一匹羊 山本幸久
★★★☆一匹羊2011年10月発行 光文社 259p【内容情報】(「BOOK」データベースより)縫製工場に勤める大神は、若いころと違って事なかれ主義で働いていた。そこに、職場体験に中学生がやって来る。年下の同僚とともに、中学生の面倒を見るはめになった大神。そこで、ある問題が生じてー(「一匹羊」)。OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。表題作ほか、7編を収録。【目次】(「BOOK」データベースより)狼なんてこわくない/夜中に紫葉漬/野和田さん家のツグヲさん/感じてサンバ/どきどき団/テディベアの恩返し/踊り場で踊る/一匹羊感想 ★★★☆ 8つの短編が入った連作ではない短編集。 どれも主人公が新たな一歩を踏み出そうとするラストで、 普通の人で今がうまくいってなくても 状況を好転させるのは自分の心持次第、っていうところが 勇気をくれます。 やっぱり山本さんの作品は読んでて気持ちがいい。 表紙もかわいいです。 「狼なんてこわくない」 遠いところにいるBFに深夜バスに乗り 会いに行く女子高生。 彼女が車中で出会った女性との話がはずむ。 「夜中に紫葉漬」 居酒屋でバイトしているフリーターのナオトが 一緒に働いている劇団員のトリイを見て思うこと。 「野和田さん家のツグヲさん」 田舎でスイミングスクールに通う小学生男子と ぶらぶらしている30代男性ツグヲさんとの物語。 「感じてサンバ」 小さな島のキャバクラで働いている ミナコちゃんとユイちゃんが なぜか小学校で「まつけんサンバ」を指導する。 「どきどき団」 こどもに昔ながらの遊びを教える「どきどき団」に入った フネコさん(お手玉が得意)と夫との闘い。 「テディベアの恩返し」 漫画家志望だった鮒村敦が高校の同級生だった 熊田と再会し、昔の夢を思い出す。 「踊り場で踊る」 インテリアショップの店員・鮎川は うまくいかない毎日にうつうつ。 そんな中、徘徊老人と話し、彼女の踊りを見ることで 仕事に喜びを見出す。