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テーマ:ご当地グルメ(4535)
カテゴリ:ご当地グルメ
福井県越前市の隠れたご当地グルメだった「ボルガライス」に目を付け、市の名物に押し上げた。本職は越前市役所職員で、予算ゼロで米5キロを3カ月間、生活困窮者に無償で提供する「越前市わかちあいプロジェクト」を組織するなど多岐に渡る活躍を見せる。 生まれも育ちも越前市。地元の大学に進学し地域に密着したまちづくり活動に励んだ。「地域の人といつも一緒にいたのは市役所の人だった」ことから市職員を志して入庁した。 勤務する中で、まちづくりに関して活動内容よりも「補助金はいくらでるのか」といった問い合わせが多いと感じた。「学生時代はカブトムシを捕まえて祭りで売ったり、協賛を得たりして資金を作って楽しく取り組んでいた。本当に補助金がないとできないのか」 自ら証明しようと、市職員としてではなく「日本ボルガラー協会」の会長「ボルガチョフ」として2010年からボルガライスの普及活動に取り組む。 普及活動続け全国級の味に オムライスにカツを乗せたボルガライスは40年ほど前からずっと市内の飲食店5店舗のみでひっそりと提供されていた。その魅力を紹介するホームページを開設したほか、同市出身の劇画家、池上遼一さんが手掛けたポスターでPRした。私費で活動していたため、ポスターの制作費は1口1000円で周囲に協力を募り、約70人から賛同を得た。完成後には市内の至る所に貼ってもらい、注目を集めていった。最高で市内20の飲食店でメニューに加わり、海外でも提供されるほどに。機内食での提供や専用ソースの発売なども実現し、全国級の味となった。「企業や市民が一緒になって取り組んでくれるおかげで名物として定着するようになった」 ボルガライスを通じて得た「自分のできる範囲で活動すること」が生かされたのが「わかちあいプロジェクト」だった。社会福祉課で生活保護などを担当する中で、「生活困窮者は限界が近くなってから相談に来る人が多い」と感じ、いち早く把握するために公共料金の支払い催促状に相談窓口のお知らせを添付。さらに食糧支援が必要な人に米を無償提供する仕組みを整えた。JAに呼びかけて余剰米を寄付してもらい、配達は郵便局に協力を依頼するなど「予算なしでそれぞれが負担できるところをお願いした」という。 「考えに対して『いいよ、やってみよう』と協力してくれる人がその都度周りにいた」と振り返る。これからも土壌づくりに力を注ぎ、おもしろい街にしたい。【横見知佳】 波多野翼さん 1984年生まれ。2019年の「地方公務員アワード」受賞者。3児の父で子育て講座の講師も務める。子育て経験を基にして作った絵本「いなくなれ おばけのバッチン」(19年)はアマゾンなどで発売中。売り上げは生活困窮者に寄付される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月29日 09時40分21秒
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