カテゴリ:ほっ……と したい
^-^◆ 休日昼下がりJRの車中で (Request・revival) 列車の中はあまり混んでは いませんでした。3歳くらいの 可愛い女の子が、車中をウロウロと 歩き回っていたんです。 少し向こうの席から 「危ないよ、こっちにおいで」 という、多分母親らしい声はしますが好奇心の強い子供のこと、 聞くものではありません。 それでも、誰も席を立って来る訳でもないので、 きっとこの子は普段から自由にしているんだろうな、等とドアに 寄りかかりながら思っていました。 丁度反対側のドアの所に、年の頃なら67、8の素敵な白髪の 紳士が立っておられたのですが、その女の子はその側に行くと、 しゃがみこむ様な……、幼児がする独特の中腰の姿勢で、下から 見上げはじめました。 よく見ると紳士が花柄の包装紙に包んだものを提げています。 どうやら花の様で、その子はその花を覗いていたんです。 何度も何度も足場を変えるような仕種をして覗き込んでいます。 あまりにその仕種が可愛らしいので、立っている回りの人の顔に 笑みがこぼれました。 ややあって、紳士がその子に気付きました。目と目があって、 紳士はにっこりと笑いました。お孫さんをお持ちなのでしょうか その笑顔は、とても自然で優しさに満ち溢れたものでした。 その子は目が合った瞬間身を固くして、2、3歩下がりました が、紳士の笑顔を見て、又、花を覗き込みました。 紳士は花束を持ち変えると一輪右手で摘み取って、その子の 小さな胸のポケットに刺しました。花の名前は知りませんが、 赤いカーネーションに似たような花です。 その子は、にっこり笑って左手で花を押さえたまま、膝を曲げ 上体を横に曲げるような仕種をしました。 私には、おじぎに見えました。その子がお礼のお辞儀を したように見えました。大きくうなづきながら微笑む紳士。 その子は、さっときびすを返すと、少し揺れが激しくなった 車中を、右左にステップしながら、ひとつ向こうのドアの方の 席に去っていきました。 多分、身内の人に、花を見せに行ったのでしょう。 向こうの座席から、60前後位の女性が立って紳士の方に会釈を しました。 車中の空気が明るくなったような感じです。 他愛も無い日常の光景なのですが……………………。 次の駅に電車が入る直前、その子が再び紳士の所に現れて、 何か差し出しました。……どうもガムの様です。 それも子供向けのオレンジか何かのガムを、ひとつ紳士に あげようと言うのです。 花のお礼でしょうか。おばあさんが薦めたのでしょうか。 右手を高々と掲げて紳士が受け取るのを促している その子の顔は、天使のように輝いていました。 もちろん、しゃがんでありがとうと言って紳士が受け取った のは当然です。紳士も同じように蛭子様の様な笑顔でした。 車中の空気がいっぺんにだいだい色になるのを感じました。 人の原点を極めてほんのりとシンプルに見せて貰ったような気が して、しばらく自分の心がとても和んでいるのを自覚したのです。 列車には、車とは又違う数々の出会いがあります。 ============================================================================ ◆◆ホームページランキング(暮らし・生活⇒ライフスタイル)に参加しています。 他にもステキなブログがありますよ。 一票お願いします。ランキング表を見に来て下さ~い ◆◆クリックして~~ ( ^-^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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