米国軍の協力はその範囲でのみ行われるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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キューバって、アメリカ人拉致しまくって
核実験とかやってましたっけ? 更に、キューバの人が、餓えてるのにミサイル実験ばかりして、反抗する国民を強制収容所に入れて、大量に拷問や処刑したりしてますか? 全然悪質さが違うと思いますが (Sep 25, 2016 09:08:37 PM) |
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