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カテゴリ:計量と計測を考察する「計量エッセー」
計量管理とは何かを懸命に問うた一人の技術官僚
Technical bureaucrats who struggled with the theory of quality managementl 技術者たちに産業現場での計測管理の実績を書き出させ、これを活動業績とさせることで、 経営者から一目置かれ、同時に経営者を説き伏せる計量管理の実践活動を押し広げようとした。 計量管理とは何かを懸命に問うた一人の技術官僚 計量管理とは何かを懸命に問うた一人の技術官僚 ウソ(オス) オスは頬(ほお)が赤く、メスは胴体と同じ薄茶色。 2023年4月21日、9:06 高原にて撮影。 全長15.5cm。スズメより一回り大きい。人間が吹く口笛のことをオソと呼び、この鳥の鳴き声が口笛のようなのでウソとなったというお話しになっている。一般的には漂鳥。冬になると海外から渡来してくることも確認されている。冬は人家の近くにも姿を見せ、エサ台にもあらわれる。 (タイトル) 計量管理とは何かを懸命に問うた一人の技術官僚 (本文) 1970年代から1980年代にかけて計量管理とは何かという問いを自分から発して、これの答えを求めようとして奮闘した人がいた。この人は愛知県の適正計量管理事業所(当時は計量器使用指定事業場)で活動する計量専門の技術職が社内で大手を振って仕事をすることができるようにするにはどうしたらよいか、を懸命に考えた。技術者たちに産業現場での計測管理の実績を書き出させ、これを活動業績とさせることで、経営者から一目置かれ、同時に経営者を説き伏せる計量管理の実践活動を押し広げようとした。 研究会に参加する技術者たちに難題を押しつけ、その実践事例を無理やりにでもださせる活動に、愛知県の適正計量管理事業所の計量士たちは我慢強く食らいついた。この研究活動は何時しか統計手法と呼ばれるようになる。この研究会がやっていたことは世の中では2000年代に突入すると品質工学とやされるようになった。研究会を主宰し技術者の尻を叩(たた)いた人は国立の計量研究所機関の技術官僚として働いており、のちに幾つかの国立大学の教官の職にあった。 国立研究機関でこの人が行った刃物の切れ味を計量的に表現する研究は、その後に関市の工業用の有力な刃物メーカーが実現している。刃物が和紙にどの程度の力でどの位の時間とどのような角度で切り込むかということで、切れ味を現すようになった。刃物の硬さ、そして粘り、刃の鋭角性などによって切れ味が変わる。量として抑えにくい事柄に確かな答えを求めようとした研究の行きつく先が田口玄一氏を基にして、日本におけるその最大の理解者にして、産業分野への適用に普請したのがここで取り上げている研究者にして技術官僚であった。経営者に計量管理を理解させよ、という勇ましい言葉にたじろぐ計量士は多かったはずだが、向う見ずにもこの行動にでた者もいた。行動の程度はさまざまであるにせよ、計量管理活動に自信をもって社内で大手をつって行動することへの、大きな励ましにはなった。 産業における計量管理の経済性はどこにあるのかということで、計量管理の経済効果を数値で表現することを求められると身を縮めてしまうかもしれない。居直って計量管理がなされなかった場合に企業と社会が被る経済損失の大きさはどの程度かと言い返せばよい。鉄鋼業、自動車産業における計量の数値を意図して胡麻化した結果の企業と社会の双方の損失は大きい。鉄鋼の性能を表示する数値を誤魔化す、自動車エンジンの性能を表示する誤魔化すことで、幾つもの企業が取り返すのに何年も要する痛手と損失を被っている。 計量技術を通じて社会の生産性を上げ、企業の発展と国民福祉の向上を実現することを理念として活動したのが田口玄一氏とこの技術官僚の二人である。計量管理とは何か、というこでの平易な言葉での定義がこの二人によってされたか、どうかの検証には本稿執筆の技量は及ばない。狭義の計量管理とは計量標準のトレーサビリティの実践とその技術的な関連における計量器の検査と、ものの状態に応じた正確さの確保である。広義の計量管理とは何か。飛躍して表現すると品質工学の実践であり、品質工学が計測に求めることは必要な度合いの正確さの実現に帰する。製造活動と社会活動において無用な動作を省く、そのことが社会と個人と、その両者ともに自己の自由と幸福を拡大することになることを田口玄一氏懸命に説いた。 田口玄一氏は後に品質工学として体系化される技術分野の理論を早い段階で築き上げて、965年4月からは青山学院大学理工学部教授として着任し、統計学、経営工学を教えていた。田口玄一氏の活動を幾つかの言葉で表現すると実験計画法、直交表、SN比、損失関数、マハラノビス距離である。これらの最大の理解者であったのが国立の計量研究機関に勤務する技術官僚である。1931年(昭和6年)5月13日、東京都新宿区生れ。1955年、東京大学工学部卒業。1956年工業技術院計量研究所へ入所。1971年に「ロックウェルかたさ試験機の精度向上に関する研究」で東京大学より工学博士の学位を取得。1991年宮城教育大学教育学部技術科教授、1994年電気通信大学電気通信学部機械制御工学科教授、1999年から2007年まで東京電機大学客員教授を歴任した。その人の名は矢野宏。同氏の計量管理への関わりの一端にふれて計量管理関係者の一層の活躍のために刺激を試みた。 2023-07-24-technical-bureaucrats-who-struggled-with-the-theory-of-quality-managementl- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月26日 00時00分11秒
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