テーマ:政治について(19876)
カテゴリ:ぼくの疑問符
小沢民主党は、悪名高き公約を掲げ続けるらしい。
≪農業、漁業は「戸別所得補償制度」を創設して、経営を安定させる。≫ 所得に浮き沈みがあるのは都会の会社だって同じなのである。 「戸別」 にあたるものが、会社では 「担当するプロジェクト」 だと思うが、これはほんとうに所得の浮き沈みが激しい。 農業や漁業なら、せめて夕餉にのせるほどの茄子やサバは取れるだろうが、都会の会社の個々の仕事は数年間まったく利益を生まずコストばかりかかるものがゴロゴロある。 農業・漁業の所得変動は、相場ものの仕事に似ている。 土地を持ち、漁船を持ち、所属する協同組合を持つ、持てるものだけが行える相場仕事である。 これに戸別所得補償制度を創設するなら、都会の相場仕事やプロジェクトものの仕事にも所得補償をするのがスジではないのかね。 当たりはずれのある、劇団の仕事にも所得補償が必要だ。 講演会をやって食っている人も、何人集客できようが食っていけるよう所得補償が必要だ、ということにならないか。 こういう、土地も資産も協同組合もない都会人こそ弱者の最たるものだが、集票マシンにならないから所得補償制度を考えてやろうという政治家は皆無だ。 いろいろなプロジェクトを立ち上げる会社組織は、儲かる仕事と儲からない仕事を同時に進めることで、組織として「保険」をかけている。 農業・漁業も、所得の浮き沈みが問題なら、それをカバーする保険制度を創出して 「当たり年」 には保険料を払わせ 「はずれ年」 には保険金を払うことにすべきだ。 (実際には保険料は定額徴収で、はずれ年に保険金を払うことになるが。) そういう保険の需要があるのかどうか、農業協同組合・漁業協同組合にまず聞いてみるのがスジだろう。 * 9月6日の産経新聞1面に東京大学・伊藤元重(もとしげ)大学院教授が「日本の未来を考える」と題して書いていた。 民主党の公約が、集票力のある 「持てるもの」 優遇であることを浮き彫りにしている。 ≪よく知られているように、兼業農家の平均収入は一般のサラリーマン世帯よりも高い。 これはある意味で当然のことだろう。 兼業農家はサラリーマンとしての収入に加えて農業収入があるのだから。 もし兼業農家に対して農業支援を行うとすれば、それは相対的に所得の低い一般勤労世帯から税金をとってそれでより豊かな農家にお金を回すという行為である。 こんなことが許されてよいのだろうか。≫ これに民主党はどう答えるのか。 伊藤教授の主張のポイントはそのあとのところに掲げられているので、それも紹介しないと伊藤教授に失礼だろう。 ≪これが専業農家、あるいはもう少し別の言い方をすれば プロ農家 への支援であるとしたら少し違った意味を持ってくる。 日本の農業生産力を上げること、プロ農家 になろうとする人を支援すること、そして プロ農家 により多くの農地が集まるようにすることが、日本の食料生産を強化することにもなるはずだから。≫ プロ農家 は、会社組織で農業をやるべきだ。 そして商社のような一般企業も農業に参入できるようにすればよい。 税金ばら撒きの政治的 「補償」 よりも、会社組織で自ら保険をかけながら農業ができるようにするのが、あるべき政治の姿だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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