カテゴリ:GNP(元気で・長生き・ポックリコ)談義
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人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ^-^◆ GNP(元気で・長生き・ぽっくりこ)談義 <病弱で学んだ「知らぬが仏(気にしない生き方)>【下】 「実はその頃、近隣のお寺で日曜学校というのがあってな……」 「えっ!日曜に学校ですか?」 「和尚さんが、日曜日に近隣の小学生を集めて、 道徳や、社会教育の様なものを、 遊びを交えてやってくれていたんだ。 唄や手品、踊りや、クイズなどがあってとても楽しかった」 「へぇーーー、地域の社会教育ですか……。 いいですねーー(^。^)」 「ある時な……。 全て終わって帰る時に、円城住職に呼び止められたんだ。 僕の態度が気になっていたらしい……。 円城住職は、指導して頂いている若住職の父上で、 『大和尚さん』と呼ばれていた……。 僕にとって絶対的存在の父が、唯一尊敬していた方で、 子供から見れば遥か雲の上の人だった……」 「へぇーーーー、そんなお偉い方に呼び止められたんですか? じっと、陰から見ておられたんでしようね……」 「うん……何もかも話したよ。すごく安心感の持てる方なんだ。 住職が言われるには、 気持ちが苦しい時『南無阿弥陀仏』と唱えなさい。 ただ、唱えるだけで良い。 それだけで楽になる。 と言われるわけさ……」 「『南無阿弥陀仏』…………?」 「僕にとっては『天の声』だから、素直に受け入れたね。 そして、説明して下さったのが、南無阿弥陀仏の意味だった。 南無はサンスクリット語のナーマスが変じたもので帰依する、 お任せしますという意味らしい。 阿弥陀は無量、計り知れないという意味。 仏は、悟りを得た人。 つまり、 『分かりませんので悟りを得た貴方に全てをお任せします』 ということだった」 「……先輩、分かりませんと言うのは?」 「うん、分からないとは……何が分からないのかというと、 自分が死ぬ時期だ。今日とも知れず明日とも知れず……だ。 例え健常者であっても、こればかりは分からないんだ……」 「ふーーーん。それで先輩はどうされたんですか?」 「恐怖が襲ってきたり、不安が募ってくると一心不乱に、 『南無阿弥陀仏』と唱えていたよ。 口に出さなくても、心の中で繰り返した。 不思議に……ホントに不思議に気持ちが楽になったもんだ。 流石、大和尚様だよ……(^-^)」 「それが純粋な信仰心というか、それに近いものですね。 心が楽になられたんですね……良かったですね。(*^^*)」 「中学生位になると『死』の意味が分かってくるじゃないか。 『我思う故に我有り』だ。余計に辛いわけだ。 『南無阿弥陀仏』の連続だったよ。 今でもその習慣は残っていて、有り難いと思うような折に、 『南無阿弥陀仏』が口をついて出てしまう。(^-^)」 「一種の暗示なんでしょうが、真に楽になるから良いですね。 先輩の……純粋に信じる力のなせる業でしょうね。 『知らぬが仏』に加えて『信じる者は強い』の体験ですね。 しかし、先輩はそんな素晴らしい方に巡り合って、 ついていますよ……」 「……うん、かもしれないなぁ……。お蔭さまだ……。 中学も三年生になると『就職』を考えるようになった。 高校まで行くと、家計に負担をかけるだけじゃなく、 その後、まもなく死んでしまうわけだからな。 父母に苦労かけるだけかけて死ぬ……そんなのは嫌だ。 ……と、思った。切に思ったよ。少しでも稼いで……、 家計を助けて、恩返しをしたい……と思って、 就職の説明会などにも出ていたんだ……」 「先輩、偉いですね。 子供の発想じゃありませんよ。死という、 極限の状況を突き付けられると人は成長するんですね。 ……で、高校には行かなかったんですね……」 「いや……それが行ったんだ……」 「ええっ、どういうことですか?」 「元担任の先生が自宅までお出でになって、 両親を説得されたんだ……」 「ええっ!!先生が…………ですか?」 「うん、『今時は高校までが義務教育の様な世相になっている。 将来の事を考えたら絶対に高校までは行くべきだ。 中卒で就職したら主にライン業務になる。体ももたない』 ってな……。僕は将来が考えられないから就職しようと 考えたんだが……先生には言って無かった」 「……で、ご両親は?」 「我が家は経済的にも苦しかったから、そういう話と、 息子の決意が固い……というような話をしたみたいなんだが、 『学費は自分が出しても良い』とまて言われて困っていた」 「凄い先生ですね……。でっ、翻意されたんですね」 「うん、実はなその先生……三年生のスタートの時まで 担任だったんだが、健康診断で引っかかって療養所に入院 されていたんだよ。僕の事を見舞いに来た生徒から聞いて、 30Km離れた病院から、抜け出して自宅に来られたんだ。 僕も、涙が出てな…………。先生の熱い思いに従ったよ」 「熱血教師ですね。今時では考えられないな…………。 善き時代でしたね」 「うん、大恩人だ。自らの本意とは違ったが魂を揺さぶられた。 確かに、肉体労働の仕事しか就職先も無かったし……な」 「経済的な面は……どうされたんですか?まさか先生が?」 「両親もそこまでは甘えられないよ。 とても有利な奨学金制度を紹介して下さった。それに、 親戚中の叔父さん、叔母さんが資金援助を申し出てくれた。 短い命だから……本音は、辛かったな…………」 「先輩、やはり『知らぬが仏』の方が、遥かに楽だったですね」 「うん、それは今でもそう思う。 近年は、ネットで何でも調べて知る事が出来るが……。 意思のしっかりした人なら大丈夫と思うが、僕の様な凡人は、 なまじ知らない方が元気で居られるという事が多い。(^-^)」 「……ですね……」 「この章は、一旦この辺で閉じようかな……(^。^)」 <続く> 人気ランキングに参加しています。良かったらお願いします。 にほんブログ村 ====================================================== ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 14年間蓄積した本ブログの一部を抜粋して本にしました。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中巻・下巻)』です。 それぞれ200円です。(^-^) AMAZON公式サイトで「愛ことば」で検索して下さい。 良かったら、どうぞ。よろしく、お願いします。 『愛ことば・心の散歩路(ビジネス編上巻・中・下巻)』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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