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テーマ:猫のいる生活(136016)
カテゴリ:*** 神話・お話 ***
残念なことに、わんこそばは食ったことがあるが、
にゃんこそばには、いまだに出会ったことがない。 わんこそばで次々とわんこが差し出されるように、 にゃんこそばでは、文字通りにゃんこが次々と出されるのだ。 わんこそばの「わんこ」は「椀子」だから、にゃんこそばはない。 そう君は異論を唱える。 君はわかっていないのだ。 にゃんこはあくまでにゃんこであって、にゃんこ以外の何者でもない。 にゃんこそばでは、客は出されるにゃんこに抱きつき、もふもふを堪能する。 抱きつく腕を緩めるや否や、さっと新たなにゃんこが差し出される。 にゃんこそばは、そういうスピード感もあるものだ。 だが、にゃんこそばでは、止め時が難しい。 わんこそばでは椀の蓋を閉じれば終わるが、にゃんこそばでは蓋がない。 それ以前に、もふもふを楽しむ客には止める意思がないから、 にゃんこそばには止め時が存在しない。 やはり、にゃんこそばには、制限時間が決められているのだろう。 それは10分程度の微妙な時間で、終わり際には、 こちらにもかわいいにゃんこがいますがいかがでしょうかと、 店は延長の誘いをかけるに違いない。 さらには肉球に触れることは禁止され、触れれば即中止と、 厳しいルールも決められているかもしれない。 おそろしいことだ。 わんこそばが過食の罠であるように、 にゃんこそばには、客を悶え死にさせようという殺意が秘められている。 そういえば、江戸の頃には、にゃんこそば禁止令が出されたという噂が あったりなかったりするという。 あぁ、ますます、にゃんこそばに出会いたくなった。 これだけぼくがにゃんこそばの魅力を語っても、 君はにゃんこそばを否定するのか。 君は言う。 にゃんこはともかく、にゃんこそばには「そば」がないではないかと。 一体、何を言っているのだ、 にゃんこそばの「そば」は、「傍」に決まっているではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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