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家曜日~うちようび~

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2020.05.05
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緊急事態宣言が5月31日まで延期されましたね。

5月6日の期限に、解除出来なかった。

解除出来なかった原因は何だ? いったい誰の責任だ?

ちゅうお話に、当然なる訳っすけど・・・。

政治家のせいだ!官僚のせいだ!いいや、本当は誰も悪くない、悪いのはコロナだああ!

ちゅう理論展開に、安易になりがちっすけど・・・。

何を言わんや、ごまかしてはいけない。

自粛生活の実行者は、どー考えても僕たちです。

期限通りに解除出来なかった原因は、どー考えても僕たちにあります。

僕たちの一か月に及ぶ自粛の成果が、これです。

正直、国に対して、浴びせたい罵詈雑言は山ほどありますが、

県や市に対して、ハラワタがボコボコ煮えくり返る思いではありますが、

成績のかんばしくなかったチームの選手たちが、

その責任の全てを監督のせいにするのは見苦しくないっすか?

実際にプレイしたのは、選手ひとりひとりなわけですし。

実行者である僕たちの力不足だったことは、否めない。


でさ。


そうなってくると、

そんじゃあさあ、チームメイトのうちの誰の責任?

ピッチャーが悪かった? 四番が打たなかった? ショートがエラーした? 

あいつか? そいつか? いったい誰がチームの足を引っ張った?

なんつって、仲間内で、行き場のない怒りに駆られたりするわけです。


はて。

さて。

では。


今回の緊急事態宣言を延期させた、真犯人は誰でしょう?




僕は今から十数年前、今の会社の一介の現場作業員を経て、業務管理の部署へ配属されました。
管理の右も左も分らん若僧が、その時社長から直々に命令された激務のひとつに、
会社の「資材倉庫の管理」があった。
当時、うちの会社は、管材や衛生器具を大量に自社倉庫に保有していて、
その管理体制が雑の極みで、過剰在庫、不要在庫、壊れた電動工具、ゴミ、ホコリ、危険物の山だった。
何しろ「資材倉庫は職人たちの砦だ!営業や管理がガタガタぬかすな!」という、
旧式の考えがまだ色濃い時代だったので、社長も手を焼いていたのであろう。
その業務改善の捨て駒として、激務に消耗していつ辞めてもらってもOKな僕が選ばれたわけである。とほほ。

先ず、過剰在庫を減らすために、僕が打ち出したのは、
「職人は各自、その日必要な材料を、その日必要な分だけ、毎朝、材料問屋に取りに行く」
という案である。これには、職人たちが猛反発した。
「朝の忙しい時に、そんな時間はない!」
「材料問屋に取りに行く経費を考えろ!そんなことしたら会社が潰れるぞ!」
というのが、職人たちの言い分だった。
時間がない筈はない。当時職人たちは朝礼が終わり、現場へ向かう準備を会終えた後、
喫茶店でコーヒーを飲んだり、コンビニに寄ってジュースを飲んだりする不明な時間があった。
職人たち曰く「情報交換、ミーティング、コミュニケーションの大切な時間」とのこと。
僕はその時間を問答無用で廃止してしまった。そんなことは、朝礼を終えたのち、速やかに会議室ですればよい。
「コーヒーぐらい飲ませろ、鬼!」と罵られたので、お言葉通り会議室に自販機を備えた。
こうして喫茶店やコンビニでくっちゃべる無駄な時間を廃し、
浮いた時間で毎朝問屋に材料を取りに行ってもらうことになった。
それでも数年、職人たちからの猛反発は続いた。
「俺たちはべつに、毎朝問屋へ行くのが面倒臭いから言ってんじゃねーんだ!会社の為を思って言ってんだ!」
とのことだった。正直何言ってるかよく分んなかった。
短気で血気な職人たちである、あからさまに意地の悪い態度をとったり、なかには暴力をふるったりする者もいたが、
それでも僕は譲らなかった。
その結果、それまで棚卸の集計時400万ほどあった倉庫の在庫を
前期集計では、150万弱に抑えるに至っている。
無論会社は潰れていない。むしろ売り上げは上り調子だ。

倉庫の掃除や整理整頓などの環境美化については、
「自分のゴミは自分で片付ける。他人のゴミも自分で片付ける」
という基本方針を打ち出した。
社員全員が、他人の出したゴミを当たり前のように黙って片付ける社風があれば、
瞬く間に環境美化は完了する。以上。というのが僕の考えだ。
これについては、職人のみならず、一部の管理者からも反発が出た。
「根本的改善にならない。散らかした本人に片付けさせないと、本人のためにならない」
とのこと。彼らはその為に、他人のゴミはあえてスルーするのだと言う。情けない。
僕の根本的改善とは、倉庫が物理的にキレイになることだ。ゴミが物理的に無くなることだ。
ところが、彼らの根本的改善とは、犯人を見つけ出し、改心させることらしい。
まったく、タバコのポイ捨てを発見したら、その銘柄から犯人をあぶり出すような、
程度の低い管理を続けているから、いつまでたってもポイ捨てが根絶しないのだ。
社員がタバコなんぞ吸おう・捨てようという心理に微塵もならないキレイな環境を早急に作り、維持する。
そのためには、他人の出したゴミを放置するのは損だ、さっさと片付けるに限る、のだか・・・。
あまりに皆が「本人のため」とか何とか、ねじれた精神論で反撃してくるので、
んじゃあ分かりました、と、しばらくの間、毎朝礼時に社員持ち回りで、
「職場の環境美化」についての自分の考えを、堂々と述べてもらうことにした。

いや~、素晴らしい発言ばかりだった。

みんな真剣に職場の環境美化について考えていた。

誰も彼も、決してその場をしのぐ為の嘘をついているようには見えなかった。

みんな心から会社のことを考えていた。

・・・では、いったい誰が、あんなに倉庫をぐちゃぐちゃに散らかしているのだろう?

