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偐万葉田舎家持歌集

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2021.01.20
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カテゴリ:友人ほか

​​​(​承前​)
 前頁記事の続きです。
 昼食場所としたのは、東古御香町公園という小さな公園。
 3本のケヤキの木が印象に残る公園でありました。
 古御香町という名前が気になって帰宅後に調べると、豊臣秀吉が伏見城築城に際して、城内鬼門除けの神として、御香宮をこの付近に移転させたことに関係していることが分かりました。
 秀吉没後に、徳川家康によって、神社は元の地である現在地に戻されるのであるが、地元の人たちはこちらの神社を古御香宮と呼んだという。その古御香宮は、御香宮神社のお旅所として今も守られているとのこと。

(御香宮神社御旅所<古御香宮>とコース略図)
 その古御香宮の位置を示すと上の地図の通りです。
 黒田長政下屋敷跡参考地から八科峠道標、仏国寺前、東古御香町公園という道を進みましたので、その存在に気がつかぬままであったという次第。
 上の地図で、実際に我々が歩いたコース(多分)を青線で記入してみました。少し道に迷って、無駄な歩きをしていることが見てとれるかと思いますが、これもご愛敬であります(笑)。
 さて、前頁では東古御香町公園での昼食で終わっていますので、昼食後から記事を始めます。
 いよいよ、大岩山展望所・大岩神社への坂道に取り掛かります。

​​​​​大岩山展望所への道)
 険しく、細い山道の先行きを予感させる竹林の道へと入って行くが、竹林を抜けると、予想に反して、道幅もしっかりあり、車が通行できる、眺望の開けた普通の道でありました。さすがに、簡易舗装が所々破砕したデコボコの少し荒れた道ではありましたが・・。

(同上)
 展望所まで600m、墨染通りまで750mという道標があり、先が急な坂道になっている。
 ヤカモチにとってはこの展望所と大岩神社が今回のウオークのメイン・ポイントであるから、それなりに期待が高まる。
 坂道を上り切って、左にカーブすると緩やかな下りに入る。
 すると、視界が一気に開け、そこに大岩山展望所のデッキが現れたのでありました。ちょっと拍子抜けな感じも。

(大岩山展望所)
 なるほど、感動するほどではないが、なかなかの眺望です(笑)。

(大岩山展望所からの眺望・パノラマ撮影)
 左手には、先ほどお邪魔した伏見桃山城が見える。

(展望所からの眺望・南寄り)
 左手奥に見えるのは大阪市内のビル街。

(同上・正面)
 北寄りにはJR京都駅、京都タワーも見えるが、展望デッキからだと右手の林が邪魔をして見えない。

​(同上・北寄り)​

​​​​​​​​​​​​ 上の写真(北寄り)では、右手の木々の間に、京都タワーとJR京都駅ビルが、左手には愛宕山が写っています。
 展望所から少し下ったところにあるのが大岩神社。

(大岩神社)
 大岩神社については、下掲の説明碑の写真をご覧下さい。

(同上・説明碑)
※写真をクリックしてフォト蔵の大きいサイズの写真でお読みください。


(同上・本殿)
 我々は、展望所から下って来た舗装道路から境内に入ったので、本殿よりも少し高い位置から横入りしたことになる。
 本殿から麓に続く参道があるが、倒れた鳥居がそのままになっていたり、何やら荒れている雰囲気なので、舗装道路に引き返して、山を下ることにしました。参道を下ると途中には堂本印象寄贈のユニークな鳥居などがあるそうだが、見ないままに山を下りてしまいましたので、それらは、下記<参考>のサイトでご覧下さい。
​<参考>
LINEトラベル・山中に異世界への門!?「大岩神社」の謎の鳥居とは?​​

 舗装道を下った方が楽だろうという考えで、正規の参道を避けて下山したのであるが、これが正解であったかどうかは何とも言えない。
 というのは、かなり急な勾配の坂道であったので、足の指先が靴先内側に何度も強く当たることを繰り返しているうちに、爪先が痛くなって、時々、後ろ向きに歩いて、爪先への圧迫を回避するということをしないでは居られないという有様でありましたから。
 そんなこんなで府道35号に出て、ようやく急坂の「爪先責め」から解放されたのでありました。
 府道35号に出て左折、西へ。
 程なく正規の参道入口の鳥居が左手に見えて来ました。
 参道を下るコースだとこちらに出て来るのでした。

