カテゴリ:JRにまつわるほのぼの話
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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ 若者がしっぽ巻いたロートルパワー <Renewal> JR香椎駅で並んで電車を待っていた……。 ふと見ると列の一番前に、老人ながら肩幅が広く背筋のシャンと 伸びた男性の姿……。……何とも、後ろ姿に風格が漂っている。 80才は、とうに過ぎられた感じ……。 ステッキに両手を添えて肘を張り、 少~し、ユラリ……ユラーリの感じが伝わってくる。 22時を回った時間だから何処ぞで一杯やっておられたか……、 ホロ酔いの様相…………。 こっちも同じで……酔い覚めのウーロン茶をあおっていたら、 後ろでドスンと大きな音……。 老紳士が素早く、キッと振り向いた。 ウウッ……なんと鋭い仕草だ……。 元警察官か自衛隊の方だろうか? ……なんて思ってしまう位の鋭い動き…………。 つられて振り向くと大きなキャリーバッグが倒れた音だった。 慌てて立て直している小柄の若い女性……。 荷物が一層大きく見える。(^-^) 振り向いたくだんの老紳士の厳しい顔と、 鋭い視線を想像していたが、 これがまた何と……まったく優しい顔。 花咲か爺さんの様な好々爺である…………。 ニコッと笑った顔が後ろ姿の威厳と、いかにも……アンマッチ。 思わずこっちの顔もほころんだ……。 丁度その時、門司港行きの電車が入ってきた。 博多の方からホームの一番端、最も線路寄りを伝い歩きしてきた 3人のジーパンの若者が、折しも老紳士の前に来たときに、 電車が止まった。 老紳士の前で立ち止まって、 一番に電車に乗ろうとする気配の若者3人。 ……冗談じゃない。こっちは10分以上並んでんだ。 「ちょっと、ちょっと、並んで、並んで……」 と言おうとしたら……、耳を疑う程の大声が響いて来た。 『青年!!!それはないぞ!!』 電車の音さえかき消すような莫大な声…………例の老紳士だ。 3人の若者は言葉よりもその声の大きさに、 物凄くびっくりした顔で、ビクッとして振り向いた。 まるで、耳元でいわれた様な距離だから、 真からびっくりしている。 老紳士は肩を張ってピクリともしない……。 多分、睨み付けているのか…………。 しかし、さっきの顔からは想像がつかないので、 案外「ニッ」と笑っておられるのかもしれない。 そこで、3人の若者がどうするかを見ていたが……、 あっさり『ワリーワリー』と言って横にずれた……。 老人の声の迫力から彼らがむしろ避難した印象だ……。 『もうー……、善悪を言ってない……。道を言うとる……』 とブツブツと、それでもはっきりと言いながら、 電車に乗り込む老紳士…………。 3人はこそこそと、話ながら皆が乗るのを横で待っている。 『スゲー爺さんやな……』 という声が聞こえてきた。 ……確かに凄い老紳士だ……。 乗り込むと、何事もなかったかのように、 席に座って背筋をしゃんと伸ばして、 前方の景色を眺めている姿…………。 かっこいいなと、思ったのは私だけではないと思う…。 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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