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2021年01月07日
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カテゴリ:ご当地グルメ



ひんやりとした食感とみずみずしさ。夏の季語でもある「水ようかん」は、暑い日に涼を求めて食べるイメージだ。しかし、県内では、冬にこたつに入って楽しむスタイルが定着している。その背景には、寒さの厳しい雪国ならではの事情があるという。

 「寒さが天然の冷蔵庫だったんです」。水ようかんを研究する福井市の久米田賢治さん(59)が教えてくれた。糖度が高く保存が利くことから、近年、災害時の非常食としても注目されている「練りようかん」と比べ、砂糖の量が少なめの水ようかんは、あまり保存に適さない。「傷まないよう、冬場は食品を縁側などに置いておくという生活の知恵があったんです」とする。

 では、なぜ、水ようかんなのか。諸説あるが、江戸時代に京都で丁稚でっちとして働いていた子どもたちが、正月に合わせて帰省する際に奉公先から土産として持たされた――と聞くと、大野市などで「丁稚ようかん」の呼び名で通っている理由がわかる。県特産品の情報発信などを担う県ブランド課の担当者は「寒さが厳しく、冬の働き場が限られていたことから、丁稚奉公に出す家庭が多かったのでは」と話す。

遠く離れた土地で厳しい奉公に耐える我が子、孫と久しぶりに会えた喜び。「水ようかんを食べることは、そんな家族の気持ちと深く結びついていたのでしょう」とする。持たされたのがようかんそのものではなく砂糖や小豆で、大家族で食べるために水で薄めてようかんを作った、との説からは家族間の思いの深さを知ることができる。

 丁稚奉公という商習慣がなくなり、冷蔵・保存技術が進んだ現代でも、水ようかんの季節感は守られている。県内のスーパーでは、寒さが厳しくなるにつれて販売コーナーが広がり、様々なパッケージが売り場を彩るようになる。

 1951年創業の久保田製菓(福井市南四ツ居)でも、水ようかんの製造は11~3月の約5か月間限定だ。3代目久保田晃仁社長(36)は「取引先から『夏場も作ってほしい』と言われることもあるが、冬に家族で味わうという伝統を守っていきたい」とこだわりを話す。

 そんな伝統に触れてみたいと、昨年12月下旬、3世代で暮らす越前町の山下未知代さん(35)宅を訪ねた。「水ようかんの周りには自然と人が集まってくるんです」との言葉通り、集まった親戚を含めて17人が食卓を囲んでいた。

 箱に入った水ようかんを木べらで丁寧に切り分けながら、「物心ついた時から冬になると家族で食べている。これがないと冬が始まりません」と話す山下さん。おいで小学5年の力輝りき君(10)も「みんなで食べると、よりおいしく感じる」と満面の笑みだ。

 「つるん」とした舌触りの奥にあるのは、優しい甘さと家族のぬくもり。こたつに入り、たわいもない話をしながら食べる時間は、それぞれの家庭にとってかけがえのないものなのだろう。









 






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最終更新日  2021年01月07日 10時23分37秒
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