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2019.12.30
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テーマ:俳句(532)
カテゴリ:詩歌・名文
夜の雪
降る雪や 明治は遠く なりにけり

中村草田男

草田男がこの句を発したのは昭和になってからでした。
当初は、随分と時間をかけたんだなぁと感じましたが、後年になってその意がわかりかけました。
思いを芸術に高めるには、「発酵」の時間が必要だったのだと。
(略)
濃密な明治を際立たせるために、大正は無視しようと。

「昭和よ、」と平成を切り捨てた着想は中村草田男先生からの流れなのです。(略)

なぜ平成を飛ばしたのかと問われると、平成には「匂い」がなかったからと言うしかない。
30年間という短くない歳月であったが、平成には特別な感慨がない。
(「昭和よ、」より)
昭和よ、
「さらば、平成」と、惜別の思いを綴ろうとしたら、脳裏に浮かぶのは昭和の出来事ばかり。
戦争、復興からバブル景気まで、著者が生きた昭和は激動の時代だった。
本書では、昭和を振り返りながら、82歳のいま思うことを、一人語り調文体で自由奔放に綴る。
世相・文化・芸術・社会について愉快・痛快に論じるエッセイ集。
 「草田男」という号は、父親の急逝後も神経衰弱で東大を休学する草田男に業を煮やした親戚が、
「お前は腐った男」と面罵(めんば)したことに由来する。
無垢な魂がもたらす激しい精神的葛藤に苦しむ草田男が、そこから「逃避行」するために探り当てたのが俳句であり、昭和3年、27歳で本格的に句作を始め、虚子に師事した。
 ■いとおしさ覚える時代
 〈降る雪や 明治は遠くなりにけり〉は昭和6年、中村草田男の句だが、本書を読むと、昭和もまた、歴史になりつつあることがしみじみと感じられる。
 昭和10年生まれの芸能・演劇評論家の著者が、交流のあった文人、芸人たちを描いた近年のエッセーを収めた。
俳優の小沢昭一は「生きてきた昭和という時代の記憶だけで充分商売していける」と言ったそうだが、ひとつの時代を生きた矜持なのだろう。
著者が描くのも、デジタルでは割り切れない、アナログな手触りのある世界だ。
 銀行振り込みどころか〈いつもピン札の原稿料が現金書留で送られてきた〉時代が、生き生きと語られる。現代人が「電子マネーでキャッシュレスに」何でも手に入れることへの違和感を示唆するようだ。
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Last updated  2019.12.30 00:17:44
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maki5417@ Re:「光る君へ」定子&清少納言「香炉峰の雪」(04/22) 香炉峰の雪 雪のいと高う降りたるを、例…
天地 はるな@ Re[1]:大河ドラマ「光る君へ」と百人一首(03/04) maki5417さんへ 「源氏物語の女君」私も…

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