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カテゴリ:小説関係
なんでかわかりませんが日曜日に久しぶりに半村良が読みたくなって、読んでしまいました。おかげで寝不足zzz。
『戦士の岬』『戦士の岬』はもともと「春風岬」という題で「別冊小説新潮」の1975年10月15日号と翌76年1月15日号で掲載されたはずです。自分で書誌を調べたくせに自信が無いけどページ数的にそんなもんじゃろ。別冊だから50ページくらい書いてるしね。 物語のプロット的には伝奇ロマンの伝説シリーズ的な手法です。広告屋というかその方向でくすぶっていた若者たちが千葉県の某所の開発の話に関してクビを突っ込んだところから話は動き出します。 開発地として売り出そうとする土地に、江戸時代の政治状況を絡めた歴史の闇ををでっち上げて関連付けをさせようとします。それはキリシタン大名「有馬晴信」(のはず)と豊臣家嫡男「豊臣秀頼」、家康の6男「松平忠輝」と黄金の男「大久保長安」、支倉使節団を出した「伊達政宗」、南総「里見家」をつなぐ陰謀の虹を春風岬に描こうとします。 この作戦自体に満足していた彼らに、意外な魚が引っかかってきます。それが日銀ダイヤでした。 登場人物が描いた虚構がそれ以上の現実(作品的なね)によって飲み込まれていくところがこの作品の面白いところです。そういった意味では「嘘部シリーズ」につながる手法も見えますし、歴史的虚構が現実を飲み込むところが伝説シリーズに見えてきます。(伝説シリーズの場合は古代ですけど) 特にこの徳川包囲網に関しては 『慶長太平記』でも描かれていたりもします。 それ以上に面白いのは、当時の空気を伝える登場人物でしょう。今の広告業界には無いまだまだアンダーグラウンドな雰囲気と、活気はいまのこの業界には無いものです。これ自体は半村良の広告業界で感じた空気を伝えるいい作品ではないかと思います。 あー、いまいちよーわからん解説やなー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年01月24日 08時00分13秒
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