(同上・参道入口)
 ※上掲の説明碑はこの入口の鳥居脇にあったものです。

 どこかで珈琲休憩をと、喫茶店はないかときょろきょろしながら、緩やかな坂道を下って行く。
 ローソンが道路左手にあり、その前方右手、道路の向かい側に菓子舗があり、喫茶コーナーもあるよう。店内に入ってみたが、「只今、3組のお客様がお待ちです。」という表示が店の奥の喫茶コーナー入口に表示されていて、名前を記入するノートが置いてある。
 待合空間のソファーなどに数名の入店待ちの男女の姿。随分と盛況のようだが、コロナ対策で入店者数を制限している関係があっての「待ち」客の群れであるとも考えられるので、正確には「盛況」と言うのは当たっていないのかもしれない。
 いずれにせよ、待ってまで珈琲は飲むべからず、のヤカモチ。早々に退散であります。まあ、蝶麻呂氏にとっては丁度良いトイレ休憩にはなったようですから、無駄足ではなかったということにはなる。
 更に、坂道を下って行くと、見覚えのある辻に出る。
 仁明天皇陵への道である。
 ここから先は、2018年7月に友人の偐山頭火氏と銀輪散歩したコースと概ね同じ道となる筈である。
<参考>​深草北陵銀輪散歩​ 2018.7.23.
​​​​
(仁明天皇陵)
 仁明天皇は深草天皇とも呼ばれるが、第54代天皇である。
 嵯峨天皇(第52代)の第1皇子であり、母は橘嘉智子。
 即位した時には、先帝の淳和天皇(第53代)の皇子、恒貞親王が皇太子に立てられたが、嵯峨、淳和両上皇が没すると、恒貞親王を奉じた伴健岑、橘逸勢らが謀反の罪で処分され、恒貞親王が廃太子となり、代って、仁明天皇の皇子、道康親王(後の第55代文徳天皇)が皇太子となる。
 いわゆる「承和の変」である。
 道康親王は、藤原良房の娘・順子が産んだ子である。これによって良房は天皇の外祖父として大きな権力を手にすることとなり、藤原氏による摂関政治へと道を開くこととなることから、承和の変は良房の謀略であったと考えられる。まあ、このような政治的転換点の時期の天皇が仁明天皇でありました。
 また、宮廷文化が唐風から和風に変わるターニングポイントとなったのもこの天皇の時代だと言われる。
 小野小町や在原業平など、この時期の歌人の名を挙げれば、この時代の雰囲気が分るというものではある。
 小野小町は仁明天皇の更衣であったという説や百日通いの深草少将は仁明天皇がモデルだという説などがあったりもするが、彼は、深草少将よろしく41歳の若さで急死している。
 そして、後を継いだ文徳天皇、清和天皇の時代に摂関政治の定着を見ることになる。因みに、文徳は32歳で病死、清和は31歳で没している。
 文徳については、良房による暗殺説もあったりするが、真相や如何にである。
 仁明天皇深草陵は、名神高速道路の南側の住宅街の中に目立たずひっそりとある。
 御陵を出て、名神高速道路の北側の道に。次の目的地である、嘉祥寺、深草北陵へと向かう。

​​(コース地図・その2)
 ※線:予定コース
  ​ー​線:実際に歩いたコース​​

 はい、嘉祥寺に到着。
 2018年7月以来の再訪であるが、記憶では無人の荒れ寺という印象であったが、今回はそんな風ではなかったのは、記憶違いであるか。

(嘉祥寺<深草聖天>)

(嘉祥寺説明碑)
 嘉祥寺というのは、嘉祥3年(850年)に宮中で突然に倒れ急死した仁明天皇の菩提を弔うため、息子の文徳天皇が「嘉祥4年(851年)2月に・・その陵の傍らに清涼殿の建物を移して寺とし」とあるから、元々は、先ほど訪ねた仁明天皇陵の傍らにあった大きな寺であったのでしょうが、室町時代に戦乱で焼亡。
 江戸時代・寛文年間(1661~1673年)に深草十二帝陵を管理する安楽行院を再興する際に、その境内に聖天(歓喜天)を祀り、嘉祥寺の名も再興されたとのことだが、それは名前を承継したに過ぎず、仁明天皇の菩提を弔う寺という実体を伴った嘉祥寺ではなかったということであるか。
 一般には深草聖天と呼ばれているようだが、道路側入り口の石碑には「日本最初歓喜天」と刻まれているから、わが国最古の聖天寺院ということなんだろう。
 聖天さんは全国各地にあるが、江戸時代寛文年間に初めて聖天を祀ったということが事実なら、そんなに古いものではないから、わが国最古というのは大変疑わしい。それとも、聖天信仰は江戸時代になってから流行り出した新しい信仰なんだろうか。
 日本三大聖天については、諸説あるとのことだが、
 東京都台東区の待乳山聖天(本龍院)と、
​​​​ 奈良県生駒市の生駒聖天(宝山寺)の、
二つについては、諸説一致して異論がなく、三つ目については次の四つの聖天が張り合っているらしい。
 埼玉県熊谷市の妻沼聖天(歓喜院)
 静岡県小山町の足柄聖天(足柄山聖天堂)
 三重県桑名市の桑名聖天(大福田寺)
 兵庫県豊岡市の豊岡聖天(東楽寺)

