パーティー
無限の哀愁を含んでいる街。
城壁と太陽で乾燥しあるいは焼いた粘土でできた塔。
毒々しい色の造花が飾られた。
百万年の嘆きが巣喰っている、
映画で見る戦場跡のようだった。
傾斜はすでに嶮しくなり、
石が多くなり、
われわれは唐辛子のように鼻が赤くなり、
象牙彫りのような夜の広場に出ていた。
もうそこには銅像もなく、
絹ひものような流れ星があるだけだった。
だが、くさった屍体のようにどんよりと拡がっていた、
邪悪な瘴気は、石の匂い、冷たさ、荒れはてた感じと共に、
視界の蛇を生み出した。あとで通りにのこったのは、
煙突の残骸。
本当のことはもう忘れたけれど、
何とも気のめいる、背筋の凍る、子供を黙らせる、
そんな体験がいくつもあったはずなのだが、
すべて忘れた。
そのあとの夜、伝説が生きている奇妙な林で、
ビヤ樽のような腹に、酒を入れた。
しぼんだ恋の挽歌が聞こえていた。
漁火を焚く夜の浜辺を思い出した。
だが、本当のことはもう忘れた。
笛や太鼓の陽気な囃子。
慈悲深い母、厳格な父。
われわれは、そんなことさえも忘れた。
天使が管楽器を奏でながら、やって来た。
「あなた方は、あの時、死んでしまったのに、
いまでも――旅を続けるのですか?」と。
だが、われわれは旅を続けた。
しかし、旅の目的さえも、とうに、忘れた。
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詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a