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「計量計測データバンク」ニュース

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2018年07月01日
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重力の測定方法

 重力の測定には、絶対測定と相対測定の二種類の方法があります。

 絶対測定は、ある場所の重力値をその場所だけの測定で求める方法で、「絶対重力計」を用いてその場所の重力値を測定します。

 一方、相対測定は、複数の地点の重力値の差を測定する方法で、ある地点の重力値を求めるために、重力値が分かっている場所からの重力値の差を「相対重力計」を用いて測定します。

 国土地理院では、これらの組み合わせにより全国の重力値を測定しています。この重力値は、日本重力基準網として誰でも正確な重力値を利用できるとともに国際重力基準網の構築にも利用されています。

絶対重力測定

 真空中で物体を静かに手放すと、物体は地球の重力場に従って地球の中心方向へ向かって自由落下します。その落下距離と落下に要した時間をたくさん測って平均することで重力加速度が求まります。この方法による重力加速度の測定の方法を落体自由落下方式といいます。

 物体の落下距離は、レーザ光の干渉を利用して測定します。レーザ光の干渉でできる縞模様は、光路差が光の波長の半分ずれる度に明暗が入れ替わります。
これを利用して、落下する物体の距離を測ります。

 まず、レーザ光を自由落下する物体に入射させ、反射してくる光を参照光と重ね合わせます。次に、物体の落下につれて光路差が次々に変わるため、それに伴って反射した光と参照光が干渉して縞模様が次々に現れます。最終的に、この縞を数え上げることで位置の変化量(落下距離)をつかみます。また、落下に要した時間は、原子時計を使って正確に計測します。

国土地理院で使用している絶対重力計

 国土地理院は、3台の絶対重力計FG5(エフ・ジー・ファイブ)〔アメリカのMicro-g-LaCoste社製〕(104号機,201号機,203号機)を所有しています。

 FG5は運搬が可能な自由落下方式の絶対重力計です。この重力計は重力加速度を2μGalの精度(公称精度)で求めることができます。


絶対重力計FG5
(国土地理院で使用している絶対重力計「FG5」の写真です)

相対重力測定

 相対測定とは、ある点と別の点の重力値の差を測定する方法で、相対重力計を用いて重力値の差を測定します。

 相対測定では重力値そのものはわからないので、重力値のわかっている点と重力値の差を計ることでその点の重力値を求めます。

 国土地理院ではスプリング型重力計という相対重力計を使用しています。

 スプリング(バネ)に「おもり」をつり下げると、スプリングの伸びと重力がつりあったところで静止します。重力が違うとスプリングの伸び方が違うので、その差を計ることにより重力差を求めます。

 スプリング型重力計は、小型で測定が簡単ですが、スプリング材質が変化する欠点があります。

 スプリングは時間とともに少しずつ伸び、重力値が増加したように測定されます。これによる測定値の変化をドリフト(drift)とよび、この変化が小さく、時間に比例すれば、その比例関係を補正してドリフトを消去することがでます。

 また、重力計にショックを与えたりするとテア(tare)とよばれる不規則な変化が生じることがあります。これを防ぐため、重力計の運搬や取り扱いには注意を要します。

国土地理院で使用している相対重力計

 国土地理院では、ラコスト重力計(LaCoste&Romberg gravimeter 制作者がフランス人なので、ラコストと発音する)を使用しています。

 この重力計の特徴は、スプリングの斜めつりです。零長スプリング(zero-length spring)を斜めにつり、テコ機構により支えています。

 重力の増減によっておもりが上下してスプリングが伸び縮みします。この伸び縮みを測定ダイアルの回転数で計って重力値の差を求めます。


ラコスト重力計
(国土地理院で使用しているラコスト重力計の写真です)


(本稿は国土地理院の「重力とは」の文書を元にしております)


任意の地点の重力推定値を求める






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最終更新日  2018年07月01日 10時31分15秒
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