新月譚 貫井徳郎
★★★突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。執筆復活を願う編集者に対し怜花が告白した衝撃の物語。甘美で残酷な究極のラブストーリー。新月譚2012年4月発行 文藝春秋【内容情報】(「BOOK」データベースより)八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だったー。感想 ★★★ 読後、こういうお話だったのかと改めてびっくり。 ミステリーだと思い込んでいたので。 560pの分厚さだが 短いセンテンスがぐいぐいとこちらに迫ってくるので、 テンポ良く読めた。 8年前に絶筆した女性作家の内面。 新月は見えないけれどそこに確かにあった。 女性作家はどうして小説を書き始めたのか、 どうして作風が変わったのか、 どうして筆を折ったのか。 それら全てに関わる一人の男性。 その男性との恋愛は苦しいことの連続だったけれど、 彼と巡り合えたことは 彼女にとって幸せだったと思いたい。 小説を書く手法や編集者との付き合い、 なども盛り込まれていて興味深かったです。 怜花(=女性作家)の書いた小説を読んでみたい。