(深草聖天縁起)
 嘉祥寺の西隣が深草北陵である。北朝系の天皇12帝の遺骨が納められていることから深草十二帝陵とも呼ばれるらしい。

(深草北陵<深草十二帝陵>)
 制札に記載された天皇の名は次の12帝である。
 第89代 後深草天皇
 第92代 伏見天皇
 第93代 後伏見天皇
 北朝4代  後光厳天皇
 北朝5代  後円融天皇
 第100代 後小松天皇
 第101代 称光天皇
 第103代 後土御門天皇
 第104代 後柏原天皇
 第105代 後奈良天皇
 第106代 正親町天皇
 第107代 後陽成天皇
 これに、北朝3代の崇光天皇の皇子・栄仁親王の名も末尾に併記されている。
 大河ドラマ「麒麟が来る」で登場している正親町天皇の名も見える。
 ところで、北朝の天皇というのは、後深草天皇の血筋(持明院統)の天皇のことであり、南朝の天皇というのは、亀山天皇の血筋(大覚寺統)の天皇のことである。
 南北朝合一は、第99代後亀山天皇が、北朝6代目の天皇であった後小松天皇に譲位し、後小松が第100代天皇となったことによって、成立するのであるが、以後、北朝・持明院統の血筋が、皇位を継承して行くことになる。
 しかし、明治政府が皇位継承の正当性は南朝側にあるとしたことから、北朝初代の光厳天皇から北朝5代の後円融天皇までの5人は歴代天皇を数える際には除外される。
 持明院統の血筋が今上天皇まで続いているのであるから、北朝の皇位継承で歴代を数えるなら、今上天皇は第128代天皇ということになるが、歴代の数え方は南朝の皇位継承を正当とするので、第126代天皇ということになる。
 ここで、気になるのは、第89代後深草天皇から第107代後陽成天皇までの間の持明院統の天皇で、この深草北陵に名を連ねていない天皇4名の御陵はどうなっているのかということだが、次のようになっています。
 北朝初代の光厳天皇と第102代の後花園天皇
  京都市右京区京北井戸町丸山の常照皇寺境内の山國陵
 北朝2代目の光明天皇と北朝3代目の崇光天皇
  京都市伏見区の大光明寺陵
 深草北陵から伏見稲荷大社へ。
 いよいよウオークも終盤である。

(寶塔寺)
 寶塔寺の門前を通り過ぎ、JR稲荷駅の前、伏見稲荷大社の大鳥居前に到着しました。
 結局、珈琲休憩をする喫茶店に出会うこともなく終着点に来てしまったという次第。

(伏見稲荷大社)
 蝶麻呂氏は伏見稲荷大社にもお参りをするというので、ヤカモチは駅前の喫茶店で、珈琲休憩をしながら待つこととする。多分、社務所でお札を貰うというのがその目的なんだろう。
 ヤカモチはこれまで何度も伏見稲荷大社には来ているので、ブログ記事に取り上げるまでもないと判断してパスしたのであるが、過去記事を調べてみると、意外や意外、伏見稲荷大社の記事はないのでありました。
 そういうことなら、少し境内を歩き回ってもよかったかと後悔しましたが、これも亦後の祭りであります。
 待つこと20分位であったろうか、蝶麻呂氏が喫茶店に帰って来ました。ヤカモチは2杯目の珈琲を注文し、彼の珈琲にお付き合いしつつ、とりとめもないお喋り。
 珈琲を飲み干したところで、店を出て、JR稲荷駅からJR京都駅へ。
 京都駅で蝶麻呂氏と別れ、ヤカモチは近鉄線で帰途に。帰宅すると5時半位になっていました。
 スマホの歩数計は25985歩。かくて、「蝶に誘われ26000歩」という記事タイトルになったという次第。
 つまらぬ男二人の「徘徊」ウオークにお付き合い下さり、どちら様も、有難うございました。これにて完結です。(完)
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​
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最終更新日  2021.01.21 11:45:44
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