・・・真犯人は誰だ?


僕は、この時、やっと気が付いた。


犯人は、いない。

同時に、犯人は社員全員なのだと。

そう、犯人は「集団」という巨大な生き物なのだ。

管理者として、改善するべきは、個人ではない。

個人が集まって、ひと固まりになった「集団」だ。

例え、各個人が善良だとしても、

その善良な個人が集まって「集団」となった時に、

必ずしも、その「集団」が善良であるとは限らないのである。

人は集団になった時、各個人個人の意思とは全く別の意思を持つモンスターになる。

結局のところ、自分だけ、自分なりに、完璧に環境美化に貢献しているつもりの社員たちが、

集団というモンスターと化し、無自覚にせっせと職場環境を汚していたのである。

その後僕は、環境美化については、集団という生き物と共存する対策に切り替えた。
方法は簡単で、
①毎週月曜日の朝礼までに、僕が倉庫の汚れの目立つ場所の写真を撮り、A3用紙に印刷して黒板に貼りだす。
②週ごとに社員が持ち回りでリーダーとなり、リーダーの呼びかけのもと、原則社員みんなで写真の場所を清掃する。
③週末までに実施し、リーダーは完了全景写真を撮影し、僕のPCに送る。
④完了写真を黒板に貼りだし、朝礼時に着前写真と並べて、社長と社員みんなで成果を確認し合う。

あえて朝礼という公の場の、個人が集団という生き物と化す時間に、環境美化の成果を共有するのである。

キレイになった良い成果だけを、ひたすらひたすら共有し続けるのである。

集団という生き物の頭を、みんなで撫で撫でして、褒めてやるかのように。

今じゃ、うちの倉庫は、同業他社に自慢したいぐらいピッカピカっすわ。




さて、長々と横道に逸れた話を、元に戻します。

緊急事態宣言を延期させた、真犯人は誰でしょう?ちゅう話でしたね。

僕は、犯人は「集団と化した日本国民という生き物」だと思います。

国民一人一人に焦点を絞れば、みんな真面目に精一杯やっているんです。

国民一人一人の声を聴けば、みんなこの国の為に頑張っているんです。

自分なりに、自分だけは、自分の解釈で、自分の出来る限りのことを、やっている。つもり。

この新型コロナウイルス禍において、
連日メディアで叫んでいる有識者やタレント、SNSで自分を発信する意識の高い国民など
いわゆるノイジーマイノリティと言われる人達は、文字通りほんのほんのほんの少数派で、
国民の生き物としての生態は、サイレントマジョリティー「物言わぬ多数派」が体を成している。
では、政府や官僚や有識者、少数の力ある者たちが、
その物言わぬ多数派を、自分たちの都合よく操っているかというと、
実際のところ、それは真逆で、
この国の未来に大打撃を与え、この国の未来のカギを握り、この国の未来の舵を取るのは、
いつも物言わぬ多数派の、声なき声であり、行動なき行動であり、意思なき意思なのである。

マスクを爆買いするため、朝から行列を成すおばさん。

要請は命令じゃないでしょ?と、歓楽街で飲み歩く若者。

レシャー気分で、スーパーへ買い物にくる家族連れ。

きっと人が少ないだろうと、無名の観光地に密集するドライバー。

長い連休のたった一日ぐらいと、バーベキューを大勢で楽しむ親戚一同。

などなど。

そういった「物言わぬ多数派」の無自覚な行動が、
常に新しい制度や対策を必要とさせ、この国の政治や経済を左右させ、
指先で簡単に、この国の未来を突き動かしてきたのである。

恐るべきは、物言わぬ多数派。

集団と化した日本国民というモンスターである。

では、これから僕たちに何が求められるかというと。
これからは「自分なりの自粛」というレベルから。
「日本国民としての自粛」というレベルへと、意識を高める必要があるのかなと。

少なくとも、これまでの僕に足らなかったところは、そこだったかなと。

そもそも日本人は、集団意識に長け、集団行動を得意とする民族なので、
国民という巨大な生き物の、何十億分の一の分子として、自分がいかに行動すべきか?
という想像力は、潜在的に溢れるほど持ち合わせている筈ではないのかなあ。

いやはや、今月末が楽しみだねえ。

まあ、この先、自粛要請では何ともならない最悪の事態となり、
僕たち国民が国に対して、まるで個人の自由ばかりを重んずる国民性の諸外国のように、

私たち個人主義の徒は、集団となると自分でも何をしでかすか分からない!
私たちのような自由な国民を、どうか野放しにしないでくれ! 
だからロックダウンしろ! 要請から強制にしろ! 法で縛れ!
守れぬ者は罰しろ! 警棒で殴れ! 火炎放射器で追い回わせ!
そしてどうか、補償だけはしてくれ!

と、心から国にお願いする時がくるのかもしれない。

・・・まあ、それならそれで、しゃーねー。

・・・いささか、悔しいけれど、しゃーねー。

きっと、その時、その瞬間こそ、

「日本人の精神」が滅ぶ時。

日本国民という巨大な生き物が、

どうと倒れて滅ぶ時なのだ。



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最終更新日  2020.05.07 12:59:13
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