カテゴリ:考えさせられる話
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![]() 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 ![]() ^-^◆ 時代の進化の中で思う……孫の育成 [7/7・完] 夫「もう随分と以前のことになるがね、『何が相手の為か?』 というテーマで、二宮尊徳翁の教えに学んだ事がある」 妻「あの有名な、二宮金次郎さんね…………(^-^)」 夫「尊徳翁が実行した飢饉対策の中にこんなものがあったんだ。 まずは村人を、働く事ができる者とそうでない者に分けた。 その上でそれぞれに声をかけたんだよ。 前者にはできる限りの食糧を与え必死で働いて欲しいとね」 妻「はい、……で、働けない人たちには?」 夫「うん、老人や、幼い子供、病を得ているもの、 力の無い女性たちなどには、飢えをしのぐための最低限の 食料を配ることにとどめ、空腹に耐える忍耐を仕事と思って 村の為に協力して欲しいと……頼んだんだ」 ![]() 妻「!!!(゜_゜)」 夫「働けない人をも『助けてあげるべき存在』等とは決して 捉えないのが尊徳翁なんだね。それは彼らの内に、 自分が 『助けて貰わなくてはならない者』『弱い者』 『小さく役立たない者』等という意識を植え付けて しまうからね」 妻「…………」 夫「負い目や劣等感、或いは依存心や甘えといった、 全く生産的ではないものを芽生えさせるだけだからね」 妻「……確かに……」 ![]() 夫「『助けてあげよう』とする行為は、相手への親切どころか、 相手を受け手に閉じ込め相手の尊厳や主体性や誇りを奪い、 代わりに「もっともっと」「足りない足りない」 という欲求を芽生えさせていく行為だと、 尊徳翁は考えていたんだろうね……」 妻「言われてみればそうですね。 幼児の躾にも似たようなことが云えます……」 夫「こういう考え方の上に立っていたからこそ、彼は、荒廃した 村の再建に際しても、寄付金や補助金は一切導入すべきでは ないと捉え、村は村の力で、荒れ地は荒れ地の力で、 立ち直りゆく方法を練り続けたのさ」 妻「現代社会では、耳の痛い方が多いでしょうね。 あくまでも、人の尊厳を大切にされたんですね」 ![]() 夫「人を助けることはね。結局『こんなにしてやった!』 『助けてあげた!』という自己満足感を生み出すだけの 劣悪なる偽善だと考えていたらしいよ。凄いよね……」 妻「それって、現代でも『……のに』につながって、 対立の元になっていますね。『してやったのに……』 『助けてあげたのに……』……ってね」 夫「さっきも言ったけど、尊徳翁の見習うべきところは、 非力に見える人たちにも呼びかけている事だよね。 『空腹に耐えることを仕事だと思って協力して欲しい』 ってね……。どんな相手をも信じ、 仲間としての敬意を払っていて、ともに歩み行こうとする 気持ちが無ければ、出来る事ではないね」 ![]() 妻「とても大切なことに思えますよ。私たちの先輩は多くの 教えや実績を残されているんですね。 金次郎さんは、人間の尊厳を何よりも大切に考えておられた のかもしれませんね……。とても大事なことですね」 夫「うん、人が困っているなら助けることも大切だろうけど、 ただ、安易に助けることで相手の知恵や工夫を生み出す 機会や、成長する機会という、そんなかけがえのない チャンスを奪ってしまうかもしれないわけだからね」 妻「…………感動しますよ……」 夫「この話はね、尊徳翁が実際になされたこと自体にも、 深く感心するんだけど、その背景を麗しく思うんだよ」 ![]() 妻「……背景といいますと……?」 夫「周りの人に対する、深い関心と、愛だよ。 その心が行動の原点にもなっているよね。 孫たちに対しても、大いなる関心と愛を持って、 必要なら行動を起こすべきだと……考えているんだ」 妻「……昔の人は、偉いですねぇ」 夫「我々だって、こういう日本民族の歴史の上に立っているから 職業における道徳観や倫理観を大切にしている側面が あるのかもしれないよ。 ただ、そういうことを後輩につないでいかなければならない と考えたときに、様々な課題にぶつかるわけさ」 妻「その一つが、テンポの急激な変化なのね…………フム」 ![]() 夫「そう…………幼い子に関しては特にね。 我々もそのことを意識して、若いものを見ていないと、 日本民族は訳の分からない人種になって しまいかねないと……最近、危惧しているのさ」 妻「子供たちも親になって、 もう立派な大人だし、こんなテーマで、 少し話をしてみましょうよ。大切なことだと思うわ……」 夫「そうだな……。暮に集まった時にでも酒の肴に してみるかな……」 妻「ふふふっ……、やっぱり、酒が絡むのね。アナタはいつも」 夫「……当然!!!!!!! (^。^)」 <完> ※ どうもご愛読ありがとうございました ※ 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 ![]() ![]() ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 12年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ![]() ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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