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テーマ:徒然日記(22706)
カテゴリ:コラム
都心部・中心市街地などにおいて地元食料品・日用品店の撤退した地区を「食の砂漠」という。
英語のFood Desertの直訳であり、単に「フード・デサート」と呼ばれることもある。 日本では2000年に大規模小売店舗法が施行され、郊外型大手大型スーパーの大量出店が地方都市を中心に展開された。 その結果、地方都市を中心に中小規模小売店舗の経営が厳しくなり、廃業や倒産が相次ぐようになる。 低所得者や高齢者を中心とした、自動車を持てない、住み替え能力の低い居住者は、公共交通機関で百貨店がある中心街へ行くことを強いられるようになる。 ところが、その中心街も郊外型大手大型スーパーの影響を大きく受けており、百貨店を中心に廃業や倒産が相次ぐようになる。 さらに、モータリゼーションの影響もあり、バスや鉄道を中心に路線縮小、廃止が相次ぐようになった。 中心街への買い物はおろか、郊外型大手大型スーパーへ行くこともままならなくなってきている。 そのため本当は買いたい新鮮な野菜・魚などは買えず、長持ちする缶詰やレトルト食品しか買えない。 今、そうした人たち(特に高齢者)が深刻な栄養不足に陥っている。 いずれ肺炎などのリスクを高め、脳率中などを引き起こし寝たきりの状態になる可能性が高いという。 自分たちの暮らす地域に新鮮な食品を買うことができなくなる、という「食の砂漠(FoodDesert)」。 ただ不便というだけではないのだ。 特に高齢者にとっては深刻な問題なのだ。 決して他人事ではない。 いずれ私も年をとって車を運転できなくなる時が来る。 近くで新鮮な野菜や魚を買うことができず、缶詰やレトルト食品ばかり食べていたら色々な病気に罹り寝たきりになるかもしれない...。 この問題の解決例としてあるテレビでイギリスのシェフィールド市を紹介していた。 この町のエドワード地区に暮らす高齢者がFood Desertになった。 転機となったのは1997年のブレア政権。 従来の市役所などを中心とするトップダウン方式から、市役所・企業・市民・大学・NPOなどが一体となって取り組むパートナーシップ方式に仕組みを換えた。 エドワード地区のお年寄りからは「とにかくお店がほしい!」との要望が。 エドワード地区に店を復活せせるには人の流れを復活させることが不可欠、と判断。 そんな時地元の大学からある提案が。 エドワード地区に新たな学生寮を建てたい。 この地区は撤退した町工場などの空き地があったので土地を取得しやすい、ということが背景にあった。 これを受け、年寄りの住む公団の周りに学生寮を建てた。 それにより再び人の流れを生み出す事に成功した。 その結果待望の新鮮な野菜や魚などを扱うスーパーを呼び込む事ができた。 一度、食の砂漠(Food Desert)になると新鮮な野菜や魚などを扱うスーパーや店を呼び込む事は大変難しい。 イギリスのシェフィールド市の取り組みが1つの成功例となるであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月05日 17時38分08秒
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